管理人ほう

管理人ほう

急に走って部屋を飛び出したサラに、俺とパーマーさんは呆気に取られて、それから大慌てで部屋を出た。だけどもうサラの姿は見えない。

「サラっ、どこだっ?サラぁっ」

(サラっ、急にどうしたんだよっ?)

キョロキョロと焦る俺を落ち着かせるように、パーマーさんがゆっくりした口調で話してくれる。

「サラさんがあの声に反応したとしたら、おそらくは謁見の間に向かったはずです。謁見の間なら元々私も行くつもりでしたし、ジョシュ君、さあ行きましょう」

「はいっ」

俺は走るパーマーさんについて謁見の間を目指した。

「っと」

躓きそうになって足元を見ると廊下の床は何かが通過したように抉れていて、その跡を辿って振り向くと、王宮の外が見えた。

(何があったんだろう…?)

「ジョシュ君、さあ、あれが謁見の…」

そう言いかけたパーマーさんだったけど、謁見の間の扉は吹き飛んで、崩れた石壁が散乱している。そんな荒れ果てた状態にさすがのパーマーさんも言葉を失っているようだった。

と、その時、穴の開いた壁からふらつく足取りでサラが出てきた。

「あっ、サラっ」

俺は大きな声でサラを呼ぶ。サラが顔を上げた。

「一体どうしたんだよっ?」

俺の姿を見つけたサラは、そのまま胸に飛び込んできた。

「うっ、ふぐっ、お父様が…お父様が…」

「お父さん?お父さんがどうしたの?」

泣きじゃくるサラを抱き締めながら俺は中で何があったのかを聞こうとしたが、イマイチ要領が掴めない。

「落ち着いて、サラ、何があったんだよ?」

「うぐぅ…お父様がっ…」

その様子をじっと見ていたパーマーさんが真剣な目でサラに尋ねた。

「お父様…?サラさん…貴女のお父様とは?」

サラが答えられない状態なのでパーマーさんに視線で問われた俺が答えた。

「レヴァイン公爵です」

俺の言葉にパーマーさんの目が驚愕に見開かれる。

「まさかっ…そんなことが…」

「それがどうしたんです…あっ、サラっ」

俺とパーマーさんが話している途中でサラが俺の胸から抜けると再び謁見の間に走った。

「だめぇっっ」

中からサラの叫ぶ声が聞こえた。

「ジョシュ君」

俺はパーマーさんに頷いて大きく穴の開いた壁から謁見の間に入る。すると目の前にサラの後ろ姿があった。

「サ…」

俺が話し掛けようとした瞬間、糸の切れた人形のようにサラが崩れ落ちた。慌ててサラに駆け寄る。

「どうし…」

「サラぁぁっ」

絶叫が部屋にこだました。

(何だ?)

声の主は床に倒れこんでいた。長い黒髪に整いすぎるほど整った、学院で見知った顔。

(アリス…なのか?)

アリスはこちらに向かって手を伸ばす。だが、その手を見知らぬ男が踏みつけた。

(何をするんだっ?)

男を睨み付けようとすると、一瞬目が合った。

「うっ」

(うわぁっ)

真っ赤な瞳に悪寒がするほどの恐怖を感じて俺はアリスのに目を逸らす。

(何だあれ…?人間じゃない…)

体ががたがたと震えてサラを抱える手が震えた。

アリスは痛みに耐えるように顔を歪めて、だけど、ただひたすらサラを見つめていた。

(アリス…サラを見てる…?)

アリスの視線に引っ張られて再びサラに視線を戻すと、床に赤い染みが広がっていることに気がついた。

(ま…まさかっ)

俺はサラを仰向けにした。胸にナイフが刺さっていた。

「サラっ」

「これはっ、いけないっ。誰か呼んできます」

頭が真っ白になってパーマーさんが何か言っているのも聞こえない。

「サラっ、サラっ」

俺はサラに呼び掛けた。瞼が開いて笑顔を見せてくれるよう祈りながら。だけど、何度呼び掛けても褐色の肌はピクリとも動かない。サラの唇から一筋血が流れ落ちた。

(まさか…そんな…)

「サラっ、しっかりしろっ、くそっ、なんなんだよぉっ」

絶望感に手が痺れる。

「サラっ、サラぁぁっ」

『バチバチバチ』

その時、アリスのいた方向から突然轟音が響いて激しい光に目がくらんだ。サラを守るように頭を胸に抱き締めて俺は目を閉じた。

(本当に一体何なんだよっ、訳が分からないよっ)

無力感と絶望感に押し潰されて涙が出た。


◇◇◇


「んああぁぁぁ」

目と耳を塞いでどれくらい時間が経っただろう、玉座の方から悲鳴が聞こえて顔を上げるとアリスが玉座の横に立っていた。

(アリス…?)

元はメイド服だったのだろうか?アリスの服はエプロンが片方ちぎれて、ワンピースの長袖は裂けて二の腕が出ている。

首まで止めてあったはずのボタンが外れてパックリと胸まで開いていた。

「はあっ、はあっ、ぁっ、はっ、あぁぁ」

(どうしたんだ?)

瞳を閉じて眉を八の字に歪めて立っているアリスの荒い息に官能的な音が混ざった。

「んっ、ぁぁ…はぁ…はぁ…はっぁぁ」

(これって…)

掠れたような吐息に経験のほとんどない俺にもアリスの状態がなんとなく分かった。

「ぁっ…ふっ、んぅぅぅ」

耳まで赤く染めたアリスの腰がゆっくり動く。まるで、欲しがっているように…。

『ゴクン』

俺は無意識に唾を飲み込んだ。

「んっ」

アリスが髪をかきあげて、自らの首筋に指を這わせた。

「ん…ふぅぅ」

白い指先が、耳から首筋に、さらに胸元に下がる。

「あっ…はぁ…」

(ううっ)

耳に吐息を感じるくらいはっきりと喘ぎが聞こえてビクンッと俺の体が反応してしまった。

(な、何を俺は期待してるんだ…馬鹿なことは考えるなっ…サラがこんなことになってにいるんだぞ…)

自分を叱咤するけど、どうしてだか、アリスの姿態から目が離せない。

アリスの指が胸元のボタンを弄っているので否応なくブラウスを盛り上げる膨らみに俺の目が引き寄せられる。そして、まるで誘うように動くその手がついに服の中に入った。

「んっ、ああっ、はあぁぁ」

内側で手が激しく動いて、服がゴソゴソと動く。

「ああっ」

『プチプチプチッ』

ワンピースのボタンが弾けとんで黒いブラジャーに包まれた膨らみが露になった。アリスは両手でブラジャー越しに胸を掴む。

「あっ、んっ、はずかしっ、んんっ、のにぃっ」

ひしゃげた胸が深い谷間を作った。

「はうぅぅ、だめぇぇ…足りないぃ」

そう言うとアリスがブラジャーを乱暴にたくしあげる。

「ぃゃ、見ないで…んっ、ふぁぁ」

体に似合わないサイズの胸が飛び出た。そして言葉とは裏腹に柔らかい乳房の形が変わるほど激しく自ら揉み始める。

俺の頭の中からはサラの前とか、状況とか、そんなことも消え去って、目を見開いてクラスメートの突然始めたオナニーを見ていた。

「はぅっ、あっ、しゅごいよぉっ」

ピンクの乳首を摘まんだアリスはガクガクと痙攣して崩れ落ちる。

その時、俺は自分が立ち上がっていることに気がついた。

股間はギンギンに勃っている。

自分でもこんなときに、と思うけど足は俺の意思とは関係なしに歩き始めた。アリスに近づくにつれて、頭がぼおっとして考えが纏まらなくなる。

玉座は俺の立っているところよりも数段高い。座り込んだアリスのスカートが捲れて内腿がはっきりと見えた。

「あぁぁ…だめ…見ないで…」

アリスはスカートをたくし上げる。両足を開いているので、パンティまでしっかりと見えた。

「あっ、やだぁっ…」

アリスの指がパンティの底をなぞった。

「はぅっ、なに…これぇっ…きもちぃぃよぉ」

アリスは耳まで真っ赤に染めて指をパンティの中に入れた。

「あっ、きもちぃぃっ、こんなの…こんなの…しらないぃ」

(姦りたい…突っ込んで…啼かせてやる)

「いやだ…こないで…」

気が付くと俺の隣から一人の男が立っていた。さらに他の年取った男も歩き出す。

(うぅ…アリスは…渡さない…俺のものだっ)

俺も含めて男達の歩みが速くなった。すぐにアリスまで目と鼻の先だ。

『クチュ…クチュ…』

そして、粘液が奏でる音が聞こえて俺の頭から完全に理性が消えた。

(この女を犯すっ)

ついに俺がアリスに飛び掛かろうとしたその時、パシャっとまるで水に落ちるようにアリスの姿が消えた。

「えっ?」「むっ?」「うっ?」

様々な声と共にアリスに群がろうとしていた男達が我に返った。

(俺は…何を…っ、そっ、そうだっ)

「サラっ」

『タタタタタ』

「サラさんっ」

パーマーさんが、人を連れて現れた。
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