「はぁ…」
ニックの怪我は女医のアニータさんの話によると、幸いなことに骨までは折れていなかったらしい。
だけど、足首の怪我は殴られて出来た怪我じゃない、とも。
思い返してみれば、僕を助けにきてくれた時、足を庇っていたように見えた。つまり、足はその前に怪我していたということになる。
おぼろげな記憶だけど、ニックを突き飛ばしたときに確か変な音がしていたと思う。
(治るまで二週間、それまでは僕がお世話をしないと)
自分が怪我させた上に助けてもらったことを知って、僕はその次の日からも毎日ニックの部屋に行くようになった。
「痛かったら言ってくださいね」
ベッドに横座りになってニックの手のひらに軟膏を塗る。
あれから3日、毎日こなしているので薬を塗る行為は慣れたものなんだけど。
「あっ、えっ?だっ、大丈夫!!」
ニックがこんなふうになにかを誤魔化すようなときは、すぐに離れるようにしている。
少し力を使ってみたら、案の定僕の胸元の映像が頭に入ってきた。
今日着てきたカットソーはマーガレットさんのメモによるとボートネックというらしい。前後の開きは小さいので見えないと思ったんだけど、固めの生地のせいでパックリ開いてしまうのは想定してなかった。
ニックの目の高さからだと、ブラジャーに包まれたおっぱいがしっかり見えている。
(やっぱり…)
「えっと…ちょっと拭くものを取ってきます」
(「チッ、何気に妾の力をうまく制御できるようになってきたのぉ」)
(「舌打ちがしっかり聞こえてるんですけどぉ!!」)
こんな感じで一瞬だけ使う分には今のところ反動はこないことも分かってきた。
それにしても、村正の力の反動で発情状態になってる時は別として、やっぱり僕は男だからそういう目で見られるのは苦手だ。
そのために必ず何かを隣の部屋に置いておいて、それを取りに行く体で逃げるようにしていた。
ちなみに、マーガレットさんに買わされたHな下着は着けていない。
(「まあ、なんにせよこれからが楽しみぞ」「ん?村正、何か言った?」「なんでもないぞえー」)
なんだか村正の不穏な心が漏れてきた気もするんだけど、村正は棒読みで誤魔化してしまった。
(なんか隠してるのが気になるんだけど…)
一抹の不安を感じつつも、ニックが落ち着く頃を見計らって僕は部屋に戻ることにした。今度はニックの視界に胸が入らないように背中の打ち身の部分に軟膏を塗る。
(これはしまったかも…)
で、最後が足なんだけど、さて、塗ろうと思って僕の手が止まった。
足に軟膏を塗ろうとすると、ベッドに腰かけてもらうか伸ばしたままかのどちらかなんだけど。でも、どちらにしても、やっぱり見えちゃうのだ。
(今日の服もしっかり選んだつもりだったんだけど)
この何日か平穏無事にこなしていたことで油断していたのかもしれない。
(かといって、塗らないわけにもいかないし…)
足首は僕が怪我させてしまった部分だ。
(まあ…うん、見られても僕が我慢すれば良いだけ…だよね?)
そんなわけで、ベッドに乗ると、シーツを剥いだんだけど。
「ぁっ!!」
不意打ちのようにニックの股間が目に入る。
背中を塗っている間に十分落ち着いただろうと思っていたから、思わず声に出てしまった。
(なんか凄いことになってる!?)
これまで何度かラルフのを見たはずなんだけど、発情状態だったこともあってそこまで細かいところは覚えていない。
(それにこれ、昨日より…)
既に大きくなっていたことにも驚いたけど、ニックのそれの大きさにも驚いてしまった。
(いや…ここで慌てたらダメだよね。うん、もともと僕にもついてたものなわけだし…)
僕は何も気づかないふりをして足首に塗る。
「痛っ!!」
びっくりしてニックを見れば、脇腹を押さえて顔をしかめていた。
「どっ、どうしたの!?」
ベッドの端に座っていた僕は四つん這いでニックのところへ。
「どこか痛む…ひゃっ!!」
ニックのそばに寄ったそのとき、長い腕が僕の体に巻きつく。そして、不安定な体勢だった僕はあっという間にニックの腕に抱き締められていた。
「ご、ごめん!!でも、もう限界なんだ!!」
耳元にニックの息がかかった。
「こ、こんなのダメです!!」
少し力をこめてみると、怪我をしているせいもあって、絡みついた腕の力は弱い。多分僕が暴れたら振りほどくことも出来ると思う。
(けど、もし怪我が悪化したら…)
そう思うと躊躇ってしまう。
「俺もこんなこと、ダメだって分かってるんだ…アオイちゃんが自分が悪いわけでもないのに看病に来てくれてるのに…」
最初はニックから顔を背けていたけど、だんだんと弱くなっていく声が気になって僕は顔を上げた。
「ごめん…」
ニックの瞳は震えていた。
「俺がアオイちゃんを襲おうとしたのが全部悪いのに、こんなにしてもらって…俺もアオイちゃんをそういう目で見ないよう、自分で処理しようと思ったんだけど、手がこんなだから…いや、こんなの言い訳だよな…」
ニックが自分でしようとしていたのは初日に聞いてしまったので僕も知っていた。
(どうしよう…)
このままここから出ていくことも出来る。ニックの腕からはほとんど力が感じられない。
(だけど…)
弱ったニックをこのままにして帰って良いのだろうか。俯いて悩む僕が答えを出す前に「アオイちゃん」と呼ばれて顔を上げた。
「帰ってくれ。もちろんアオイちゃんは何も悪くないから俺のことなんて気にしなくていいから。このままアオイちゃんが近くにいたら、きっと俺は襲ってしまう」
「で、でも…」
「今日で1週間経っただろ?もうすぐ手首の痛みも取れると思うから。そしたら自分で処理出来るようになるし…痛っ!!」
僕をベッドから追い出そうとして痛みに手を押さえるニック。
僕は痛みに耐えるその姿を見て、自分が何のためにここにいるのかを考えた。
(まだ僕はニックに恩返しができてない…)
「あの…溜まってるのを何とかすれば…良いんですよね」
僕の言葉に驚きで目を見開くニック。
「手で…するだけなら…」
「だっ、ダメだよっ!!」
「だって、僕がいなくなったら誰が背中に薬を塗るんですか?ご飯だって!!」
「ニックさんは寝ててくれたらいいからっ!!」
僕はニックの足の間に座ると、ハーフパンツの腰紐をほどく。
「ア、アオイちゃん…?」
「その、あんまり見ないで下さい」
僕は勢いよくハーフパンツを下ろす。
「ふぁ…」
テントを張っていたそこは、パンツの布も大きく突き上げていた。
パンツを下ろそうとして、突き上げている部分が少し濡れているのに気がついて顔が熱くなる。
「む、無理しないで」
「だ、大丈夫ですからっ!!」
引っ掛かってパンツがなかなか抜けない。
「アオイちゃ」
ニックが何か言おうとしたけど、その前に僕の頬に何かがぶつかった。
「ひゃぁっ!!」
目の前でゆらゆらと揺れているモノが当たったのだとすぐに気がついた。
「アオイちゃん、無理なら…」
ニックが何か言ったような気がしたけど、耳に入ってこない。
自分にもついていたはずなんだけど、こうして他人のモノを見てみるとすごくグロテスクな形をしている。
(これを握って擦ればいいんだ…よね?)
実は僕には自慰の経験はなくて、学校の友達とかから聞いた話で知っている程度。
おそるおそる手を伸ばすと、幹の部分にまとわりつくような太い血管を避けるように握ってみた。
「うっ!!」
『ビクンッ』と手の中で震えた。
「ひゃっ!!」
慌てて手を離す。指にはヌルッとした熱い粘液がついている。
「い、痛かったですか?」
「い、いや、その、気持ちよくて…」
(今のが精液ってやつなのかな?)
「あの、これが…」
ニックに見えるように指を見せると、申し訳なさそうな顔で教えられた。
「えっとね、それは先走り液って言ってさ、その、チンコが気持ちよくなると出てくるんだけど、精液って言うのはもっとネバネバしてるんだ」
(気持ちよかったのか…じゃあ、この調子で擦れば出るのかな)
気合いをいれて握ると上下に擦ってみる。
「うっ、くっ、アオイちゃんっ!!もうちょっと手の力を弛めて」
「こ、これくらい、ですか?」
「そ、そう。それで、その先走り液を手につけて滑らせるようにして」
先走り液を塗りたくって握ると、指がニュルニュルと滑る。
(なんかちょっと音が…)
グチュッグチュッと鳴る音がなんだかイヤらしい。
「ふぅ……ふぅ…」
一生懸命しごいていて、ニックの顔を見るとビクンッと手の中で震える。何度かそれが繰り返されて、ふと僕は不思議に思って村正の力を使ってみる。
ニックの視界が脳に直接映し出された。
(わわわっ!!)
そこには、顔を真っ赤に染めた女の子がいた。
上目遣いの目は黒目が大きくて、濡れたように輝いている。
前に重心をかけているせいで、服の胸元は大きく開いていて、ブラジャーに包まれた胸が余すことなく見えていた。真っ白な肌が汗でキラキラと光っている。
(僕…こんな顔してたんだ…)
それが自分だと気づくと今度は恥ずかしさが襲う。
両手でニックのおちんちんを擦って息を乱しているのだから。
「うっ、アオイちゃんっ!!すごくいいよっ!!」
(あぁっ!!アオイ、可愛すぎだろ!!)
ニックの心の声も重なる。
(くっそ!!おっぱいを揉みしだいてマンコにチンコを突っ込みてえ!!)
続いてニックの妄想が頭の中に流れ込む。
裸で喘ぐ僕の顔が映った。
(あっ!!これダメなやつ!!)
僕は急いで村正の力を止める。
だけど、ちょっと遅かったみたいで、体の奥が熱くなってしまっていた。
(ど、どうしよお!?)
「うわっ!!アオイちゃん!!激しい!!」
慌てたせいか、無意識に手の動きが速くなってしまっていたようだ。
「えっ!?」
「くっ!!ダメだ!!イクッ!!」
何が?そう思った瞬間、手の中のおちんちんが大きく膨らんで。
「やぁっ!!」
何かが飛んできて思わず目を閉じると、顔に熱いものがかかった。
「はぁ…はぁ…♥️」
僕はフラフラと立ち上がるとそのまま洗面所に入った。
スカートの中に手を入れると、ショーツが割れ目に張りついている。
(やっぱり…すごく濡れてる…♥️)
あのままベッドにいたらニックを拒むことは出来なかったと思う。
(とにかく村正の力の反動を何とかしないと)
濡れたショーツを脱ぐと、顔についたニックの精液を指で擦りとって、割れ目に入れる。
「んっ♥️はぁぁ♥️」
ニックに気づかれないように声を我慢して、精液を熱く蕩けた体の奥に指を押し込んだ。
「ふぅっ♥️ふぅっ♥️んっ♥️んんっ♥️」
(まだぁっ!?♥️)
「ふぅぅっ♥️♥️」
もう一度顔を拭うと、その指を割れ目の奥に。
「んっくぅぅぅ♥️♥️」
(んっ♥️あっ♥️これっ♥️声出ちゃうっ♥️ニックに聞かれるっ♥️んっんんんっ♥️♥️♥️)
「ん~~~~っっっ♥️♥️♥️」
絶頂とともに、ビクビクビクッとからだが痙攣して、僕は立っていられずその場に座り込んだのだった。
「はぁ…はぁ…」
◆◆◆
アオイが帰った後、ニックは一人ベッドで考えていた。
アオイが洗面所に飛んで行ったあと聞き耳を立てていたニックだったが、そこで彼はしっかり喘ぎ声を聞いていた。
(顔射でショックを受けていたわけでもなさそうだったな。興奮してオナッてたみたいだし…)
アニータ特製の媚薬はまだ使っていない。実は多少強い酒の蓋を開けて置いておいたんだ置いてあったのだが…。
(アルコールの効果にしては強すぎる…よな!?)
それにしても次に出てきたときにはもう普段通りだった。
(あそこで襲っていてもきっと失敗しただろうから今日は我慢して正解だと思うけど…ん~?)
そして、今後について考える。
(ま、今日は手コキもさせられたし、顔射まで出来たから良しとするか。あとは手コキに慣れさせてから…かな)
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