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蜘蛛の姦計

(あれ…?今なんだか変な声が…それに弾正さん今走ってなかった?…まさか元気だとか…いやいや、…気のせい…だよね…?)

なんとなく不安に駈られたものの、僕は弾正さんの妙な迫力におされてコクコクと頷いた。

「はっ、はい…それで弾正さんの力が戻るな「では、早速始めるぞっ」」

僕が答え終える前に弾正さんは気合い十分に力強い口調で宣言した。

(あれぇ?)

「えっ?…えっと?」

そして、戸惑っている僕にはお構い無しに、格子の間から褐色の紐が獲物を求める蛇のようにクネクネと入ってくる。

(うわっ)

その動きの気味悪さに僕は思わず一歩下がった。

「あっ、あのっ、やっぱり…ちょっと…」

「ぬっ、逃げてはいかんっ、鉄は熱いうちに打て、というじゃろうがっ」

逃げ腰になった僕に、弾正さんが意味の分からないことを叫ぶ。

(でも、やっぱり無理…別の方法を…)

口を開こうとした次の瞬間、それまでゆっくりと動いていた紐が跳ねるようにして僕の両手首に巻きついた。

「あっ、わわっ」

手を振って紐を外そうとすると、今度は予想外に強い力でそのまま上に引っ張り上げられてしまった。体が宙ぶらりんになって爪先立ちになる。

「うわあっ、弾正さぁんっ」

僕が弱音を吐きかけると、弾正さんの叱責がとんだ。

「お主の覚悟はその程度かっ。よいかっ、これは生半可な事ではないのじゃっ。ラルフを救いたいというのは口だけかっ」

「そっ、そんなことありませんっ」

「ではっ、力を抜くんじゃっ」

なんだかよく分からないけど、弾正さんの気迫に覚悟を決めて、僕は体から力を抜いた。

「そうじゃ、それでエエんじゃ。ひひ。どちらにせよ、すぐに力を入れようにも入らなくなるんじゃがの」

「えっ?」

途中からはよく聞こえなかったけど、弾正さんの眼帯をつけていない方の瞳が光る。

「ちょっ…あっ」

新たに格子の隙間からにょろにょろと紐が入ってきて僕の両足首に巻きつくと、肩幅程度で足が固定された。

「どうじゃ?動けぬじゃろう?」

「は、はい」

少し力を入れてみても全く動けそうもない。これで僕は両手両足が拘束されてしまった。

「うむうむ。動けぬか…ひひひ」

満足げな弾正さんの声とともに、これまでより太い紐が入ってきた。

(なんだろう…これ、どこかで見たような…)

新たに入ってきた紐は薄明かりの中でヌメヌメと光っている。

(これ…触手?)

思い出してみれば魔族やジルの作った触手に動きがそっくりだ。

「弾正さんっ、これって…ひゃっ」

僕の足の間を下から触手が上がってくる感覚に思わず声をあげてしまった。

「…ふぁっ、あっ…あの…僕は絶対逃げないから腕と足は外してもらっても…」

「駄目じゃ、駄目じゃ。何があるか分からんからのっ」

触手は太腿の内側をギリギリ紙一重で触れない。だけど、触手の放つ熱を皮膚に感じてゾワゾワと快感が背筋を昇ってくる。

「ひゃんっ」

「ん?」

下にばかり意識を向けている間に、いつの間にか手首を拘束している触手からも枝分かれした細い紐が伸びていた。

両腕が上に引っ張られたせいで、ワンピースの長袖は腋が見えるほど垂れ下がっている。そこから細い触手が服の中に入ってきていた。

「あ…ん…」

袖から入ってきた触手は器用にブラジャーを外す。それからブラジャーを抜き取って上半身を撫でるように動き始めた。

「はうっ」

敏感な脇腹や鎖骨が撫でられると、頭とは無関係に僕は反応してしまう。

それに先ほどから太腿の間にある太い触手。こちらは動かないものの、その存在感に、ふとすると下半身から力が抜けそうになる。

「むう…見えぬとやはりやりづらいものよ。すまぬが、今どのようになっておるのか教えてくれぬか?」

「ええっ?」

「牢の中は暗くてよお見えんのじゃ。手探りよりも、状況が分かった方が早く終わるゆえ」

(そっ、そっか…早く終わった方が僕も嬉しいし)

一瞬何を言わすのか、と拒否しようとしたんだけど、弾正さんの説明は筋が通っている気がした。

「では、今どこに触れているか教えてくれるか?」

「はっ、はいっ、んっ、えっと、上半身に巻き付いた触手がっ、あんっ、いまはっ、だめっ」

僕が説明しかけた時に、一本の糸のように細い触手が乳首に絡みついた。

「ふむ。触手か、ひひひ。で、触手が何をしておるか教えてくれるかの?」

「あっ、ちっ、ちっ」

(これっ、凄く恥ずかしいよぉっ)

「『ちっ』では分からんぞ」

「あっ、ちっ、首を、きゃんっ、そんな締めつけたらぁっ」

『キュキュッ』

両方の乳首が引っ張られて痛みと快感が体を襲う。

「はうううっ」

与えられる鋭い快感に体は立っていられないくらいなんだけど、両手首に巻きついた触手がしゃがむことを許してはくれない。

「よく聞こえんかったのじゃが?」

(やっぱり言わないとダメ…?)

「早く言わんと…」

キュキュっと引っ張られた。

「あっ、ふうぅぅ…ちっ、乳首に巻きついて引っ張られていますぅ」

『ジュン』

恥ずかしい言葉を口にするとお腹の奥の泉から一斉に熱い粘液が湧き始めた。

「気持ちエエんか?」

『キュッ』

乳首に絡みついた触手が絞まる。それだけでなく絞めながら色んな方向に引っ張る。

(痛いっ、あっ、でもっ、ああっ、もぉっ、だめぇっ、おかしくなるよぉっ)

痛みと快感を同時に与えられ続けて頭がごちゃごちゃになる。

「ああっ、痛いっ、でもっ、あっ、でもぉっ、きっ、気持ちいいのぉっ、もぉっ、乳首っ、許してぇっ」

ついに快感に耐えきれなくなった僕は恥ずかしいけど、正直に告白した。

「しょうがないのぉ」

(やめて…くれるの?)

弾正さんの声に僕が油断した瞬間。

『キュキュキュッ』

乳首が強く引っ張られた。

「ひあああっ、あっ、ああああっ」

(どうしてぇっ、あっ、イッ、イッちゃうっ、うあああっ)

「ひひひ、女子(おなご)の
『許して』は『もっとして欲しい』という意味じゃからの」

『ビクンッ、ビクンッ』

弾正さんの言葉は遠くで聞こえる。

「のう、乳首はどうなっとるんじゃ?」

体の痙攣がようやくおさまり、視線を下げると、触手に縛られた乳首は真っ赤になって、固く勃っていた。

「うぁ…おっきくなって…ます…」

「それだけかの?」

「かたくなって…赤く…なってます」

「なるほどの…」

『ツンツン』

「いひゃっ」

縛られたままの乳首を細い触手が突っつくだけで快感が頭を突き抜ける。

「ふむふむ、よう感じとるのお。では、次に行こうかの」

言葉だけなら好好爺といった感じだが、弾正さんが新たに手から伸ばしてきた触手は凶悪なものだった。

太腿の間にある触手よりは細いものの、先端は口のように広がり、歯の代わりにイソギンチャクのように突起が蠢いていた。

「ひっ」

僕はこれからされるであろう事を想像してしまった。

「どうじゃ?こやつで何をすると思う?」

僕の反応に満足したのか、弾正さんは嬉しそうだ。触手は僕の顔の前でその口からヨダレを垂らす。

「あ…の…ち、くびを…」

「ほお、ほお、なるほどのぉ、葵はこやつで乳首を虐められたいのじゃな?」

「やっ、あっ、そんなことっ」

目の前の触手の口の中で突起がうねうねと動いている。

(突っつかれただけであんなに気持ちいいのに…こんなので吸われたら…)

「欲しがっとる顔じゃな。じゃが、葵の期待には添えんの」

「へっ?」

間抜けな僕の返答をよそに、同じ触手がさらに二本目の前に現れる。

(三本…?)

「さて、質問じゃ。この三本の触手はどこを攻めるんじゃろう?」

そう弾正さんが言うと乳首を縛る触手が緩んだ。

(えっと…二本は乳首でしょ?…もう一本は…)

休みなく与えられる快感が止まって僕はその間になんとか考えようとした。

「残念じゃのう、時間切れじゃ」

『ブチッ』

ワンピースの中でパンティが破れる音がした。ハラリと布が足元に落ちる。

「のう、今、スカートの中はどうなっとるんじゃ?」

(そんなの…破ったのは弾正さんなんだから分かってるはずなのに…)

考えている間にも二本は予想通り袖から入ってくる。そしてもう一本は、足元に向かった。それで、僕にもようやく触手の狙いが分かった。

「だっ、ダンジョーさんっ、そこはっ」

「固くなっとるんかのお?どおかのお?教えてくれんと分からんのお」

焦らすかのように、わざとらしくのんびりした口調。

「言いますっ、言うからっ、まってぇっ、クリっ、クリト「確認するしかないのお」」

(そんなっ)

乳首がこれまで以上にきつく縛られる。

「やっ、ちょっ…あっ、ああっ、ああああっ」

三点が同時に熱い触手に飲み込まれた。

「んあああっ」

触手は吸いつきながら口の中の突起を動かす。

「あああっ、らめっ、しょんなっ、キツいぃぃぃっ」

目の前を快感の火花が散る。

「では、そろそろ葵の膣内を味わおうかの?」

「ん…」

太い触手の先がジュクジュクになった割れ目に添えられる。

「ぁ…そこは…らめ…」

「何を言う。ここを弄らねば愛液は手に入らんじゃろ?」

「愛液…?」

「そうじゃっ、愛液が無ければワシは力が戻らぬのじゃ」

「どういうこと…?」

「何を言うとるんじゃ?」

弾正さんが誰かと会話をしている…?

「だ…んじょーさん…だれと…しゃべって…?」

閉じかけていた目を開くと格子から入ってくる影が二つ。

「…ねえ…どういうこと?」

肩を掴まれて初めて弾正さんも気がついたみたいに振り返った。

「おわっ、ルーではないかっ。どうしたんじゃ?」

「…助けに来た」

「おおっ、そうか」

『ビキ』

弾正さんの肩を掴む手に青筋が浮かぶ。

「うおっ、そっ、助けに来てくれたのは嬉しい…のだが…少々力が入りすぎではないかの…」

『ビキビキ』

「痛い、痛いですじゃっ…ルーさんや?聞いてるのかや?折れる、折れるっ、すまんっ、いや、すみませんっ」

ルーと呼ばれた少女が手を放すと弾正さんがガックリ崩れ落ちた。

だが、しゃがんだ弾正さんの顔をルーと呼ばれた女の子が抱き締める。

「愛液なら私があげるから…」

「おほっ」

今まで苦しそうだった弾正さんから嬉しそうな声が聞こえた。
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