FC2ブログ

記事一覧

傭兵VS魔物

『コリント』、クリューソスの同盟都市の一つ。ここが終われば訪問する都市国家もあと一つか二つ。

他の都市もそうだったけど、ここでも大観衆に迎えられ、僕らの訪問は大成功をおさめた。

そして、その翌日。

海のそばで魔導列車が停車した。

(また魔物を狩るのかな)

何度も見てきたけど、怪我人こそでるものの、命に関わるほどのダメージはない。

だからアメやハルも何も言わず、のんびりとソファに座っていたら車掌さんが現れた。

「ワン様から少し休憩するとのことです。列車から降りてください」

タラップを降りると既にみんなが降りていた。

傭兵たちが上半身裸で浜辺にテントを張ったりバーベキューの準備をしたりしている。

「葵さん、あの、しばらく海で遊ぶみたい。だから…」

スージーさんが水着を持っている。

(遊ぶ?)

「できたら、その、新作の水着なんだけど…」

「お嬢様、僕らはここで待っていますので」

ハルとアメはいつの間にか水着に着替えていた。多分前に見たピカッと光って水着になったんだろう。

ハルはハーフパンツ型の水着、アメは黒のビキニだ。フリルが胸のところにヒラヒラついている。

(胸は歳相応なんだ)

「何よ?文句でもあるの?」

胸を隠して久しぶりに毒を吐かれた。

「葵っ、あっちに水着に着替えるためのテントがあるぜ」

声がして振り返ると水着姿のミハエルとオズワルドさん、それにジャスミンさんが立っていた。

「ふぁ?」

「どうしたの?」

目を丸くした僕にジャスミンさんが眩しい笑顔を向ける。ミハエルやオズワルドさんはハルと同じく普通のハーフパンツの水着で気にならないんだけど、問題はジャスミンさん。

筋肉ムキムキの体に乳首が隠れるか隠れないかくらいのミニのビキニ。股関もギリギリ隠れるかどうか。もっこりしたものが角度次第では見えるのでは…。

「いえ…ナンデモナイデス」

「うふふ、海なんて久しぶりねっ。きょうは焼くわよっ」

ジャスミンさんの満面の笑顔を見ると何も言えない。

「あの…私達も行きませんか?」

そうスージーさんから控えめに促されて僕らも着替えることにした。

「ねえ、スージーさん、ちょっと待って。これ透けてないよね?」

「大丈夫な…はずです。中心にはちゃんと裏地をつけていますから」

スージーさんの新作はニット風の編み込みの水着だった。コンテストの時は黒の水着の上から編み込みの水着を重ね着する形だったけど、今回はニットを直接着る。

中心に裏地がついていても当然編み込みの隙間から胸の色んなところは肌が見えてしまう。

結局着替えてテントから出ると、若い傭兵達から歓声があがった。

「こらっ、お前ら、食事の準備をするんだっ」

隊長が現れて傭兵達を連れていくけど、帰り際に僕の姿をチェックしていた。


◇◇◇


「うわあっ、気持ちいいっ」

波が打ち寄せてふくらはぎまで浸かる。

海に入るのは考えてみれば旅に出る前、ケルネにいた時以来だ。

キャッキャはしゃいでいると、ワンさんが小さな箱を持った男の人と一緒に現れた。

「気にせんといて。最近出来た魔術具を試させてな。なに、ブロマイドみたいなもんやけど、動いててくれてエエから」

言われてみれば、ブロマイド撮影のカメラとかいうのに似ている。

(気にするなって言っても…)

「おいっ、葵っ」

「えっ、…わぁっ」

水が顔に向かって飛んできた。

「ちょっと…やったなぁっ」

ミハエルに向けて水をかける。

「うわっ」

ミハエルが足を滑らして転んだところに波が来て頭から被った。

「あははははっ、天罰だよっ」

そうこうして、いつの間にかカメラのことなど忘れて楽しい時間が続く。

「お嬢様っ、食事が出来たようですよ」

波打ち際からハルに呼ばれて僕らは海から上がった。いつの間にかハルとアメは普段の格好に戻っている。

「あら?ご飯の時間?」

おいしそうな匂いのする方へ歩いていると、ジャスミンさんが砂浜に寝転がっていた。

(なんか光ってる…?)

「これは油よ、せっかくだから綺麗に日焼けしたいじゃない?」

ジャスミンさんの筋肉がテカテカと光って、なんというか…凄い。

その後ろにスージーさんも体育座りしていた。なぜか手に双眼鏡を持っていた。

「葵さん…可愛かったです…特に波打ち際で遊んでいた時なんて…」

(ずっと見てたの?)

二人も合流して歩いていると、傭兵達が出迎えてくれた。

「あっ、あのっ、俺達、ファンなんです。握手してもらっても良いですかっ?」

「えっ?あっ、はい」

伸ばされた手を握ると、俺も俺もと周りが手でいっぱいになった。

「えっ、あのっ、ちょっと…」

戸惑っている間にもどんどん人の数が増える。

「お前らあっ、持ち場に戻れえっ」

傭兵隊長が現れてようやく事態が収拾した。

「すみません、うちの若い者が」

(そう言いながら、胸をチラチラ見てるよ)

さらになぜか去り際に握手をして隊長は傭兵達を怒鳴りながら持ち場に戻っていった。

「そしたら乾杯しよか。傭兵の皆は連日戦こうてお疲れやろうし、葵さん達も有名人やから、クリューソスに帰ったらこんなことも出来へんやろし、今日はゆっくり楽しんでや」

ワンさんの乾杯の音頭でバーベキューがスタートした。

「お嬢様、食べ物を取ってきますね?」

準備された専用のテントから少し離れた所に肉を焼く場所があって、傭兵達がその場で座りこんで食べている。ハルに「僕も取りに行くよ」と言ってついて行った。

「でも、お嬢様…」

「大丈夫だよ」

ハルは心配性だなあ。

「そうそう、俺達も行くからさ」

ミハエルやジャスミンさんも一緒に行くと、さすがにさっきみたいなことにはならなかった。概ねジャスミンさんのお陰だったけど。

「やっぱり若い子達はいいわね。私も若返るわっ」

ねっとりした目付きでジャスミンさんが周囲を見渡すと、スッと傭兵達が俯いて僕に向けられていた視線が消える。

「あらあら、みんなシャイなのね?」

ジャスミンさんは目を逸らすタイミングをミスった幼さの残る傭兵にウインクすると、泣きそうな顔で震えていた。


◇◇◇


「ハグ、ハグ…おいしいねっ」

お皿にのったお肉を頬張っているとき、ふと海を見るとなんだか遠くの方に黒い点が見えた気がした。

(うん?…あれは…?)

見間違いかと思ったけど、やはり遠くに黒い点が波に揺れている。さらにそれが大きくなってきたような気がした。

「…あれ?ハル、アメ…あれって…」

海を指差してハルとアメに確認すると、二人も頷いた。

(いけないっ)

「ミハエルっ」

振り返るとミハエルはジャスミンさんに飲まされて鼾をかいて寝ていた。

(何してるんだよっ、大事なときにっ)

「なあに?葵?」

ジャスミンさんはまるで素面のようだった。

そして、海に浮かぶ点を見るや否や、スージーさんとオズワルドさんを傭兵隊長のもとに走らせ、自分も傭兵達のところに走っていった。

『ガンガンガンガンガン』

激しい銅鑼の音が鳴り響いたのはその数分後。傭兵達の顔つきが変わって、酒を飲んでいない者は酔いつぶれた仲間を列車に運び、武装する。

「葵さん、列車に戻って下さいっ」

傭兵隊長からの伝令がきた。

「戦えるのは何人いるの?魔物は?」

「えっ、あの…」

若い傭兵は躊躇う。

「早くっ」

「あっ、ええっと…戦える者はおよそ20、魔物は海から70、陸から30ですっ」

(まずいな…五倍か…)

「僕も戦うよっ」

ハルとアメも僕の両隣についた。

「お嬢様、これを」

ハルからは仕込み杖、アメからはホットパンツが渡された。

「戦うなら一応これくらいは履いたら?周りの男が集中して戦えないわよ」

確かに伝令の若い傭兵も真っ赤になって目をそらしていた。

「ありがとうっ」

お礼を言って急いでホットパンツを水着の上から着る。

「葵さーん、大丈夫ですかぁ?…はぁ、はぁ…あれ?」

スージーさん達も帰ってきたけど、僕の姿を見て不思議そうな顔をした。

「スージーさん、オズワルドさん、ミハエルをお願いっ。急いでっ」

黒い点は既にもうリザードマンであることが見て分かるほど近づいていた。

「お嬢様、来ます」

浜に上がったリザードマンはある者は三ツ又の銛、ある者は珊瑚か何かの槍のようなものを持ち、口々に何か叫びながら走ってくる。

「さあっ、行って」

僕らは浜に向かって駆け出した。


◇◇◇


ワンウェイは魔導列車の指令室から戦いの様子を見つめていた。

「おりゃあっ」

『ズシャッ』

ジャスミン、いや、かつてアリストスから各都市国家にまで名を馳せたジェイソンが傭兵から借りたのだろう、バスターソードを振り回し、一撃で三体のリザードマンを屠った。

(さすがは自力で戦奴から解放されただけのことがある)

アリストスの主戦力は戦奴と呼ばれる奴隷達だ。ほとんどが奴隷からの解放前に戦いの中で命を落とす。だが、圧倒的な力で勝利し続け、解放された男がジェイソンだ。

(それに…)

続いて目を移すと、そこにはジェイソンとは180度異なった存在がいた。

「はっ、ふっ」

水着のブラジャーを柔らかく揺らしながらリザードマンの矛先を躱し、華麗に切り裂くのは、まさかの美少女コンテストのグランプリだ。

(情報から実力は充分だと分かってたつもりやったけど)

さらにメイド服と執事服の従者の二人も葵と同じか、それ以上に強い。

(これはなかなか骨やで…)

四人で海から来たリザードマンの半分ほどを足止めしている。

そのお陰で傭兵達も士気が上がり、何とか数で勝るリザードマンを押し返していた。

(さあ、どうしよか…力ずくは難しいな)

丸いサングラス越しにワンウェイは目を細めた。


関連記事

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

スポンサーリンク

サイト内検索/作家・サークル・ブランド

変身  入れ替わり 憑依 まる寝子 安治ぽん太郎  赤髭 若宮参太 羅ぶい 林田虎之助 グレッグ僧正 あむぁいおかし製作所 ガットマキア 氷月 ToL●VEる RAYMON M小説同盟 Q パルコ長嶋 DATE akys本舗 桐下悠司 せみもぐら なるせ 谷口さん 枝空 きつね長官 L.P.E.G. H9 砕骨子 命わずか 夢幻館 あむ 大和田朋輝  犬神ラボ かかし朝浩 忍桐ずん 九条志玲 ぶーちゃん 柚子鉄線 アサノシモン 龍企画 うえにあるみかん TSFのF もちもち堂 サナダ ゆきまろゆっきー ジンギスカンの玉葱は俺の嫁 けんたろう HB 猫丸恋太郎 鹿島田しき 大人の幼恥園 あめしょー あるざ流人 ドウモウ 坂井リンゴ むらさきにゃんこバー ダイナマイトmoca 艦●れ 蜥蜴重工 いそふら エムシー販売店 紫紀 Norn U.R.C 狩野景 午前七時の合わせカガミ 幾夜大黒堂 NOIR 大嶋亮 gallery_walhalla LAZY_CLUB 稲葉COZY 水利硝 新堂エル 泥酔桜国 ヴァニラCREAM ノーリミット tes_mel Cothurnus Norn/Miel/Cybele 宮里えり やまガラス BANANA かると 一輪車でねこらっしゅ もくふう 無計画主義 ピンポイント キングピン 赤人 石野鐘音 成田コウ くろの せぼい シルキーズ 双龍 AV 君の●は。 トキサナ 男体化 鈴月奏 OKAWARI 龍炎狼牙 雪月楓花 #define 蒼田カヤ ふじや まぐろどんぶり あべつくも 神谷ズズ 狼亮輔 さいもん 消火器 マグナプラン 吉田犬人 ウィルテイム 大石コウ ひらたいら ダルシー研Q所 ピンクパイナップル 福龍 恥辱庵 TS内燃機 Hisasi 綾瀬はづき BENNY’S 夏川冬 ニイマルサン 松園 緑木邑 田中竕 クラウド 真城の秘宝館 山猫スズメ 座間翔二 高宮はいり 桐生真澄 白羽まと 鶯羽佯狂 眠たい猫 花妻見枝豆丸 エロエ アロマコミック 零零零 舘石奈々 にくじゃが 永田まりあ 飛燕 アカギギショウ 菅野タカシ タケユウ 一夢 PoRore 山田ゴゴゴ 零覇 高瀬むぅ 虹のれん Red.D たいやき しなのゆら コトキケイ B-DASH 岸里さとし JUMP はみ部屋 種梨みや CrookedNavel 童貞食堂 TJ_studio 勇者乾電池 夜のひつじ アシオミマサト ちみチャンガ ココロコネクト TLB ヨシフミカオル 鳥茶丸 満足堂 能都くるみ ちり 蒼沼シズマ とも福 Lilith 脳縮還元 pastgadget 鉄巻とーます 浅野屋 まどろみ行灯 白濁系 シュガーミルク 愛内なの 高柳カツヤ ディーゼルマイン 小女子 伊佐美ノゾミ vivi-sectr 白駒らい TinkerBell ハイエンド アクシス 都氏 じぃすぽっと 雨雅 若井いくお 無限軌道 ゆきマンゴー 橘真児 樋口あや 松任知基 bodied 早乙女もこ乃 ボクの女子力はあの娘のパンツに詰まっている。 高山ねむ子 さじぺん ぬるはちぽんぽん 松阪剛志 Medium SPINDLE アパタイト LIBERTYWORKS 如月奏 クリムゾン 極フェロ 天鬼とうり  中川優 立川立夏 あきちん 松山はやて ボクガール 有栖リツカ D-ivision 高尾鷹浬 小武 舞麗辞 しまちよ 酒井仁笹弘 桂あいり 葛城ゆう 花門初海 タナカミノリ 上原ヨヨギ ミッドナイトむぅむズ 蔵乃 浅草寺きのと ちょこばにら ポン貴花田 藤島製1号 森島コン メイビーソフト 工藤詩乃  雪乃つきみ ケラトン 久壁おと 百合原明 りこ丸 萌姫ねねね スピンドル ごまさとし 黒色彗星帝国 majoccoid はるゆきこ たいやきトランプ 汚惣菜屋 Q-Gaku かふぇもかそふと まうめん すみすず みよし 目指せ絵師様 チリモズク茶 眠り猫四郎 四八楼 TSF専用 CHU-S 4階絵画室 雑菌工業 天崎かんな 東航 だーくすぴりっと ねとろもりこん くどうひさし 天野タマキ 小倉脩一 アロマフラッシュ! runa なちすけ 雛瀬あや 白家ミカ ピロンタン フジツナ 四葉チカ 篠塚醸二 チロリアン ほりとも るいす・まくられん いちよんよん 仁志田メガネ taro 地縛霊の巣 宇行日和 ヨノイ誠一郎 くりおね社 ら○ま1/2 あまね紫狼 雷蔵 福徳紗織 愛昧亭うまみ 藤馬奈緒 井ノ本リカ子 月下冴喜 吹浦ハギ 彩葉チヨ 水姫七瀬 ikak 風雅ゆゆ ゆうきつむぎ 椿山パリィ 伊駒一平 一夜猫の夢 ろれろれ屋 ほんじょう山羊 八尋ぽち 愛昧亭 オジィ カワディMAX とめきち 鉄腕うーぴー ねじろ 47.5% 式神くろ子 @子猫 gallery walhalla 緋衣響一 春日まゆ すずしろやくも spika 真黒皇子 木ノ碕由貴 高槻遠名 福田りお たなかけいご 九波ヒメヒコ しおん 壱状什 DLメイト 松波留美 氷室芹夏 あんにん アシオ 合丼来来 ゆめみきらら 布施はるか 三夜 左カゲトラ みうら悶絶 妖精社 ぷりてゐ 碧本さり 夏が夜かおる 鳥之倉 たけし 睦茸 美矢火 144 絵を描くマン tsxy 瀬奈陽太郎 千変万化式 アイド●マスター もねてぃ アクオチスキー先生 MasterMind さかもと(猫) KEN しいなかずき 風呂井戸ソフト ZEQU 不確定空間 りーるー モフ2製作所 ふかふか天職 南ちさと bpm12 南郷じんげる RIKI 星逢ひろ あましょく kupa さいだ一明 Miel Cybele 楽人唯夏 エクスプロージョン 托卵JP 大橋薫 花巻かえる TSUBASA みなこなみ レトロスター 南京本舗 納屋 鎖ノム   十月兔 百合 蒟吉人 メロンバロン 我心達吉 東方Project 日月ネコ サ●ーウォーズ 南乃映月 馬せんた うたのはかせ 女騎士の城 Quu 柚木N' 

スポンサーリンク

小説系相互リンクサイト様


Mikiko's Room

ゴシック系長編レズビアン小説ならここ。登場人物の変態度はNo.1



凛 騎 応 変!

近親相姦から浮気、人妻、寝盗りといった内容の小説サイト様。背徳感がたまりません。



18's Summer

少女たちが男に屈服させられる。寝取られ属性、陵辱表現に溢れた中身の濃い小説サイト様です。



制服フェチ小説

制服、女装、エロ、百合、触手などに加え、ストーリーもしっかり備わった小説サイト様です。可愛い挿絵もあって美味しいですぞ。



変態小説

『変態小説』の名に恥じない素晴らしい内容の小説サイト様。半端ない変態性を惜しみなく晒してくれます。


かみやなぎの官能小説もどき

性描写ばかりというわけでもないのに不思議にエロい。読み終わったあとも爽やかさの残る絶品小説です。

官能小説ランキング

ブログランキングに参加しています。 押していただけると励みになります。
にほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ



当サイト人気記事ランキング

ツイッターこっそりやってます