管理人ほう

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「あっ、いえ…その」

ガビーノの呼びかけでマーシャの意識が戻ってきた。

「続けていいですか?」

「えっ、ええ、もちろんです」

(どうして…こんなに鮮やかに記憶が蘇るなんて…忘れたはずだったのに…)

「止めましょうか?まあ、その場合先生の負けになるわけですが…」

ガビーノは勝利を確信してきっとニヤけているだろう。

「いえっ、大丈夫ですっ、続けてください」

マーシャは負けるわけにはいかなかった。

「では続けますよ。恋人以外の男とのセックスでは恋人とのセックスよりも興奮しましたか?」

「……」

さすがにこの質問にはマーシャも答えるのを躊躇ってしまった。

「どうなんですか?」

ガビーノは追及の手を緩めない。

「は…はぃ…」



男に本物のセックスを教えられたマーシャが気が付いた時には日が落ちていた。

「ん?あいつ帰ってきたのか。なあ、マーシャ?こんなとこにいていいのか?」

何度も肌を重ねた男は馴れ馴れしく呼び捨てで名前を呼ぶようになっていた。

そして、男の言う通り、恋人が帰ってきた時、まだ男のベッドの中で微睡んでいたマーシャは飛び起きて服を着る。

「別にいいんだぜ?俺はバレたところでよぉ」

悪びれずに言う男はマーシャとは対照的にゆっくりとベッドから出た。

「なっ、何言ってるのよっ、ちょっ、ちょっと、服着てよっ」

男は全裸だった。声を抑えて叫ぶマーシャに、恋人よりひと周りもふた周りも大きな男性器を見せつけるようにして近づいてきた。

「ん?ああ…」

そして、ブラウスのボタンを止めようとしているマーシャの腕を掴んだ。

「なあ…」

男の目が欲望に光る。

「だ…ダメよ…隣にあの人がいるんだから…」

強引にこられたらなし崩し的に犯されていたに違いない。それくらい既にマーシャの体は男に屈服させられていたと言える。

だけど、男は拍子抜けするくらい簡単に引き下がって、マーシャを恋人にバレないよう裏口に案内した。

扉の外は裏通りで明かりのない道だった。

「マーシャ」

呼ばれて立ち止まったマーシャは腕を掴まれた。

「あっ」

グイっと引っ張られたかと思うとそのまま男の腕に抱きすくめられていた。

「なあ、マーシャ…明日も来てくれるよな?」

男は耳元で囁く。

「明日は…無理よ…仕事を二日も休むことはできないわ」

マーシャは男の胸を押して離れた。

「来なかったら今日の事をあいつに言っちまうかもしれねえなあ」

男の声が裏通りに響いた。

『ガラッ』

建物の上から音がした。光が漏れている。

「あれ?兄さん、そんなとこで何してるの?」

恋人の声だ。男がマーシャを壁際に押す。

「なんもねえよ。お前、帰ってきてたんだな」

男はまるで動じていないようにスラスラと嘘をついた。

「誰かいるのかい?」

マーシャは血の気が引いた。この場で男がマーシャの事を言おうものなら全てが失われてしまう。

「あん?」

「いや、兄さんの声がしたからさ」

「んー、そうだなあ…」

そう言った男はマーシャの方を見てニヤッと笑った。

マーシャは必死に男を見つめた。

「いや、猫か何かがいたから追い払っただけだ」

「そう。あっ、今日は父さんと母さんは帰るのが遅くなるってさ。商人ギルドの会合が長引きそうだって言ってたよ」

「そうか。じゃあ、飯にしようぜ」

『ガラ』

窓が閉まる音を聞いたマーシャは腰が抜けたようにしゃがみこんだ。

「へへへ、バレずに済んで良かったな。じゃあ、明日も待ってるぜ」

家に帰ったマーシャは何も考えられなったが、そうかと言って体の芯が熱く、眠ることができたのは明け方になってからだった。

そして、翌日、マーシャは体調不良ということにして午後からの仕事を早退した。

マーシャはアヴニールを卒業後、魔法薬の研究所に勤めていたが上司も顔色の悪いマーシャを気遣って快く早退を許可してくれた。

平日の昼間からマーシャは人目を憚るようにして男が手ぐすねを引いて待つ家に向かう。

(あの人に知られてしまう訳にはいかないから…)

しかしそれは半分は自分に対する言い訳になっていた。

家に入れば何が起こるかは分かっていたのに、マーシャは誘われるまま部屋に入り、大した抵抗もせず、男の手がスーツのブラウスの中に入ってくるのを許した。

恋人の家で恋人の兄に唇を許し体を弄ばれる。

興奮ていなかったといえば嘘になる。

そして、男はそんなマーシャの心の中を見透かしているように振舞った。

「なんて女だよ、あー、あいつが知ったらどんなに悲しむだろうなあ?」

マーシャに恋人を思い出させながら男の指がタイトスカートの中の粘膜に侵入する。

「んっ、あああっ、あのっ、人のことはっ、言わないでぇっ」

「アヴニールを主席で卒業したのがこんなアバズレだったなんてなあ、がっかりだなあ」

貶められて屈辱的なはずなのに、言われるたびに体は熱く、さらなる快感を欲しがった。



「アシュリー先生はフェラチオはしたことがありますか?」

「…はい」

「フェラチオは好きですか?」

「……はい」

マーシャは目隠しされているのでアリスの様子は見えない。

この一連の質問が聞かれていたら…と思うとマーシャは恥ずかしくてたまらない。

(お願い…聞かないで…)



「なあ、フェラチオって知ってるか?」

男がマーシャに聞いてきたとき、彼女はそれが何を意味するか知らなかった。

「ふぇ…らちお?」

「ふーん、なるほどな、さすがはアヴニールのお嬢さんだ。いいか?これはセックスの最中に女が男にするものだ。ちょっと耳貸してみろ」

フェラチオの意味するところを知ったマーシャは真っ赤になって俯く。

(まさか…そんなことできない)

しかし、男はマーシャを床に座らせ、自分はズボンを脱ぐ。

「いやっ、汚いっ」

マーシャは顔を背ける。

「何言ってんだ?こいつで昨日はあんなに気持ちよくしてやったろう?」

そして無理やり顔を男性器の方に向けられた。

(く…くさい…)

男が必死で閉じるマーシャの唇に男性器の先端を押し付けてきた。

「んっ、んん…」

「全く…しょうがねえなあ」

許してくれるのかと思って見上げたマーシャの目に男の手が迫ってきた。

(なっ)

男の手はマーシャの鼻をつまんだ。

(うっ、くっ、苦しい)

息が出来ず、思わず小さく開いた唇に男性器の先がねじ込まれた。

「おいっ、噛むなよっ」

「んんっ、んぐっ、んっ」

マーシャの頭を掴んだ男が無理やり顔を動かす。

「んっ、ぐうっ…ゴホッゴホッ」

喉を突かれたマーシャは嗚咽とともに男性器を吐き出した。

(本当にみんなこんな事してるの…?)

しかし、初めてフェラチオを教えられたときは苦しいだけの経験だったが、この酷い経験のせいでマーシャは男の脅迫じみた要求に逆らえなくなった。

次の時も男は求めてきた。

「なあ、フェラチオしてくれよ」

そう言われると、断ったらまたあんな苦しい思いをすることになる。マーシャはそれを身を持って覚えさせられていた。

自分から座って、男の男性器に手を触れる。

『ビクンッ』

「きゃっ」

男性器が跳ねて思わず手を離した。

「おいおい、やる気あんのか?」

マーシャは再び男性器を握る。

「それからどうすんだ?」

顔を近づけていく。汗の臭いと精液の匂いが混ざったような獣のような匂いに目がくらんだ。

おずおずと舌を亀頭の先に触れる。

(き…気持ち悪い…)

「そんなんじゃ、いつまでたっても気持ちよくならねえぜ。早く咥えろよ」

男の容赦ない言葉に、意を決して口を大きく広げて亀頭の先を口の中に入れた。

(大きい…それに硬い…)

前回無理やり動かされたのを思い出しながら、ゆっくりと顔を前後する。

「おっ、さすがはアヴニール主席様だ。フェラチオもうめえじゃねえか。それとも、どっかで復習してきたのか?ハハハ」

男の揶揄に屈辱を感じながら、マーシャはなぜか体が火照るのを感じていた。
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