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2015/01/12

騙されたのは?

葵は激しい絶頂の後、静かな寝息を立て始めた。

しばらくしてラッセルや仮面の男達が姿を消す。

それと入れ替わるようにエヴァが入ってきた。エヴァがなにか呟くとブリジットの姿も消える。それが済むとエヴァは仰向けのガビーノの方を向いた。

「ガビーノ様、もう聞こえない振りはよろしいですよ」

すると学院長は手で目隠しを外して、葵を起こさないよう床に寝かせて立ち上がる。

「ふう。エヴァ、お前の計画は面白いが、時間もかかるし、私ばかり焦らされるな。やはり力を使うべきだったか」

「ガビーノ様が遊びたいとおっしゃったのですよ」

「それはそうだが…この体を前にして何も出来んとは…」

学院長が舌なめずりをして恨めしそうに葵の肢体を見つめる。

「明日まで我慢してください。明日にはあなたに与えたその肉棒で思う存分味わえますから」

「むう…、仕方ない。ところでアスモデウス」

ガビーノが別の呼び名でエヴァに話しかけてすぐに、しまった、という顔をした。

「ガビーノォ、その名で呼ぶのは二人の時だけだと言ったはずだっ」

その瞬間美しい女性の口から、地獄の底から沸き上がるような低い声が出る。

「ひいっ、はいぃっ、アスモデウス様っ、いやっ、エヴァ様っ、すみませんっ」

ガビーノが蒼白な顔で言い直す。

「はい、ガビーノ様?何でしょう?」

ガビーノが言い直した途端、その声は元の女性の声に戻る。

「いっ、いや。何でもない」

なんとかガビーノが声を絞り出すと、エヴァは眼鏡を外して妖艶に微笑んだ。そしてガビーノにしなだれかかって、萎びた肉棒を人差し指でなぞる。

「慰めて欲しいのでしょう?さっ、気持ちよくしてあげますから、こちらに来てください」


◇◇◇◇◇


【今日は休みなのでこちらで服を準備した。それを着て学院長室に行くこと。】

目が覚めると、枕元に手紙とともに小包が置かれていた。

カサカサと包装を外すと、中には手紙に書いてある通り服が入っていた。

(あれ?わりと普通かも…)

ピンクのミニスカートと首回りの弛いベージュのサマーセーター。

(下着は…あれ?なんかスースーするな)

淡い青色のフリルのついたパンティはお尻の割れ目が分かるくらい生地が薄く、しかも割れ目のところがぱっくりと開いていた。

(ブラジャーは?)

これもパンティとおそろいで胸をおおう部分も柔らかく薄い布で乳首もはっきり見える。

スカートとセーターをその上から着ると、セーターは首回りが弛すぎて二の腕が出てしまう。五分丈の袖も広がっていて、角度によっては服の中が見えてしまうだろう。


◇◇◇◇◇


キャロル君が学院長室に来るのを午前中から今か今かと待っていたが、ようやく昼前になって、部屋がノックされた。

私は届いた手紙を出す。

「まさか…」

「すまない、このようなことになるとは…」

【学院内で三回場所を変えてセックスをすること。】

(三回どころか墜ちるまでやり尽くしてやるがな)

「キャロル君…」

私は心配そうに気を使った顔をしているはずだ。

(さあ、キャロル君、どうする?と言っても昨日の今日で、拒否など出来るはずがないが)

「学院長…指令の通りに…お願いします」

少女が俯いて囁くような声で言った。

私は苦しそうな表情で頷く。

(ククク、ようやくだな。私の肉棒ですぐに虜にしてやる)

「では、まずはこ…」

ここで一発目、いや、一回目をしよう、と言いかけたところに少女の声が重なる。

「あっ、あの…」

(なんだ?)

「あの…、最初は私の部屋ではダメですか?」

私は虚を突かれて少し考える。

(キャロル君の部屋でやるのか…なるほど、それも面白そうだな。声を押さえて悶えるキャロル君を攻めるか…いかんいかん、焦りは禁物だ)

「分かった。では行こうか」

神妙な顔で私は立ち上がった。


◇◇◇◇◇


『カチャ』

後から部屋に入るとガビーノは扉を閉めて鍵を掛けた。

「さあ、キャロル君…」

ガビーノが少女の弛いセーターから露になった肩にすぐにでもむしゃぶりつきたいのをこらえてゆっくりと近づく。

(うおおっ、もう我慢の限界だっ)

「キャロル君」

ガビーノの手が少女の肩に手を置こうとして止まった。

「学院長…」

ガビーノは動かない。

「学院長?」

振り返った少女の前で、真っ赤な顔のガビーノが目を見開いて有り得ないという表情をした。

(う…動かん…なんだ…どうなってるんだ?)

少女がガビーノの目の前で悪戯っぽく笑う。

「学院長?動けないんでしょ?」

(まっ、まさかっ、騙されていたのか?)

「上手く僕を騙したつもりだったかもしれないけどさ、残念だったね。ブリジットさんにしたことを償ってもらうよ」

(くそっ、いつから…いつから分かっていたのだっ?)

「学院長室で最初の指令の手紙を読んだ時だよ」

(まさか…そんなに早くから?…では、教室でも学院長室でもあれほど乱れて恥ずかしがっていたのも全て演技だったというのか?)

「恥ずかしいのは恥ずかしかったよっ、当たり前じゃんっ」

少女が扉の鍵を開けると数人の兵士とともに王女と護衛の女が部屋に入ってきた。

(くそおっ、アスモデウスっ、アスモデウスっ、助けてくれえっ)


◆◆◆◆◆


昨夜、学院長とエヴァさんが話している時。

(「村正の言った通りだったね」)

僕は狸寝入りをして聞き耳を立てていた。

(「じゃから、言ったであろう?それより妾は主殿が堕とされたのではないかと肝を冷やしましたぞ」)

(「ふふ…敵を欺くにはって言うでしょ?僕の演技が学院長にバレないかドキドキしてたけど大丈夫だったみたいだね」)

(「うむ。特に今日は迫真の演技じゃった。詐欺師にもなれるぞえ」)

(「詐欺師じゃなくて、俳優とか言って欲しいなぁ。だけど、今日は半分本気だったからね。特にブリジットさんをまた巻き込んでしまったのが誤算だったよ。あんなにされて、ブリジットさんが無事なら良いけど…」)

(「うむ。じゃが、犯人を確認するためには奴等を油断させねばならんかったから仕方なかったのじゃ。おかげではっきりしたしのぉ」)

(「学院長じゃなくてエヴァさんの方が主犯だなんて、最初に聞いた時にはまさかと思ったけど…」)

(「うむ。どうもエヴァとか言う女からはただならぬ気配を感じたのじゃ。それに先程一瞬じゃが、凄まじい力の片鱗が見えたのじゃ。どうやらかなりの力を持っているようじゃな」)

(「さっきの…急に声が変わった時だね」)

(「主殿、エヴァとか言う女の力は底知れぬ、学院長も共犯と分かった今、如何されるつもりぞ?」)

(「今は寝た振りをつづけるよ。二人を同時に相手するのは難しそうだからね。まずは明日学院長をおびきだして、一人ずつ捕らえよう」)


◆◆◆◆◆


学院長が強力な魔術具によって拘束されて、モニカさんや兵たちによって連行されるのを見届けると僕はその足で学院長室に飛び込んだ。

(「村正っ、エヴァさんがいないっ」)

(「気づかれたかもしれんの」)

(「気づかれないよう気を使ったつもりだったんだけどな…ってことは逃げられたのかな?」)

(「いや、逃げるかの?…うむぅ…学院長を救出に…は行かぬじゃろうし…」)

それから僕らは一日中学院を探したが、ガビーノ学院長の秘書である、エヴァ・キアーラの姿は見つからなかった。また、記憶が消されていたため、ラッセル先生からは何の情報も得られず、ブリジットさんを犯していた仮面の男達も誰か分からなかった。

(モニカさんの話ではこの学院の敷地に大規模な魔術具があって、それによると誰もこの学院からは出ていないということらしいけど)

「今日はここまでにしましょう」

王女の言葉で捜索は中止になった。

僕も一旦寮の部屋に戻る。

(「ああ、最後の最後でしくじったよ。ん?そういえば…。エヴァさんが怪しいって教えてくれたけど、実はもっと前から村正は分かってたんじゃないの?」)

(「いっ、いやいや、まさかっ、確信っ、そうじゃ、確信がなかったからのっ」)

(「ホントかなぁ?」)

(「主殿こそ、学院長と今にもまぐわうのではないかと思うような情熱的な接吻じゃったが?」)

(「えっ?そっ、そんなことないよっ。そうだっ、あの紫の煙とか学院長の体液だけどさっ、意識がぼんやりして体が発情したからあれのせいだよっ」)

(「ほう、そういうことにしておこうかのぉ。ま、あれは確かに強力な催淫効果を持っておるようじゃ」)
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