9.お盆休み② お姉ちゃんにバレた!!
「お邪魔しまーす。」
「えっ?えっ?」
ぼおっとしてる間に美鈴さんは、わが家に入って、気がついた時にはリビングのソファに長い脚を組んで座っていた。
「あのー、美鈴さ」
「『お姉ちゃん』でしょ!」
さすがに高2にもなって「お姉ちゃん」は恥ずかしいし、「美鈴さん」って呼ぼうかと思ったら瞬殺されました。
「ううっ…お姉ちゃんはどうしてここに?」
「あなたの両親が一人じゃ心配だってうちのお母さんに相談したのよ。」
うわあ、お母さん、こんな時に限ってなんて事を!
「えっと隆は?」
「残念でした、隆は今日は大学に招かれてしごかれてるわよ♪隆、隆って昔から遊君は隆が好きねー、あんな筋肉バカのどこがいいんだか。」
「隆は優しいよっ!頭も良いし…」思わず隆の良いとこを言おうとしたけど美鈴お姉ちゃんに遮られる。
「はいはい、今朝は隆も『遊をよろしく、くれぐれも変な道を教えるなよ』って言ってたわ。あんたら本当にデキてるんじゃないでしょうね?」
美鈴お姉ちゃんは優雅にソファから手を伸ばして床に座った僕の顎を持ち上げる。
「こんなに可愛いならしょうがないけど…、本当に女の子みたいね…目は大きいし、まつ毛は長いし、化粧もしてないのにこの肌質…じゅる」
「ねっ、ねぇ、美鈴お姉ちゃん、大学はどうなの?」
話が変な方向に行きそうなので慌てて僕は話題を変える。
たしか美鈴お姉ちゃんは国立のエリート大学に通っていて一人暮らしをしてたはずっ!
「ええ、なかなか面白いわよ。今は遺伝子の研究中。専門の話は難しいからあれだけど、充実してるわよ。」
実際、大学に入って一年目は実家から通っていたみたいだけど二年目からは大学とバイトで忙しいらしく、大学の近くで一人暮らしをしていて僕の知る限りほとんど帰って来ていない。
「バイトはイロイロやってるけどな・い・し・ょ」
はぁ、昔から世話を焼いてくれるのは嬉しいんだけど、このテンションにはちょっと疲れるんだよなあ。
隆にも聞いてみたけど普段はとてもクールなんだそうで僕の前だけあんな風になるらしい。
ふと、お姉ちゃんが立ち上がる。
トイレかな?
「ねぇ、遊君、…今日は私もせっかくゆっくり出来るんだから、デートしましょ!」
「トイレなら…えっ?」
「さあっ服を着替えて来なさい!待ってるわよ!」
強引に予定を決められてしまいました。
ど、ど、どうしよう?
とりあえず、服を着替えないと…、ジーパン、Tシャツでちょっとオシャレなやつは…、これだ!よし、着替えよう!
……あれ?ジーパンが閉まらないよ…脚は細くなったのにボタンが閉まらない…。
Tシャツは……ヤバい、ピチピチでオッパイが完全にばれる!
どうしよう
『トントン』
「うわぁっ!」
ノックの音に僕は飛び上がりそうになった。
「待っ」
待ってを言う間も無く、非情にも扉は開かれた。
『ガチャ』
その瞬間僕はズボンを足に引っかけて転んだ。
『ドスン』
「遊く~ん、お姉ちゃんが服選びお手伝いし…」
さすがの美鈴お姉ちゃんも言葉が止まる。
僕はジーパンを膝まで履いて、Tシャツの状態で寝っ転がったままお姉ちゃんの復活を待った。
しばらくお姉ちゃんの目が点だったけどそれも数十秒で、目が見開かれるとその輝きは今まで僕の見たことの無いレベルだった。
おままごとで幼な妻役をさせられた時も、フリフリの女の子の服を着せられ外を歩かされた時もこんなに輝いてはなかった。
「ゆ~う~く~ん~♪、これはどういう事なのかな~♪」
美鈴お姉ちゃん目が怖いです。
「えっとぉ…これは、その、なんていうか…」
結局お姉ちゃんの圧に負けて隆とエッチした事を除いて全部はかされました。
寝て起きたら治ってたって事で…、何やらお姉ちゃんは考えてるみたいだったけど。
その後はすぐにおもちゃにされるのかと身構えたけど、お姉ちゃんは一旦帰ると言って出て行った。
でも、すぐにお姉ちゃんは戻って来た。
大きなキャリーケースを携えて。
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