10周目 9月23日(木) 午後4時00分 島津政信

10周目 9月23日(木) 午後4時00分 島津政信

「逃げずによう来たな」

プールの教官室で制服姿の俺は権田の舐めるような視線に晒されていた。

権田はもはや教師の皮を被るのを止め、欲望に濁った目を隠そうともしない。

「どうせ逃げようとしても脅すんだろ」

これまでの事を考えれば、結局最後は動画をネタに脅迫されることは間違いない。

「せやなあ、逃げたら明日の朝には学園中に写真を貼り付けるだけや」

権田はあっさりと認めた。

「それはそうとノーパンで過ごしてみてどやったんや?」

「なっ」

午後の授業の休み時間、俺は立ち上がらなかった。高樹がなにか言いたそうにこっちを見ていたが、何せスカートの中は何も履いていないのだ。もし転びでもしたら、いや、転ばなくても風が吹いただけでもどんなことになるか。

終業のベルが鳴ってからも教室から生徒が十分出ていくのを確認してそろそろと立ち上がったくらいだった。

「なあ、どやったって聞いてるんやけど?」

俺が回想していると権田がスカートに手を伸ばした。

「ちょっ、何すんだよっ」

俺が慌ててスカートを押さえる。そんな姿のどこが面白いのか気色の悪い顔で権田がニタアと笑った。

「なんや、これくらいエエやないか」

「いいわけないだろっ」

ところが、俺が本気で拒絶すると権田が手の力を緩める。

「…そんな嫌がるんやったら、これ以上は止めとこか」

珍しくあっさりと諦めるようなことを言うが、権田がこういう態度をとるときは次に必ず何かもっと嫌なことを言い出すのだ。

「せや、せっかくやし自分でスカートを上げてもらお」

そして、やはり俺の想像通り権田が無茶を言い出した。

「はいっ?なんでそうなるんだよっ」

「ん?エエんか?そんなこと言うて」

権田の目は本気だ。

さすがにこれには覚悟を決めるのにしばらく時間がかかったが、結局俺は諦めて両手でスカートの端を摘まむとゆっくりと持ち上げた。

そもそもスカートっていうだけでズボンに比べてスカスカで頼りないのに、今や下半身は裸みたいなもの。

(うぅ…)

「おうおう、エエなあ。ほれ、もうちょっとでオマンコ見えんで」

(くっ)

権田の軽口に恥ずかしさと情けなさでスカートを持つ手が震えた。

「もっ、もぅ…いいだろっ」

「だめやっ。そのまま持っとれよ」

俺がスカートから手を離そうとするのを制止した権田がしゃがみこむ。ちょうど俺の下半身が権田の目の高さになった。

「ひひひ、よぉ見えんでえ。しかしあれやな、お前遊んでると思とったけど、綺麗なもんやないか」

そんなことを言いながら権田の指は検査でもするように薄く生えた陰毛を触って、そのまま割れ目に沿ってなぞった。

「んっ、ちょっと…」

(ヤバい、なんか普段より敏感になってるかも)

「昼休みはワシばかり気持ちよぉしてもろたし、お返ししよかと思てな」

(ちょっ、そんな近くでっ)

割れ目を太い二本の指で開かれてじっくり見られると腹の奥がキュンと締まるような感覚がした。

「んっ…」

(うわっ、息を吹き掛けるなぁっ)

生暖かい息がかかって膝が砕けそうになった。

「おやあ?」

下から嬉しそうな声がして、相好を崩した権田がぬっと立ち上がった。

「なんや、お前、嫌や嫌や言いながらしっかり濡れとるやないか」

「え?違っ…」

「何が違うんや?これは何や?」

権田がこれ見よがしに親指と人差し指をくっつける。ヌルヌルとした粘液が指先で光っていた。

「さてはノーパンで興奮しとったんちゃうか?」

顔を背けて逃げようとした俺は腰の後ろに回された腕にぎゅっと引き寄せられた。

「んあっ」

目の前の二本の指の間に糸が引いている。

「あっ、だっ、だから…それは…」

目の前に証拠を突きつけられた俺には言い訳のしようもない。

「ノーパンで興奮しとったんやろ?それともワシに触られて早速感じたんか?」

俺の動揺を見透かしたように目の前でチュクチュクと指についた粘液が鳴らす。

俺が目を閉じて見ないようにすると、権田はそれを待っていたかのように再び手を太腿の中に間に差し込んで今度は指先を浅く埋める。

『クチュ…』

「あっ、んっ…ふっ、うぅ…」

スカートの端を握っている俺は、ともすると出そうになる恥ずかしい声を我慢しようと唇を噛んだ。

ところが、声は我慢できても、下半身から漏れる『クチュクチュ』と鳴る音は止めようもない。

もはや、俺の体が興奮して愛液を溢れさせているのは明らかだった。

「なあ、分かってんねんで」

目を閉じている俺の耳元に余裕たっぷりの権田が息が吹き掛けた。

「気持ち、エエんやろ?」

「…うっ…気持ちよくなんて、ないっ、からっ」

もはや否定しているのは口だけだが、それでも認めるわけにはいかない。

「ほんま強情やで。…そんな言うんやったら高樹がおねだりするまで続けよか」

それからは俺にとって地獄だった。権田の絶え間ない愛撫は決して俺をイカせようとする激しいものではなく、弱いところを探るようにゆっくりと弄る。

『グチュ』

「んはぁ」

権田の指が膣壁の浅いところを引っ掻いた。

(あぁぁ…)

「体は正直やなあ。オマンコがワシの指を締めつけてきよる」

「ふぐっ…そんなこと…」

『クチュッ、クチュッ』

(あぁ…)

口から出る言葉とは裏腹にもっと奥まで感じたいと無意識に俺の腰が動いてしまった。

「なあ、『私のオマンコを権田先生のオチンチンで一杯にしてください』って言うてみ」

「そんっ、なっ、あっ、あぁぁぁっ」

権田が空いた指で割れ目の上の固くなった突起を擦った。

「そっこはあぁっ」

体がガクガク震えてついにスカートから手が離れ、スカートが権田の毛むくじゃらの腕にかかった。

「ほれ、もう力も入ってへんやないか」

スカートの中では太い指が突起を弄くる。

「クリちゃんも固うなっとるで。さあ、はよ言うてみ?もっと気持ちよぉしたるで?」

(あ…)

オナニーをしたときの妄想と同じ権田の台詞に心が折れそうになった。

「昼休みかて、腰動かして気持ちよかったんやろ?パンツの中はグチョグチョやったんちゃうか?」

「なっ」

(なんで分かるんだ…?)

「あんなんと全然ちゃうで」

指が少し深くに入る。

「んっ、ふぅっ」

弱いところが的確に狙われる。

「なあ、ほれほれ、我慢は体にようないで。正直になりや」

確かに夢の中の俺は我慢などせず快楽に夢中だった。まるで解放されたようなあの甘い感覚が脳内に再生された。

「気持ちエエって認めたら楽になんで。ほれ、簡単や、一言だけや」

夢から醒めた後のオナニーの妄想ともダブる。

(あぁ…もぅ…ダメだ…)

「…気持ち…いい…」

ポツリと小さい声だったが、その一言で何かが俺の中で崩れ去った。

ニタアと権田がイヤらしい笑いを浮かべた。

「何が気持ちエエんや?もっかい言うてみい」

「お…まんこ…」

「ん?」

「オマンコが気持ちいい…」

なんだか今朝の夢の中にいるようだった。今、学園にいることも、数メートル離れた所には同じ生徒がいることも忘れて権田の言うがままに恥ずかしい言葉を口にしていた。

「もっと気持ちよぉなるにはどうしたらエエか分かるな?」

一度認めてしまった体は止まらない。

「…私の…オマンコを…権田先生のオチンチンで一杯にしてください」