管理人ほう

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翌日。午前中に来るようにとレオンさんから言われていた僕らは支部長室のソファに座って説明を聞いていた。

話すのは主にアーバインさん。レオンさんは興味深そうに僕らを見ているだけ。

(アーバインさんの苦労がわかるなぁ)

ところで、新規のギルド員が入ると毎回ああいう感じなのかと思っていたけど、どうやら今回はこの支部始まって以来のBランクのルーキーということで特別だったらしい。

通常ハンターギルドに入るには簡単な試験を受けてEランクから始まる。Eランクだと薬草などの採集系が多いらしい。地道に依頼をこなしながら上のランクを目指すのだそうだ。

そしてC、Dランク、これが最も人数が多くて、危険な場所の採集や、討伐などを担当する。

ほとんどの人はCランク止まりということだ。だから、僕らはかなり特殊な部類に入る。


◇◇◇◇◇


ハンターギルドの構成員は、月に1回は必ず依頼を受けなければいけないし、3回以上の連続失敗は許されない。依頼を受けなかったり、あまりに失敗が多いとギルド証が剥奪されたり、降格処分を受ける。

そして、Sランク、Aランク以外は、自分のランクより上の依頼は基本受けられないことになっている。

さらに、Sランク、Aランク、Bランクには特権があるため、逆にギルドから指名されて依頼を受けなければいけないこともあるらしい。その場合、原則断ることはできないそうだ。

現在、Aランクは支部長のレオンさん、支部長代理のアーバインさん、アンナさん、ウィリアムさん。

ウィリアムさんは謙遜しているだけで、魔術士としてのとしての力は一級品なんだそうだ。

Bランクは僕らを含めて8人くらいいるらしい。Sランクの人も一応1人在籍しているけど変わった人でどこにいるかわからないとのこと。

それで特権というのは、一つめが、ギルドから家がプレゼントされる。これはその日暮しのハンターにとっては宿を取ったりしなくても良い分とても助かる。

二つめが長期休みを取れる。大体、申請をきちんとすれば半年から1年くらい休んでもいいらしい。

三つ目は自分のパーティが組める、とのこと。

これは支部によっても異なるみたいだけど、この支部では、Bランク以上の人が大規模なパーティを組んで、その中でさらに小さなパーティを作るというシステムらしい。

そうすることで、成長を促したり、規律が守られたりするんだって。

全ギルド員は200人ほどだから、計算すると1つのパーティが15人ほどということになる。でも、実際はA、Bランクの人の中に自分のパーティを作らない人がいたり、Bランク二人でパーティの代表を務めていたりするため、計算通りではないらしい。

特にウィリアムさんとアンナさんは初心者にも優しいので、それぞれ50人以上の大パーティを組んでいる。

アーバインさんは一応レオンさんのパーティに名前だけ在籍しているらしいけど、二人共いなくなったら誰が仕切るのか、ということでほとんど依頼を受けられない。

では、レオンさんのパーティはというと、気に入った10人ほどで強い魔物を専門に狩りに行ってるらしい。もちろん、レオンさんが率先して参加している。

「こんな人が支部長だから、私の仕事が増えるんですよ。以前も、他の支部の人と話す機会があって、代理が忙しいなんて聞いたことがないと…」

アーバインさんの小言は一度始まるとなかなか止まらなかった。

(相当鬱憤が溜まってるんだなぁ)

そう思ってその元凶を見ると、耳をふさいで口笛を吹いていた…。

残りがBランクの魔道士二人が中心となったパーティや、さらに素材集めが好きな人たちが集まったパーティなど、何やら小さいのがいくつかあるらしい。

僕とラルフもレオンさんにその場で勧誘されたけど、丁重にお断りした。でも、いずれどこかのパーティに入らないといけないということだったので、ラルフと二人のパーティを設立した。

その後、ギルド証を渡された。

ギルド証は金属のタグで、名前が刻まれておりBランクは銀で出来ている。これもEランクは鉄、Dランクは青銅、Cランクは銅、Aランクは白金、Sランクはオリハルコンというふうに各ランクで違う。

さらに宝石が埋め込まれており、これは魔石で、もしもの際に探索魔術で居場所を確認するために使えるらしい。

また、現金の持ち歩きは危険なので、ギルドにお金を預けることもできるんだそうだ。その際の本人確認にもこのギルド証を使うんだって。

「失礼します」

ノックの音がしてケイトさんが現れた。相変わらず、きっちりした格好がよく似合う美人だなあ。

「おっ、相変わらず良いタイミングだな」

レオンさんが暇を持て余し始めていたのでちょうど良かった。

(?)

「これからお二人の家を案内させていただきますので、宿屋を引き払ってきていただけますか?」


◆◆◆◆◆


「ただいまー」

僕らが銀狼亭に帰ると、おばちゃんが声をかけてくれた。

「おかえり。あんたたち、街ですごい噂になってるよ。支部始まって以来のホープだって?」

「そんなことないですけど…」

「でもBランクなんだろ?」

「うん、まぁ…」

「じゃあ家をもらえるんだね。うちはお客さんがいなくなって残念だけどおめでたいことだからね、頑張んなさい」

「ありがとう、でも、ご飯食べに来るからね」

そう言って荷物をまとめて、僕らは再びギルドに。

「えっと…ケイトさんは…」

いたいた。ケイトさんに連れられて僕らは物件選びを始めた。

「アオイさん、ラルフさん、お二人は同じ家でいいんでしょうか?」

「はい」

「でしたら、Aランクの家まで選べますね」

「?」

家というとケルネの自宅しか思い浮かばず僕には意味がよくわからない。

「では、まず、地域ですが、ロゴスは北区、東区、西区、南区と分かれており、このギルドがあるのは東区になります。東区はお店が多い商人の町ですね」

「はい」

「北区は役所などが多いですし、西区は一般の方々が住んでおられます。南区が高級な住宅街ですので人気もありますし、物件もたくさんあるのですが、どうされますか?」

「うーん、できたら東区がいいかなぁ。知り合いがいるのもここらへんだけだし…あんまりこの町のことよくわからないんで」

「あっ、そうでしたね。すみません、では東門の近くになりますが、そちらにおすすめの家がありますので見に行きましょうか」

そう言って先導してくれた。

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