14周目 9月23日(木) 午後7時35分 島津政信
「ぇっ、あっ」
目の前にいた男にあっさりと捕まった俺は持っていた鍵を取られて玄関に押し込まれた。叫ぼうにも男の手のひらが口を覆っていて声にならない。
「んんっ、なっ、何をっ、んっ」
玄関で靴も脱がないまま、抱き締められた俺は夢の中で嗅いだ臭いと同じ汗と香水の臭いに頭がクラクラした。
「簡単に大人しくなったな」
男、琢磨は俺を抱き抱えるようにしてリビングに連れ込むとソファに放り投げた。
「あっ」
そして、そのままソファに倒れこんだ俺の上にのし掛かってくる。
「美紗、あのメッセージは何だ?俺と別れるって?」
リビングは真っ暗で、窓から入ってくる街灯の明かりで視界はぼんやりしていた。にもかかわらず、琢磨のギラギラと光る目だけがハッキリと見える。
「ぁ…ぅ…」
至近距離で見つめてくるその瞳、それに囁くような声。こうして見つめられて声を聞くだけで俺は自分の胸が高鳴るのが分かった。
夢に見た状況と同じ。違うのは二人とも服を着ていることと、琢磨の纏う雰囲気だけだ。
夢の中ではちょっと粗暴なくらいの印象だったのに、今は怒りと苛立ちがハッキリと表れている。
(どうして…?)
「逃がさねえからな」
ギラギラした瞳が俺を捕らえる。
言われなくても俺に逃げることなどできない。
「ぁっ、んんっ」
既に体は敏感になっていて、息がかかるだけで疼くのだ。
そして、俺が逃げたり暴れたりしないのが分かったからか、俺を押さえ込む力が弱まった。
「お前が誰のものか教えてやる」
その言葉と一緒に琢磨の唇が近づいてきた。
「ぁ…ん…ちゅ…」
(ぁ……なんだ…こ…れ…)
唇が触れあった瞬間、想像以上の快感が脳を揺さぶった。
(き…もちいい…)
思わず目を閉じて唇の感覚に集中する。
「ぁ…はぁっ」
そして、乱暴に入ってこようとする舌を感じとった俺は唇を開いて迎え入れた。
「んっ、ちゅ、ねろっ、ねろっ、はぁっ、んんっ、んっ」
(なんだこれっ、きもちぃっ、きもちいいっ)
舌と舌が絡み合う。快感に酔った俺はさらなる快感を求めて必死で舌を伸ばした。
「こくん」
送り込まれる琢磨の唾に嫌悪感など全く起こらない。
(もっと…もっと欲しい…)
俺は夢の中と同じように琢磨の首に腕を回そうとした。
「チッ」
だが、それは琢磨に拒絶された。嫌がるように琢磨は顔を背けて起き上がる。
「キスだけで蕩けた顔しやがって。今の男にもその顔を見せてんのか?このクソビッチがっ」
琢磨は吐き捨てるように言うと俺の胸元を掴んで無理やり左右に引きちぎった。
ブチブチとボタンが弾けて、肌が晒される。さらに琢磨が強引にブラジャーをずらした。
「あんっ、くぅっ」
暗闇で二つの大きな山が白く光っている。琢磨は両手でそれらをギュッと掴んで、その先端をつねるようにして引っ張った。
「痛っ」
優しさの欠片もない愛撫はただ痛いだけ。だけど…。
(痛い…痛いだけのはずなのに…)
琢磨の手につねられた胸がジンジンと熱い。なぜだか、ますます敏感になった乳首がもっとして欲しいと疼く。
「痛いか?痛いのが嫌なら俺の言うことを聞けっ」
琢磨は俺が痛みしか感じていないと思っているようだった。
「浮気した罰だっ」
「ぁんっ」
乳首を弾かれて思わず俺の口から甘い声が出た。琢磨は一瞬怪訝な顔をした後、怒り始める。
「くそっ、なんだその反応はっ」
立ち上がると琢磨がズボンを脱いで、仰向けの俺の肩の上に馬乗りになる。
「舐めろっ」
(あ…)
チンコが唇に押しつけられた。むわっと汗の臭いが鼻をつく。だけどその臭いは不思議と体の奥を疼かせた。
(あぁぁ)
俺はいつの間にか自分が男だとか、相手が誰だとかを忘れ、目の前にあるものしか見えなくなっていた。
(ほ…しぃ…)
俺は男の匂いに酔ったかのように舌をおずおずと出す。そして、舌先が熱く固いチンコの先に触れるともう我慢はできなかった。
「んっ、ねろっ、ねろっ、んむぐぅ」
目を閉じて無心でしゃぶっていた俺が目を開けると見下ろしてくる琢磨と目が合った。
「くそっ、アイツに教え込まれたんだなっ?」
琢磨が何を言いたいのかよく分からないけど、俺は心のままにしゃぶり続ける。
「くっ、くそっ」
琢磨は俺の口からチンコを引き抜くとブラジャーの紐を引きちぎって胸を掴んで真ん中に寄せた。
「あんっ」
どうすればいいのか、なぜか俺には琢磨の求めていることが分かった。
俺は手で左右から胸を押さえて、差し出されたチンコを挟む。
見上げると琢磨と視線が交わった。
(これで…いい…?)
「くそっ」
ちゃんと要求されたことに応えたはずなのに、イラついたように腰を振り始める琢磨。
「んっ、んっ、んっ、んっ」
ギンギンに勃起したチンコが勢いよく胸の谷間を行き来する。まるで胸が犯されているようだ。
「んっ、んっ、んんっ」
(あぁ、かたぃ…なめたい…)
目の前に近づき離れるチンコを見ていると口に唾がたまってきた。
そして、我慢できなくなった俺は近づいてきた時に合わせて舌を出した。
「うおっ、なんだっ」
焦ったような声。
そうして何度も行き来するうちに琢磨の腰が止まる。
「くそぉっ」
ふと、俺の上で腰を振っていた琢磨が体を反らせた。と思うと、今度はスカートの中に手が入ってきた。
「むあっ、んっ、んんっ」
薄い布の上を指先がなぞる。俺は新たな快感に思わず喘ぎ声を漏らして手と舌がお留守になった。
「おらっ、休んでんじゃねえぞ?メスイヌがっ」
そんな、嘲るような琢磨の言葉にゾクゾクする。
そして、琢磨の腰も止まったので、俺は胸で挟みながら先っちょを咥えて、飴玉を舐めるようにしゃぶった。
「むぐ、…んぐ…ん…」
さらに琢磨の指が下着をずらして入ってきた。
「あんっ」
思わずチンコを吐き出す。
「おらっ、何してんだ?ああ?」
「ごっ、ごめんなさい、あっむぐぐぐっ」
罰のつもりなのか、それとも快感によるものなのか、再び琢磨が腰を揺すり始めた。俺は胸をギュッと押さえて舌を出す。
まるで物のように扱われているにもかかわらず、俺は涙の浮かんだ目でそれらを受け入れた。
「おらっ、イクぞっ、いいかっ、こぼすんじゃねえぞっ」
「んぐっ、むんんっ」
チンコの先が口の中で突然膨らんだ。
(あんっ、んんんんんっ)
熱い粘液が喉を叩く。咳き込みそうになるのを必死にこらえて俺は飲み下そうとした。それでも飲みきれない分が唇の端からこぼれた。
「こくんっ、こくんっ、ゴホッゴホッ」
チンコが口から抜かれて咳き込みながら琢磨を見上げると、獰猛な笑顔で俺を見ていた。
「そら、お前が汚したもんだ。綺麗にしろよ」
「んちゅ…ねろ…」
差し出されたチンコは柔らかくなっていたのに、俺の口ですぐに力を取り戻した。
「おらっ、起きろっ、ヤるぜっ」
(…ヤる……?)
何を?と考える間もなく、今度は四つん這いにさせられて、唐突に熱い杭が打ち込まれた。
「あっ、ぐぅぅっ」
口の中にさっきまであった存在感、それに夢の中で味わった以上の快感が背筋を駆け上がった。
「んあっ、あっ、すごっ、あっ」
片手を後ろ手に取られて勢いよく腰を叩き込まれる。背筋が反り返った。
「あっ、んっ、やっ、あっ、あっ」
「おらっ、どうだっ?いいのかっ?」
夢の中と同じように琢磨が聞いてくるので俺は答えようとするけど、口からは言葉にならない喘ぎがただひたすらに出る。
「あっ、いっ、んっ、そっ、いいっ」
「そらっ、膣中が締まってるぜっ。おらっ、どうだっ?イキそうなんだろ?」
イク。昨夜のシャワーで味わった絶頂の感覚。昨夜、あれが絶頂だと思っていたのは大きな勘違いだと気づかされた。
(あぁっ、なんだこれっ、すごいっ)
昨夜よりも、もっとずっと大きく、深い何かが俺の中で膨らんで、もう、今にも爆発しそう。
「あっ、くっ、くるっ」
「ここかっ、どうだっ?」
琢磨の動きに変化が起こった。より深く、奥を擦るように腰を押しつけてきたのだ。
「やっ、ああっ、だめっ、それっ、ああっ、くるっ」
「ここなんだなっ、イキそうなんだろっ?ああ?」
小さな爆発が何度も起こって、一押しされるごとに体が痙攣する。腕をとられていなければ俺はとっくにソファに突っ伏しているだろう。
「あっ、んっ、あっああっ」
グリグリと押されて奥の奥までチンコが届いた。
「ああっ、くるっ、もっ、あっあっ、ああああっ」
爆発する。そう思った瞬間、目の前が真っ白になった。
「ああっあああああああっ」
膣が琢磨のチンコを離したくないとでもいうように力一杯握りしめる。
「うおっ」
「あっ、くっ、ううううぅぅぅ」
そして、琢磨が俺の手を離すと同時にそのままソファに上半身を倒して何度も体が痙攣した。
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