心を縛る鎖

「葵っ」

ラルフの声が聞こえてハッと現実に戻ると目の前に槍の穂先が迫っていた。

「あ…」

(しまった!)

戦いの最中に意識をそらした僕は馬鹿だ。もう躱せる距離じゃない。

だけど、死を覚悟したその瞬間、僕と槍の穂先の間に何かが割り込んだ。

『ドスッ』

「ぐうっ」

低い唸り声とともに僕の頬に血の雫がとんだ。

「ラルフっ」

一瞬遅れて僕は叫んだ。
ラルフの肩にアンナさんの槍が刺さっている。

「葵っ、大丈夫か?」

ラルフが振り返った。

「僕は大丈夫!…だけど、ラルフは!?」

「俺は大丈夫だ。ぬうっ!」

痛みに耐えながらラルフが刺さった槍の柄を掴んだ。
アンナさんは抜こうと力を込めているようだが槍は微動だにしない。

槍の柄からポタポタと地面に水滴が落ちて黒い染みが出来るのを僕は後悔の念とともに見つめた。

もともとラルフは銀狼で、ケルネを襲った魔狼の群のリーダーだった。色々あって一緒にはいるけど、僕の旅に無理矢理ついてくるだけの存在だったはずだ。

(でも…)

僕を庇って傷つきながら、それでも守ろうとしてくれるラルフの後ろ姿に胸が熱くなる。

『カチャ』

鎧の軋む音がした。
動けないラルフを狙って他のハンター達が近づいてきたのだ。

「くっ!ラルフは殺らせないよ!」

僕は村正を抜くと手当たり次第、全ての剣や槍を払いのけた。

『ギンッ!』

そのうちの一人が態勢を崩した。目の前には無防備な首筋がさらけ出されている。ここに村正を突き立てれば終わる。

(く!)

だけど、ラルフが傷つけられたとはいえ、それでも相手は人間、それも仲間のハンターだ。僕は追撃を諦めてラルフの背中を守る。

そうしているうちにも一度は態勢を崩したハンター達が再び武器を構えたまま僕らを取り囲む。

(ラルフの傷も浅くはない…どうすればいいんだ?)

その時、途切れがちな声が聞こえてきた。

「あ…おい……わたしを斬れ…」

振り返ってアンナさんの顔を見ると苦しげに顔を歪ませて、だけど目に光が宿っていた。

「アンナさんっ」

「…今なら…うごけ…ない…はやく…して…くれ」

「でもっ」

「ううっ…はやく…しろぉ…」

アンナさんの目が再び暗い色に染まった。

「ぐうっ!」

アンナさんの腕に力が込められたのかラルフの肩から再び血が吹く。

(どうする…どうすれば…?斬るしかないのか…)

(一体どうすればいいんだ!?)

悩む僕の頭の中に不意に村正からの声が聞こえた。

(「主殿、操っている術者を倒すのも一つじゃが、実はもう一つ方法があるぞえ」)

のんびりした口調で村正が提案する。

(「村正っ、どういうことっ?早く教えてっ」)

(「ふむ。では、一度女騎士の心を読んでみるがいい」)

僕は今度は前に立つアンナさんの心を読もうとする。

やはり何も見えない。

(「主殿、もっと集中するのじゃ」)

僕は目を閉じて集中する。アンナさんの姿が瞼の裏に映る。

(「もう少しじゃっ!」)

(なんだこれ…アンナさんの腕や足に紐みたいなのが絡んでる…?)

最初は細い糸みたいだったものが徐々にハッキリと見えてきた。

(「これは…鎖…?」)

(「そうじゃ、妾でその鎖を斬るのじゃ」)

僕は目を閉じたまま抜刀した。

『ギャリンッ』

腕を縛っていた鎖を断ち切った。
さらに四肢を縛りつける残りの鎖を順に切っていく。

目を開けると、ちょうどアンナさんの体が崩れ落ちるところだった。

「くっ!葵っ、何をした?」

ラルフが槍を引き抜くと肩にあった傷口が光って、血が止まった。

(ラルフ…無事で良かった…)

「ラルフっ、そのまま僕を守っていて!なんとかするから!」

そう言うと次にウィリアムさんの鎖を切った。ウィリアムさんも糸が切れた操り人形のように倒れる。

(これはうまくいく…けど…かなり負担が大きい…ということは…)

まだ二人の鎖を斬っただけなのに、体が不自然に熱くなっていた。このあとに起こることを考えると、怖くなる。

(それでもやらないと…!)

だけど、前方にいたハンター達の鎖を全て切り落とす頃には、おっぱいが張って、その先っぽがブラジャーの中で固くなっているのが分かった。
それに、足を動かす度に割れ目の奥が『クチュクチュ』と鳴っているのが自分でも分かるほどにまでなっていた。

(んあっ♡くぅんっ♡…もう少しっ、我慢しないと…あぁっ♡♡あと二人だけっ…)

そして、最後の理性を振り絞って振り返ると残り二人の鎖を斬り、これで立っているのは僕とラルフだけになった。

(終わった…)

「…んっ♡♡」

足がふらついてその場で倒れそうになる。そんな僕をラルフが抱きとめてくれた。

「んんっ♡…ラルフ♡…も…もぉ…♡♡」

ショーツだけでは吸収しきれないほど溢れた愛液が太ももの内側を滴ってニーソックスを濡らす。
膝が震えて、もう立っていられない僕はラルフにしがみついてなんとか堪えていた。

「葵…なぜ我慢する?」

ラルフの声が耳をくすぐる。
僕の体がラルフを求めているのはもちろん分かっていた。だけどそう簡単に踏み切れるものではない。

「ん♡…だって♡そこにみんなが…♡」

僕の視線の先には倒れたアンナさん達がいた。

「むう?」

ラルフはハンター達を見るけどよく分かってないみたいだ。

(でも、さすがに知り合いの横でっていうのは…)

(「村正ぁ…なんかいい方法ってないの?」)

(「そうじゃな。…よし、では妾のあとに続いて同じように喋るのじゃ。一言一句間違えるでないぞ!」)

村正の言葉は長く生きた(?)だけあって自信に満ち溢れている。

(「わかった…んんっ♡♡早くっ」)

もう我慢の堤防が決壊が寸前だ。

(「では、ゆくぞ!妾に続けるのじゃ!『恥ずかしいから!』」)

「はずかしいからぁ♡」

(『全部』)

「ぜぇんぶ♡」

(「忘れさせて!」)

「わすれさせてぇ♡♡」

(……ぇ?)

「そうか、分かった」

何か変だと気がついたときにはラルフの指が僕の顎にあてられて、顔が持ち上げられていた。

(ちっ、ちがうっ、んんっ♡♡)

ラルフと目が合う。
真剣な目つきに僕は動けなくなった。

だけど、それでもなんとか「ラルフは勘違いしてる」そう言おうとした僕の唇がいつもより強引なラルフによって奪われた。

「ちっ、ちがんっ…んんん、んんんっ♡…ぁはぁ、はぁ…はぁ」

(…じゃなくって、そうじゃないぃぃ!)

「ラルフっ、ちがっんっ♡まってんんむ…チュッチュッ♡♡んっチュッチュッ♡♡」

喋ろうにも口を開けばラルフの舌が入ってきて言葉にならない。

「んちゅっ♡れろっ♡んんんっ♡♡♡♡」

強引なキスだけど、舌を吸われるとフワフワして体を委ねてしまいそうになる。

(ダンジョンなのにぃ♡みんな起きるかもしれないのにぃ♡♡♡)

ここはダンジョンの中、いつ、魔物が現れてもおかしくない非日常の空間。
それだけじゃない。
顔見知りのハンターがそばにいると思うとなんだか今までになく体が敏感になっちゃう気がする。

「んっ、あっ♡」

キスを続けながら、ラルフの手がコートのボタンを外した。そして、セーターを持ち上げている膨らみを円を描くように撫でまわし始める。

「あっんっ、チュッ♡はぁっ、んんっ♡」

ブラジャーを押し上げる尖った先端がクニクニと擦れて、甘い快感に僕は体を震わせた。

「はぁっ♡はぁっ♡はあぁぁ♡♡♡」

コートが床に落ち、今度はセーターの下に着ていたカットソーの裾からラルフの手が入ってきた。

「んちゅ…あはぁ♡…ねろ♡ねろ♡」

ラルフの手がブラジャー越しに胸に触れる。

「んあっ♡♡♡んっ、チュッ♡♡」

間接的な愛撫がもどかしい。
何度もおねだりの言葉が口から出そうになって、だけど、その都度唇が塞がれて言わせてもらえない。

むしろ、そのことがますます僕の体を熱くしていく。

(もぉ♡らめ♡はやくきてぇ♡♡♡)

そんな時間が続いて耐えられなくなった頃に、ついにカップの中に指が入ってきて直接先端がこねられた。

「あっ♡♡んんんんっ♡♡♡」

その瞬間、快感が体の中心を通過して膝が笑った。

「あっ、しょこっ♡らめぇっ♡♡きもちよしゅぎてぇ♡♡たってらんなくなりゅぅ♡」

僕はそう言いながら慌ててラルフの首に手をまわす。するとラルフも僕の腰に手を回して支えてくれた。

「ありがと、ぉんんっ、はぅぅっっ♡♡」

お礼を言おうとした僕の声が途中から甘い吐息に変わった。それは、ラルフの手が太腿の内側を撫でたからだ。

「んふぅっ♡♡♡」

無意識に逃げようとするも、腰に回された腕は力強く僕を引き寄せる。
こうして、逃げ道を塞がれた上でラルフの手がゆっくりとスカートの中に入ってきた。

(ああっ♡はいってくるぅ♡♡)

ショーツはぐっしょりとなっていて、既にトロトロになっていた割れ目がラルフの指を包み込んだ。

「ああっ♡こえでちゃうぅ♡♡♡んっ、んんんんっ♡♡」

僕はもう無意識にラルフに唇を突きだしていた。
舌を絡めとられながら、指が動き出すのを受け入れる。

「んんっ♡んっ、ちゅっ♡♡」

声を出せばみんなが起きるかもしれない。
でも、声を抑えながらだと快感に集中できない。

「やっ、あっ♡はぁっ♡♡んんっっ♡♡♡」

「どうしてほしいんだ?」

「もうっ、いじわるしないでっ♡♡♡」

「言わないとわからない」

僕は唇を噛んでラルフを恨めしく見上げた。

「んっ♡♡あのね、ゆびじゃなくて…ラルフのおっきいオチンチンがほしいの…♡♡」

そう囁くと、ラルフが僕を片腕で僕を抱っこして、脱ぎ散らかしてあったコートの上に優しく寝かされた。

「ぁっ♡はぁっ♡はぁっ♡はやくっ♡♡」

スカートがめくられて、ショーツが脱がされていく。ときどき指が太腿の内側に当たって甘い声が出そうになった。

「はぁ♡はぁ♡はぁ♡はぁ♡」

肉棒の先があてがわれる。

「ふぅ♡ふぅ♡♡♡はやくっ♡じゅぼじゅぼしてぇっ♡♡♡♡」

お互いに口からは熱く湿った吐息が洩れる。見つめ合う僕らの間で白い息が絡み合った。

「入れるぞ」

僕はもうほとんど力の入らない足が広げられてそのつけ根に固くなったオチンチンの先を感じた。

「んっ♡♡♡♡」

『ジュボッ』

(これ…久しぶり♡…おっきぃっ♡♡♡)

割れ目は目一杯広がって、体の奥までラルフが入ってきた。まるでカラダが征服されたような、そんな気持ちにさせられる。

「んんんっぁぁぁあああっ♡♡♡」

(ああっ、串刺しにされちゃってるよぉ♡♡♡♡)

肺の中の空気を絞り出すように喘ぎ声を上げて、ふと周りのハンター達が目に入った。
いつ彼らが起きるかわからない状況に僕の背筋をゾクゾクするような興奮が昇ってきた。

(もし今誰かが起きたらきっと全部見られちゃうっ♡…んああっ♡…だけど…♡だけどこんなの我慢できないよぉっ♡♡♡)

それが引き金になって、僕は小さな絶頂の波にさらわれた。

「あっっ♡♡♡」

『ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ』

でも、ラルフは分かっているのか、動くのを止めない。絶頂の余韻に浸る間もなく、次の波が近づいてくる。

「やんっ♡あっ♡あっ♡んっ♡あっっっ♡♡」

さっきよりも少し大きな波。
その波にさらわれる瞬間、ラルフが唇を重ねてきた。

「んあっっ♡んんんんんんっ♡♡♡」

不意打ちと快感に僕は目を見開く。体がビクンッと大きく痙攣した。

「ねろっ♡ねろっ♡れろっ♡♡」

イッたばかりの体では、口内の愛撫と体の奥が突かれて甘い声が止まらない。

「あっんっチュッ♡あはっ♡んんっ、チュウゥゥッ♡♡♡」

(たべられてるぅ♡♡♡♡)

上も下もラルフと繋がって出し入れされて、訳がわからなくなる。ラルフの体にしがみついてただひたすら与えられる快感を受け入れた。

息が苦しくなる頃、唇は解放されたけど、今度は耳に舌が入ってきた。

「ふぁぁぁっ♡やらこれぇぇ♡♡♡」

(あたまが♡♡あたまがおかしくなりゅっ♡♡♡♡)

熱い舌が耳の中を這い回って脳まで蕩けてしまう。

「イクぞっ」

熱く湿った息が耳にかかって僕は震える。

「うんっ♡きてぇっ♡なかでっ♡ぼくのなかいっぱいにしてぇっ♡♡♡♡」

ズンズンとこれまで以上に激しい腰遣い。僕の中でラルフがおっきくなった。

「すごいよぉっ♡♡ラルフのおっきいぃっ♡♡あっ♡くるっ♡あぁっ♡イクっ♡イクよっ♡♡♡だしてっ♡♡♡いっぱいにしてぇ♡♡♡♡」

僕のおねだりの声とともにラルフのおちんちんが体の奥で爆発した。

「ふぁぁっ♡♡ぁっ♡♡♡あああああああっ♡♡♡♡♡」

僕は熱い精液の感触で一気に絶頂に達した。

「はぁはぁ…どうだ?」

僕は床に転がったままラルフを見上げて微笑む。
繋がった部分からはダラダラと愛液と精液の混じった白い粘液が漏れ出てきた。

「ん…♡きもちよかった、よ♡…あんっ♡♡もぉ、いっぱいだすからこぼれてきちゃったよ…♡♡♡」

(もっと欲しい…けど…ダメだよね……みんなを先に助けないと……)

◆◆◆

ダンジョンの中で色々とやらかしてしまった僕は着崩れた服を手早く整えると、みんながまだ起きていないのを確認してホッと胸を撫で下ろした。
それから、一旦みんなをダンジョンの入口近くのロッジまで運び出すことにした。

不思議なことに、僕らがダンジョンから逃げようとしたときに現れた真っ暗闇はなくなっていて、あれは夢だったと言われたら信じてしまいそうだ。

ラルフが頑張ってみんなを運ぶ間に僕が火をおこして携帯食料を湯にとかしたりして簡単な食事を作る。

「うう…」

一番最初に目が覚めたのはアンナさんだった。

「アンナさんっ!」

「うっ!………ん?アオイか………?」

まだ、意識はハッキリしていないものの僕を見てぼんやりと名前を呼んでくれた。

「ここは…私は…?」

どうやら操られている間の記憶が曖昧になっているようだ。

「アンナさん達がこのダンジョンで行方不明になったんで、救援にきました」

そう言うとアンナさんの動きが一瞬止まった。

「あああっ!そうだった!皆はっ!?」

ガバッと起き上がったアンナさん。だけど、すぐに頭を押さえて呻く。
やはり操られていた影響は残っているみたいだ。

「大丈夫ですよ。ほら」

僕が他のメンバーを指し示すと、アンナさんも落ち着いた。
それから、今度はアンナさんの話を聞く。
どうやら、アンナさんは操られた仲間の不意打ちに気絶させられて、気がついたらここだったと。

「良かった。全員無事か。…だが、最初の6人は既に飲まず食わずで5日以上か…ウィリアムが起きたら相談しないと…な」

まだ顔色が悪かったので、眠るように勧める僕の言葉を断ってアンナさんはウィリアムさんが起きるまでずっと起きていた。

「今回の事は私達の手落ちだ。アオイ達が来てくれなかったら全滅していた。ありがとう。何か礼が出来れば良いのだが」

お礼なんて必要ない、と言う僕の意見は聞いてもらえなかった。それに新人やそのあと送ったクランメンバーを心配し続けている。

(アンナさんってやっぱり真面目だなあ)

ロゴスの門で働いていたエロ兵士がなぜか頭に浮かんだけど、あんなのと比べたら叱られそうだ。

「だが、何が起こったのかは私にも分からないのだ。最初のメンバーが起きれば何か分かるかもしれないが」

だけど、最初の6人は体力的な消耗も激しいだろうから、いつ話を聞くことが出来るかは分からない。

続いて、次に起きたウィリアムさんからも話を聞く。
そもそも回復系の魔術師で、戦闘職ではないため仲間たちの数に押し切られて、結局気絶させられてしまったそうだ。

それと、この事態の原因についてだけど、ウィリアムさんの経験からだと、幻覚や思考障害、認識障害を起こす毒物の疑いがあり、そういった毒草が生えてきたのではないか、という。

「毒草の中にはそういった効果のあるものも存在はしています…ですが、その毒草も乾燥させて燃やす必要があって、独特の匂いもありますので気づかないはずはないのですが…」

(村正とラルフの『何かに操られている』っていう意見は言わない方が良いかも)

むやみに不安を煽ってはいけないから僕は黙っていることにした。

こうやって話していてもまだ他のメンバーは目を覚まさない。やはり回復には時間がかかるのだろう。
そこで、今後について4人で相談した結果、ウィリアムさんがこの場で回復魔術を使いハンター達の体力を出来る限り回復させる。
アンナさんはもうしばらく休んでから、ロゴスに一旦戻ってギルドへの報告と運搬用の馬車を工面してくることになった。

そして、ウィリアムさんの診断によると他のメンバーも外傷はなく、時間はかかるもののいずれは目を覚ますだろう、とのことだったので僕らは再びダンジョンに潜ることにした。

「私に言えたことではないが、くれぐれも気をつけてくれ。これで助けてくれたお前達に何かあったら悔やんでも悔やみきれないからな」

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