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2015/01/01

学院初日

ホームルームが終わり、休み時間になった。

僕とサラさんを中心に遠巻きに生徒たちが集まるけど、誰も話しかけてくれない。

(えっと…どうしよ…)

「ねえ、アリスは貴族なの?」

誰も話しかけてくれなくて俯く僕にサラさんが話しかけてくれた。

「いえ、ケルネっていう東の港町の町長の孫です。でも、どうしてですか?」

「だって…あなたみたいな美少女だったら貴族だと思うじゃない、ほら、みんなもアリスに話しかけたいけど、あんまりにも可愛いから遠慮しちゃってるんだ」

「へ?」

「ね、ジョシュも話しかけたいよね?」

サラさんが前の席の男子の背中に声をかける。

「…」

(嫌われてるのかな?)

そう思うとちょっと寂しい。

「ジョ~シュゥ、アリスが泣いちゃうわよ~」

サラさんがさらに大きな声を出す。

「ああっ、くっそ」

ジョシュが振り返った。褐色の肌に茶髪を丸刈りにしている。ちょっと耳が赤い。

「はじめまして、キャロルさん。オレっ、あっ、僕はジョシュ・スペンサーです」

「ぼく~?どうしちゃったのよ、ジョシュく~ん」

サラさんがジョシュをからかう。ジョシュの顔が真っ赤になった。

「あのっ、アリスって呼んでください。ジョシュ…さんでいいですか?」

そう僕が言うと、ジョシュも

「僕…いや、オレのこともジョシュって呼び捨てでいいよ」

「はい、ジョシュ…よろしくお願いします」

顔を見てそう言ったら急に前を向いてしまった。

「フフフ、アリスと一緒にいると面白いわぁ」

サラさんがそう言って笑ったのを皮切りに周りの人の輪がぐっと近づいて、口々に自己紹介が飛ぶ。

「ねえ、キャロルさん、アリスちゃんって呼ばせてもらっていい?」

「はい」

「あっ、私もっ、よろしくね。アリスちゃんっ」

それからは教師が制止するまで、集まったクラスメートから質問攻めにあった。

授業が始まる間際、僕はチラッとエルザを見る。エルザは席について教壇の方を眺めていた。

(エルザも内密にって知らされてるみたいだけど、なんとか自然な感じでエルザと友達にならないと…)

「あの…、サラさん、エ、王女殿下には私から挨拶した方がいいかな?」

「私のことは『サラ』でいいって。で、エルザ?ああ、エルザなら畏まらなくても良いよ。堅苦しい方が彼女嫌がるからさ。そうねっ、昼休みにでも話をしに行こっか?」

そして僕の学院で初めての授業が始まった。

「…というわけで魔石を利用した道具は魔術探知に引っ掛かるので、さらにその性質を利用した道具や術式が開発されたわけだ。おっと、時間か…では次回は具体例を挙げながら魔術具の説明をする。以上。」

『ジリリリリリリリ』とベルが鳴り授業の終わりを告げる。


◇◇◇◇◇


「はじめまして、王女様」

昼休みにサラに連れられてオープンカフェに向かう。そこにはエルザが数人の生徒と談笑していた。

さすがは王族だけあってか、エルザのいる一角は他の場所よりも華やいだ印象がある。エルザの笑顔は、木漏れ日でエルザの綺麗な金髪が輝くのと相まって、思わず「ほぉっ」とため息が出るほどだった。

「あら?アリスさんね。私の事はエルザって呼んでね、私もアリスって呼ばせてもらうから」

エルザは挨拶をした僕にあっさりと名前で呼ぶことを宣言した。

「ねっ、言った通りでしょ?」

サラが言うと、

「ちょっとぉ、サラっ、アリスに何を言ったのよ」

「ふふ、エルザは王女様らしくないって話よ」

そう言って二人は軽口を叩き合う。

「でも、そうね。私、堅苦しいのは好きじゃないのよ。それにここのモットーは『実力主義』でしょ?アリスなんて編入試験に合格したんだから私なんかよりよっぽど優秀なはずよ」

「そうだっ、ねっ、すごい勉強したんでしょ?」

二人が僕を見る。

「いえっ、そんな…ただ覚えることばっかりだったから…」

「ねえ、せっかくだし、サラもアリスもお茶しましょうよ」

エルザに誘われて僕らも席に着く。ウェイトレスさんが僕らのためにオーダーを取りに来てくれた。

「アリスは何を飲む?ここでは生徒は何を飲んでも無料なのよ」

そう言えば入学案内にそんなことが書かれていた。

(たしか、この学院は学費と生活費で年間250万イェンほどかかるんだよね。その代わり飲食は自由、朝食と夕食は寮の食堂でとるのが決まりだけど)

「えっと、じゃあコーヒーを」

サラもレモンティーを注文した。

「さ、それじゃあ、質問タイムかしらね」

エルザが微笑んでそう言うのを、今か今かと後ろでウズウズしていたクラスメートたちがワッと話し出した。それで結局、昼休みの間も僕は質問攻めにあうことになってしまった。


◇◇◇◇◇


「ふぅ」

僕は寮の食堂での食事の後、寮のあてがわれた個室に入って安堵の息を吐いた。

寮といってもさすがは貴族やエリートが暮らすだけあって、ロゴスの家の自室ほどもないけど、備え付けのベッドと、勉強机、本棚があっても、まだまだゆとりのある大きさだ。

ベッドにそのまま転がる。

(やっぱり疲れるなぁ)

休み時間ごとに質問攻めにあって気疲れしてしまった。

(今日はエルザと友達になったから、明日からはさりげなく護衛もするぞ…よしっ、今日はもうお風呂に入って寝よっ)

それぞれの部屋にお風呂はさすがにないので僕は寮の大きなお風呂に向かうことにして準備する。

「ちょうどいいタイミングっ、アリスもお風呂?」

部屋を出たところでサラと鉢合わせた。

「誘いに行こうとしていたのよ」

サラの隣にはクラスメートの茶色い髪に眼鏡の少女がいる。

(この人も貴族の令嬢なのかな?)

「アリスさん、私、ブリジット・レンナーと言います。ブリジットって呼んで下さいね」

サラが貴族って聞いた時は、失礼ながら驚いたけどブリジットは正真正銘お嬢様って感じだ。

「あっ、はい」

「ブリジットは学生自治会の会長なのよ」

「へぇ、凄いんですね」

「そんなこと…」

「はいはい、謙遜しなくて良いからっ、さっ、行きましょう」

三人でお風呂に向かう。

(うーん、何か忘れてるような…)

首を傾げて考えるけど、思い出せない。

「アリスさん、行くわよっ」

「はーい」

そしてお風呂の脱衣場で、二人が服を脱ぎ始めたところで、はっと気がついた。

(うわあ、どうしよぉ)

僕の焦りを尻目に二人はどんどん脱いで既に下着姿だ。サラはスレンダーで、胸やお尻は慎ましいけど、引き締まった綺麗な体だ。青と白のボーダーの下着が褐色の体を引き立たせている。

それに対してブリジットさんは服の上からは想像できない大きな胸をしていた。性格と同様下着も清楚な白だけど、どうしても胸の大きさに目がいってしまう。

(仕方ない、見たくて見てる訳じゃないもんね)

僕も脱いでいく。下着を脱いだところで、二人が目を丸くして僕を凝視していることに気がついた。

(?)

なんとなく胸と股間を手で隠す。

「アリスさんって凄いスタイルなのねぇ」

ブリジットさんが、ほぉっとため息をつくと、サラも興奮ぎみに捲し立てる。

「ホントっ、体は細いのに何これっ?」

「へ?」

「羨ましいわぁ」

「ねっ、何かエクササイズとかしてるの?」

サラが僕ににじりよってきた。

「いやぁ、何も…」

「そんなわけないじゃない、さっ、お姉さんにそのおっぱいの仕組みを教えなさい」

何かを揉む仕草をしながら近づいてくる。

(手の動きがやらしいよ)

「やっ、あのっ、風邪引いちゃうから早く入ろうっ」

そう言ってタオルで胸元を隠してお風呂の扉を開く。

後ろで「いつか揉んでみせるからっ」と意味不明な決意表明が聞こえてきた気もするけど、上手く逃げられて良かった。そう思っていたら予想外に僕の名前を呼ばれる。

「あら?アリスさんもお風呂?」

クラスメートが数人いたようだ。

当然みんな全裸。

(うわぁ、どうしよぉ)

目を泳がせていると鋭い視線を感じる。視線の元を見ると胸元を隠したエルザと目が合った。冷たい視線が突き刺さる。

(違うんだよぉ、これはわざとじゃなくて…)

お風呂で予想外に疲れて部屋に戻る。

(疲れたぁ、寝よ)

こうして学院での僕の初日が終わった。


◇◇◇◇◇


ガビーノは風呂での一幕を映像で眺めて楽しんでいた。

膝の間には秘書がうずくまっている。

『じゅぽっ、じゅぽっ』

濁った目がアリスの体を這い回る。何も知らないアリスは無防備に裸を晒している。

「んはぁっ、大きいっ、ガビーノ様っ、今日はいつもにもまして大きいですっ」

そう言いながら秘書が必死に肉棒に舌を這わせる。

映像がアリスの股間の間を映し出す。ガビーノはそれを見て我慢できなくなったように秘書を立たせる。

「おいっ、尻をこちらに突き出せっ」

ガビーノは慌ただしくそう言うと秘書の股の間に肉棒を突き刺した。
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