「イリス。最近の陛下はどうなさったのか」
「はっ、あのお方のお考えは私のような下賤なる者には到底想像もできません」
そこは幾重にも城壁を張り巡らしたステファノスの中心に聳え立つ王城ティターニアの王女の居室。
あれはまだステファノスがアリストスに攻め入る前のことだった。
ステファノス王女アテナの近衛騎士である私、イリスは以前から王女とお茶をいただくという栄誉を預かっているのだが、何度同席してもやはり慣れるということはない。
それにしても、と私は目の前の美姫を見つめた。
窓から入ってくる風にそよぐふんわりとしたピンクブロンドの髪に白磁のような美しい肌、ピンクがかったゴールドの瞳は一国の姫君にふさわしい美しさだ。
都市国家群は獣人がかなりの割合を占めている。しかし、魔族との混血まで認めているのは、ここ、ステファノスくらいである。
そして、ステファノスの国是は強者に従う。そのため、王族には積極的に魔族の血が引き込まれた。
その結果サキュバス族の血をひいた母親似である王女殿下の容貌はひと際美しい。
ここが城外のカフェなら男たちが放ってはおかないだろう。そんな姫君を唯一私だけが拝見することが許され、さらにそれを愛でながらお茶をいただける幸福。
(ああ…近衛に入れた私は何と幸せなことか…)
「そなたは、本当に幸せそうに茶を飲むな」
ハッと夢から覚めたように私は現実に戻った。
私の耳をくすぐった鈴を転がしたような声は、アテナ王女のものだ。
私も初めて拝謁した時には目を見張るほど驚いたのだが、王女殿下はその天使のような容貌や声と性格が大きく異なっている。
例えば、王女というよりまるで軍人のような恰好を好まれる。
王女殿下は女性としての美しさに何の価値も見いださないのか、物腰はもとより、服装等もスカートなど履いているのを私は見たことがない。
「それにしても、亡き母上が見たらなんと仰られよう。このように同胞の命を徒に奪い、ステファノスが都市国家群の盟主に、いや、主人のようになったところで誰が喜ぶのか…」
その表情は愁い以上に怒りを感じさせた。
(さすがは王女殿下だ。この人こそ人の上に立つべきお人よ)
「ははっ、亡き王妃様におきましては「イリス」」
私の言葉は美しくも厳しい声に遮られる。
「そんな堅苦しい言い方はやめなさい。それに私のことを王女だ、姫だと呼ぶのもたいがいにしろ」
(さすがはアテナ様…サキュバスの血が濃く出ているためだろうか…)
アテナ様の言葉には人を従わせる力があるように感じられた。
「ははっ、いえっ、しかし…」
「しかしも何もない」
「ははっ」
王女を窺うとどうやら私の答えを待っているようだ。
「あっ、ええ…その、しかし、陛下は以前と変わらず姫や王子を可愛がっておいでではないですか?」
「それはそうだが…話を変えよう。お前は今のこの城内の雰囲気をどう思う?」
「そうですね…なんとなく不気味です」
アテナ様は頷いた。
「さすがはイリス。お前を近衛に選んだのはその感覚の鋭さゆえのことよ」
「最近の城内の空気はどこか重く感じます」
(空気が濁っているようにすら感じる)
「うむ。ゼノンがスライムを集めさせているとも聞いたが…」
ゼノンとは古くからこの国を支えている宰相だ。文字通り王の右腕であり、小男だが妙に目がギラギラとしているのが印象的である。
「はあ…、スライム、ですか?」
「それにどうやらアリストスを攻めることが内定したようだ」
「えっ!?」
スライムの使い方を思い浮かべかけたところだったせいで、素の反応になってしまった。アテナ様のことだから私の反応を面白がっているのかと思うと、その瞳にはわずかな憂いが見えるだけだった。
「どうせ兄のうちのどれかが総大将、私もお前も戦場には出ん。せめて戦場に出れれば…あるいは」
ステファノスの戦争は凄惨を極める。たとえ相手が降伏しても蹂躙しつくすのだ。
それまでも、若い女二人にしては色気があるとは言い難かった場の空気が、さらに陰鬱なものへと変わる。
「そうだ、お前の言っていた話も通しておいたぞ。のんびりクリューソスにいる愛しい男に会いに行ってこい」
「いっ!!愛しい男などではっ!!」
アテナ様が雰囲気を変えるように話題を変えた瞬間、私は文字通り飛び上がって驚いた。
今度こそアテナ様が大笑いをする。
「くっ!!はははは!!どうせこっちは何も起こらん。おっと、クリューソスの代表に書簡を届けるのは忘れるなよ、ふふふ!!」
これがひと月ほど前の話だ。
そして、今、私の前にいるのは果たして私の敬愛するアテナ様なのか。
「ンッ♥お父様ァ♥気持ちいいですぅ♥」
私の前で見せたことのない蕩けた瞳。
聞いたものを欲情させずにはいられない甘えた声を奏でる美しい唇。
「クハハハハハハ!!アテナ!!お前、自分の近衛に見られて涎を垂らしてんのかァ?」
「いやぁ♥そんなことないですぅ♥イリスぅ♥私のあさましい姿、見ないでぇ♥」
「ンなこと言いながら、お前のマンコが子種をくれって言ってきてンぜ!!」
着ている服こそ、ひと月ほど前と同じく軍服だが、いつからだっただろう。ズボンがタイトスカートに変わり、その丈も日に日に短くなっていった。
そしてつい一週間前、陛下に進言すると言うアテナ様を後宮の入り口まで送ったことがあった。翌日も、翌々日も。
陛下とアテナ様の会談時間は回を追うごとに長くなっていった。
(あの時、後宮で何があったのか…)
だが、今では、玉座に掛けた陛下の膝の上に座り、その柔らかな体の内側に陛下を受け入れて喘いでいるのだ。
何の血かまでは公にはされていないが、陛下もまた魔族の血を受け継いでいる。そのため、もうかなりの高齢のはずだが、未だ壮年にしか見えず、赤銅色の2メートルを優に超える巨体に老いの兆しは全くない。
陛下に背中を預けて、その膝の上に跨ったアテナ様の軍服の上着は脱がされ、中に着ていたシャツも下着も力づくで脱がされたのか、ボタンは飛び散り、ブラは引きちぎられ、その中の豊かな膨らみがむき出しになっていた。
「見ろ!!ワンのあの目よ!!お前に突っ込みたいって書いてあんぜ!!」
(くっ!!下賤な目でアテナ様を見るな!!)
ワンとはクリューソスから亡命してきた巨漢の商人だ。欲望に光る目でアテナ様を見つめている。
思わず右手が剣に伸びそうになり、だが、それは叶わず、私は膝から崩れた。
「くっ…んっ♥」
「おうおう!!アテナ!!お前の騎士が俺を斬ってでも助けようとしたぞ!!」
「ンはああっ♥だめぇ♥イリスはっ♥やめるのよっ♥私はッいいのぉ♥アッ♥すごいっ♥お父様ぁ♥」
アテナ様に言われずとも私はそれ以上動けない。
だが、私の体を舐めるように見てきたワンを睨んだ。
「ヌフフフ、王女殿下もエロいけど、こっちの騎士さんもエッチやなあ。陛下は王女殿下とチョメチョメしとるし、どや?騎士さんはワシとスケベせえへんか?」
舌なめずりしながら、まるで胸を揉むように両手の指を動かす。
「クリューソスで会うた時からその体、気になっとったんや、ウヘヘ」
「貴…様…」
言葉と目だけで抵抗するが私の方は身動きをとれない。
唯一の救いはワンが実際に私にもアテナ様にも手を出すことができない、ということだけ。
「ん~反抗的やなあ。せやけどな、ちょっと体疼いてんちゃうか?ほれ?目元が色っぽくなってきてんでぇ」
これほどの侮辱を受けても私は自害することも出奔することもできない。
(アテナ様、私はアテナ様の最後の盾なのだから…)
「ンっっ♥らめっ♥お父様ァ♥そこっ、気持ちイイっ♥グリグリしちゃっ♥」
いつの間にか陛下の大きな手がアテナ様のくびれた腰を掴んでいた。
「おおう!!さっすがサキュバスの血を引いてんだけあンな!!最高の孕み袋だぜ!!ン?子宮も下りてきたし、そろそろ本気出すか?」
そう言うと、腰をグイッと上に引き上げる。
(うわっ)
思わず素に戻るほどの凶悪なモノが半分ほど肉壺から姿を現す。こんなものが全部入ったら腹が突き抜けるのではないか、と思わずゾッとしてしまった。
(アテナ…様っ!!)
この後どうなるかを想像して青くなった私だが、アテナ様の目は期待に震えていた。
「はァ♥はァ♥こわれちゃう♥お父様にアテナこわされちゃう♥」
「ククク、まあ焦ンなよ」
そう言って肉棒の半分ほどを出し入れすると、アテナ様の方があっさりと堕ちた。
「はやくゥ♥お父様ァ♥アテナの子宮がもう大歓迎で降りてきてるのォ♥」
「んんん、イイぜ」
陛下が掴んでいた腰を離した。もちろん重力に従ってアテナ様の秘所が陛下のモノを勢いよく飲みこんでいく。
「ン♥ン♥ン♥はっンごあああァァァァ♥♥♥」
陛下の膝の上にストンと落ちた瞬間、アテナ様の口から獣のような叫び声が上がった。
「おいおい、これからだゼ」
再び細いくびれが掴まれると、腰が浮く、沈む、浮く沈む浮く沈む浮く沈む。
「お゛♥あ゛♥あ゛♥あ゛♥あ゛♥あ゛♥あ゛♥」
そして、接合部からはジョロジョロと黄色い液体が漏れた。もうアテナ様はピクリピクリと動くだけで意識も飛んでしまっているようだ。
(も…もうやめて…アテナ様が…壊れる…)
「意識が飛ぶ瞬間がすげェ締まって最高だぜ!!それでもチンコを離さねえこいつのマンコはさすがはサキュバスだな!!」
再び動かし始める陛下。
「あ゛♥あ゛♥あ゛♥こわれりゅゥ♥お゛♥あ゛♥あ゛♥」
動かすことで意識を取り戻しては、また意識を失う。
アテナ様の薄い下腹部が膨らむほどの精液を吐き出したのは、それから半時後のことだった。
妖刀戦記の目次に落日が載ってませんが第十章の敗北の次でいいんでしょうか?
それとも第十一章になるんでしょうか?
コメントありがとうございます!!『敗北』の続きになりますが、章は分けて十一章にするつもりです。
今後ともよろしくお願いします!!