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中立都市『レイモーン』

そして翌日、僕は再びレイモーンの門番のおじさんのところに来ていた。

「お前、昨日は野宿でもしたのか?えっ?最初に行くなら?うーん、そうだなあ、『アリストス』か『クリューソス』がいいんじゃないかな」

おじさんは前日ラルフと一緒だった僕が今日はジル、アメ、ハルと一緒に来たもんだから面食らった顔をしていた。

「でも、確かここから一番近いのって『ステファノス』じゃなかった?」

「ああ、距離で言えばそうなんだが、ステファノスは入るのに許可が必要なんだ。あそこは王政だから色々厳しいのさ」

(王政?)

「都市国家は共和制だって聞いてたけど違うの?」

「いや、ステファノスは正確には王政プラス共和制だな。王を議長とした軍人による議会制なんだよ」

「ふーん」

(軍人による議会制…なんか怖そうだなあ)

「付け加えるとだな、アリストスは市民の代表による議会政治。クリューソスは商人の代表による議会政治なんだ。だからアリストスは市民の権力が強く、クリューソスは商人の権力が強いな。おっと、話が逸れたな、俺のお薦めはクリューソスが良いと思うぜ」

「なんで?」

「まず地理的要因だ。ここからアリストスに行くにはどうしたってステファノスの勢力範囲を通らなければいけないが、クリューソスなら少し回り道をすれば行ける。それにクリューソスは商業をやりやすくするために街に入る許可がおりやすいのさ。特に今ならフェスティバルも近いしお嬢ちゃんなら簡単に入れるだろうな」

(お祭りかぁ。確かに余所者も簡単に入れるだろうな)

と、いうことはフードの男もクリューソスに入っているかもしれない。

(急いだ方がいいかも…)

「なるほど。ありがとうっ」

踵を返そうとした僕はおじさんに止められた。

「待て待て、お嬢ちゃん。三つの同盟のうちヤバイのはステファノスだ。もともと魔物を兵として利用していたんだが、最近は魔族を側近に加えているって聞くし…それにな、何やら最近きな臭いって行商の奴の話だ。気をつけるにこしたことはないぞ」

一瞬ジルの表情に変化が起こる。

「きな臭い?」

「そうだ。これまでは三つの同盟の均衡でやってきたんだが、どうも最近妙な感じがするって言ってたんだ」

それから小さい声で囁いた。

「まるで戦争する前の感じらしい」

「えっ?それっていつ?」

「それは分からないなあ。だが、クリューソスやアリストスの連中も備えはしていると思う。柄の悪いやつもいるかもしれんから気をつけてな」

「ありがとう、おじさん。じゃあまずはクリューソスに行ってみるね」

「ああ、それと、クリューソスに行くなら南に向かう街道を行けばいい。乗り合い馬車も一週間に一回くらいのもんだが出ているし、それなら5日ほどで着くはずだ。ちょいちょい別の街にも停まるからそこでも詳しいことが分かると思うぞ。クリューソスは俺も一度だけ行ったがいい街だぞ。南だから年中暖かいし、海沿いで魚がうまいんだ」


◇◇◇


「お嬢様、では、クリューソスに向かうんですね?」

執事服をきっちり着こんだハルと仏頂面のアメと三人で乗り合い馬車の切符売り場に向かう。ジルは少し話が聞きたいとかで、まだ門番のおじさんと話をしている。

(魔族が側近になったって言う話が気になるのかな?)

この都市には砂漠の街にたくさんいたワンピース姿の男の人やターバンを巻いた人は見かけないけど、僕と同じシャツにコルセットをつけた人とは時おりすれ違った。

「うん、まずは色んな街の状況を知りたいからさ。それなら商人の街が一番かなって」

アメは何も言わない。

(いい加減機嫌を直してくれてもいいのにな)

乗り合い馬車の御者のおじさんによると、どうやら馬車は八人乗りで、車を引くのは純粋な馬ではなくスレイプニールと馬の間の子らしい。普通の馬の倍ほどの速さで走り、疲れ知らずの馬だそうだ。

馬車は荷台が箱形の客席になっていて、観音開きの後ろから乗りこむ。左右に長椅子が備え付けられていて僕、ハル、アメの順に座った。

結局ジルはここから別行動、何やら気になることがあるようだ。

「これを渡しておく」

そう言って渡されたのはイヤリング。赤い宝石はおそらく魔石なんだろう。

「これで会話ができる。距離が離れすぎると流石に会話は難しいが、私には感知できるから何らかの方法でこちらから連絡する」

「分かった。ジルも無理しないでね」

「ああ。あと、…これだ」

いつもの薬に加えて小箱を渡された。

「これは新しい薬だ。これなら漏れでる心配はないはずだ。使い方は中に書いておいたから読むといい」

砂漠の街で、せっかく入れた薬が体から漏れて酷い目に遭ったことから、ジルが新しく準備してくれたのだろう。

「う…うん」

乗り合い馬車の動き出す時間になった。

「じゃあ、また後で」

ジルはどうやらステファノスに向かうらしい。

長距離馬車の旅は、一日のうちの昼間に走って、夜は休む。朝早くにレイモーンを出た馬車は、何度か休憩を挟んでその日のうちにクリューソスの同盟に属する中堅の街、『オクトス』に到着予定だ。

「よしっ、三人とも乗ったな?体調が悪くなったりしたら、この窓を開けて言ってくれ」

御者台と客席の間の小さな木の窓が開いて御者のおじさんが出発を告げた。

「レイモーンで乗るのは僕らだけだったみたいだね」

「そうですね」

ハルが話し相手を務めてくれるようだ。アメは窓から外の景色をじっと見ていた。

「そういえば、ハル達は倭国出身なの?前のマスターってどんな人だったの?」

実はずっと気になっていたことをハルに尋ねる。ハルは黒の執事服、アメはフリフリのついた黒のエプロンドレスに頭にはフリルのついた白黒のカチューシャをつけている。

だけど、髪は黒く、ラルフと戦った時の刀や槍は明らかに倭国のものだった。

「ええ…そうです…」

ピクッとアメが反応し、普段は歯切れのよいハルが珍しく言い淀むのを見て僕はすぐに言い直した。

「あっ、いや、言いにくかったら良いよ」

(誰でも言いづらいことはあるもんね)


◇◇◇


夕暮れ時、ようやくオクトスに着いた。

レイモーンを出るときは僕らだけだったのが、休憩の街ごとに乗客は増えて、最後は満員になっていた。

「ねえ、お嬢ちゃん達はどっから来たんだい?」

向かいに座ったおばさんに聞かれてレイモーンだと答える。

「おやまあっ、あそこの門番は私の甥っ子なんだよ」

(門番ってあのおじさんの事だよね?)

よく見ると、おばさんの頭にも耳がついていてパタパタと動いていた。

「私もクリューソスまで行くんだよ。明日もよろしくね」

そして、初日の旅が終わる。

「もう服屋さんは閉まってるだろうしご飯でも食べようよ」

その時初めて知ったんだけど、ハルやアメは服を替える必要はないらしい。それどころかご飯も食べないでいいんだそうだ。

「そうなんだ…」

(なんだか寂しいな)

「お嬢様、食事はご一緒させていただきますよ」

食べても意味はないけど問題もないので、ハルはそう言ってくれた。

宿は乗り合い馬車の料金に含まれている。アメは先に宿に行くというので、僕とハルで街に出た。


◆◆◆


乗り合い馬車の旅三日目。

『ガタ』

御者台との間の窓が開いた時、僕はウツラウツラしていた。

「お客さん方っ。都市国家群の名物、『魔導列車』が左側を走ってきますよ」

その声に乗客が喜んで窓から外を見た。

「魔導列車?」

(って、何?)

「そっか、アンタらは知らないんだよね。魔導列車ってのは都市国家群を繋ぐ列車で、レールの上を走るのさ」

昨日知り合ったおばさんが教えてくれた。

「列車?レール?」

「うーん、…とりあえず見てみな。あっ、近づいてきたようだね」

『ゴゴゴゴゴゴゴゴ』

遠くから地鳴りのような音がしているのは分かっていたけど、その音が大きくなってきた。

「うわあ、凄い音だねっ」

窓の外を見ると大きな黒い塊が凄い速さで馬車を追い越していく。

「なっ、何あれ?生き物?」

思わずハルに聞く。

「お嬢様、ボクも初めて見ました。何なんでしょう…」

ハルも唖然としている。アメもポカンとしていたけど、僕に見られていたことに気づくとふんっ、と横を向いた。

「凄かったねえ。そうたくさん走ってないから見られたのは幸運だったよ。私も偉そうなこと言っても実際に見たのは数えられる程度なんさ」

おばさんが言うには金属のレールという道の上をあの黒いのが移動するらしい。

魔石の力で動いているらしいけど、おばさんにもその辺はよく分からないんだそうだ。

「死ぬまでに一回くらいは乗ってみたいね。値段は馬鹿みたいに高いから無理だろうけどさ。ハハハハ」

それ以外は特に変わったこともなく夜を迎えた。

(今夜はあの日かぁ)

前回の薬から三日目。

(仕方ない…)

ジルに渡された小箱を開ける。

中は6つに区切られていて赤と青の二色の卵が入っていた。

取り扱い説明書を開く。

「えっと…卵を持って開けと念じれば孵化する…孵化と同時に音声遮断の魔術が発動…そんだけっ?」

(音声遮断は確かに助かるけど…孵化って何だろ?)

ベッドに座って赤と青の卵を見る。なんか顔みたいな模様があって気持ち悪いなあ。

(とりあえず青にしよう…)

小箱から青い卵を一つ取り出してシーツの上に置く。残りはベッドの下に下ろした。

ベッドにちょこんと座って卵を持ち上げる。

「えっと…開けっ」

『ピシッ』

卵に浮かび上がっていた顔の眉間に小さなヒビが入った。

(わわっ)

『ピシピシッ』

目の間が割れて鼻から唇まで筋が出来る。

(なっ、何が…)

『パキッ』

卵に少し穴が開いたと思った瞬間、中から何かが飛び出してきて胸元にぶつかった。

「ええっ、スライムっ?」

何があったのか、と見下ろした僕は慌てて仕込み杖を探す。

(あった…けど遠いっ)

杖は部屋の隅に置いてある。

「どっ、どうしたら…」

焦ってキョロキョロしたものの、どうすることも出来ない。

(ちょっと落ち着こう)

スライムは液状の魔物で種類は膨大。魔王と呼ばれるものから無害なもの、洗濯のように人間の生活に役立つものまで様々いる。

(そもそもジルが危険なものを渡すはずもないか…)

観察すると、スライムはいつの間にか僕の着ていたブラウスの開いた襟やボタンの隙間から中に入っていた。

少しひんやりした温度は心地いい。

「ふぅ…ぁ…」

僕が少し安心して力を抜いた時、スライムがブラジャーのカップにねじ込むように入ってきた。

「あっ、ちょっと、そこはっ」

胸をかき抱くようにして前のめりになる。

「ふぁっ」

胸の先で楚々と主張していた先端ががスライムに包まれた。クニュクニュと柔らかいゼリー状の液体が刺激を与えてくる。

(ぁ…ジンジンしてきた…)

スライムの成分のせいなのか、ピンクの突起が敏感になる。

「あっ、ちょっと…何してるのっ?」

次に、既にジンジンしている方はそのままに、もう片方の胸がスライムに包まれた。

ブラウスのボタンを外して胸を見ると青っぽく光るスライムが分裂していた。

スライム自身は動いていないけど、スライムの体内で青い光が動いて胸が揉まれる。

「あっ、ひゃっ、ちょっ」

ベッドについていた手から力が抜けて、肘が曲がる。

「あっ、ちょっと待ってぇっ」

スライムはもちろん僕の言葉など聞かない。ひたすら本能にしたがって動く。本能に…つまり、水分を求めて…。

「んぐっ」

ビヨンと伸びたスライムの先が口に入った。

急に口に入ったスライムを思わず噛んでしまったけど、予想外の弾力で噛みきれない。桃のような甘い味が広がった。

「んぐうっ」

口の中でウネウネと動く。唾液を吸おうとしているのか、舌がスライムの粘液に包まれて吸われた。

「んんっ、ぐっ」

唾液を吸って大きくなったスライムが口の中でいっぱいになった。まるで、入ってきたときの何倍にも感じる。

さらに口の中で甘味は時間がたつにつれて強くなり、息苦しさだけでなく、酔っばらったように頭がぼおっとしてきた。

(にゃ…にゃにこれ…)

僕の腕から力が完全に抜けてベッドに顔を押しつけてお尻を突き上げる格好になった。

「ぶはっ、はぁはぁ」

ようやく口からスライムが這い出す。

(おわったにょ…?)

だけどそれは終わりではなく、始まり。

大きくなったスライムの本能はさらに多くの水分を求めて動きだした。あるものはお腹を伝い、あるものは背中を伝い、下半身に向かう。

(んあっ、ましゃか…)

背中や脇腹を伝うスライムの動きにゾクゾクとした快感が襲う。

「しょ…しょこ、ひゃんっ」

お腹を伝っていたスライムが、ついに涌き出る泉にたどり着いた。

「にゃかはっ、らめぇっ」

スライムの目的地に手を伸ばそうとするけど、一足遅かった。

「あ…」

『トプン…』

まるで水の中に飛び込むような音をたてて入ってきたスライムが、体の中でジュルジュルと音を立てて吸いたてる。

伸ばそうとした手が無意識にシーツを強く掴んだ。

「んにゃっ、しょんなぁ…しゅっちゃやらぁっ」

溢れかえる甘い蜜をさらに吸うために、その源泉を求めてスライムはさらに奥を目指す。

「はにゃあっ、しょんにゃ…あっ、おくにぃ…あああっ」

体の一番奥が吸われて目の前が真っ白になる。

と、快感に染まる頭が警報を鳴らした。

「んにゃ…あっ、しょこはちがうにょっ」

背中を伝っていたスライムがお尻を啄んだのだ。

「やらっ、あっ、おくもっ、あっ、はいってくりゅっ、きちゃにゃいっ、あっ、はいっ、あっ、ああああっ」

奥を吸われて力の抜けたお尻にスライムが入った。

「ああっ、りゃめっ、りょうほう、ってぇぇぇっ」

お尻の奥と膣の奥、子宮までスライムに犯され、吸われ、こねられ、その度に視界は火花が散って、何度も絶頂に達する。

「あっ、りゃめっ、またいくぅっ、やらぁっ、あっ、ああっ、いくっ、またっ、やらっ、あっ、あああっ」

スライムが吸いきれないほど愛液を吹き出して僕は意識を失った。
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