14周目 9月25日(土) 午前11時00分 川合琢磨

14周目 9月25日(土) 午前11時00分 川合琢磨

跳び箱の上に腹這いになった少女。薄暗い用具室にいるのは少女と俺の二人だけだ。

こんな状況を作ったのは顔もよく知らない女だ。俺と女は携帯のメッセージだけの関係だからだ。

最初メッセージが届いたときはふざけたやつかと思ったが、その情報は確かだった。俺が美紗の家に押し入ることができたのも、あの男と美紗を連れて三人で歩きながら上手く二人の意識を後ろに向かないようにして美紗の家まで誘導してくれたからだ。
その後も学園の学生のいない穴場もわざわざ知らせてくれたし、今日だって美紗を医務室に向かうよう誘導してくれた。なぜここまでするのか。

(…そんなことはどうでもいい)

俺は目の前の少女を見下ろす。

(アイツに見せつけてやりたいぜ)

今頃、畳の上で汗をかいているであろう男を思い出すと俺は少しは気分がマシになる気がした。

少女の着ていた長袖のブラウスはボタンを全て外して脱がせたが、両手首は抜いていないので手枷のように少女を拘束している。
それとは対照的に、背中のホックを外したせいでブラジャーによる戒めを解かれた膨らみ。華奢な体にそぐわないそれらは跳び箱との間で柔らかく形を変えてはみ出していた。

スカートは脱がせてこそいないが、腰に巻きついているだけ。
さらに、目を凝らせば跳び箱の下に小さな布が落ちているのが見えるはずだ。それはさっき千切るように俺が脱がせて投げ捨てたものだ。
そして俺はその布に隠されていた真っ白な谷間に醜悪な浅黒い肉棒を挟んだ。

「ぁっ、ん…琢磨っ」

少女、美紗の後ろから俺は仁王立ちで肉棒を擦りつけてやる。

「んっ、あっ、やっ、あっ…」

美紗は反応がいい。
だが、俺の心はその反応の良さにむしろささくれだつ。

「くそっ」

「あっ、やっ、そこっ、んんっ」

跳び箱と美紗の胸の間に手を捩じ込むと、手のひらには柔らかい胸とともに固くコリコリとした乳首の感触が伝わってきた。

「あっ、んっ、きもちいっ、いいよっ」

ギュッと乳首を掴むと甘い喘ぎ声が出た。

昨日美紗に「柔道部を辞めろ」と言うまでならその声は俺を興奮させ、俺の独占欲を満足させてくれただろう。

だが、今はその喘ぎ声はむしろ逆効果だ。
それが演技なのかもしれない、俺を喜ばせるためだけの。そう思うと昨夜は何もかもが嫌になったし、今も腹の中になんとなく嫌なものが残っている感じがする。

しかも、今日はそれだけではない。美紗の声には快感に翻弄されるだけのものとは違って、僅かに女の媚びが混ざっているように感じた。

(くそっ、何だってんだ)

「あっ、んっ、たくまぁっ、はやくぅっ」

チンコはいまだに入れていない。まるで処女のように閉じたマンコの筋を擦るだけだ。

(ちくしょうがっ、お望み通り入れてやるっ)

俺はゆっくりと位置を定めて腰を進めた。

「あっ、んんんっ」

半分ほど入ったところで今度は抜く。

「あんっ、ぇっ、やあんっ」

美紗が振り返って潤んだ目を俺に向けた。その瞳はもっと奥まで入れて欲しいと言っているように俺には見える。

(見えるが…だが…)

その全ては嘘かもしれない。
その時、美紗の心に反応したのか、膣が蠢いた。

(うおおっ)

膣の入り口がきつく締めつけてくるは以前と同じ。だが、チンコに絡みつく膣肉の動きが全く違っている。

(ぐっ、これは…)

まるで一晩で清らかな少女から妖艶な熟女に変わったようだった。白い背中から腰までがくねくねと妖艶に動いて俺を膣奥に誘う。

俺はそこでようやく美紗の体が昨夜とは違うことを理解した。

「もっとしてぇ…」

甘い誘惑が俺の耳を刺激してくる。

(なんだこれはっ、一体どういうこと、くそっ……そうかっ…)

昨夜は嫉妬でもう訳がわからなくなり、最後は美紗を置いて帰ってしまった。
だが、あの後何があったのか。

美紗のこの反応の違いは間違いなく昨夜の、それも俺が帰った後に起こったことが原因だろう。

俺の脳裏に帰り際にチラッと見たアツシの姿が浮かんだ。

考えてみると昨夜は俺の部屋に入ってきてプレイに参加までした。
俺も詳しい訳ではないが、これはアツシにしては珍しい。少なくとも俺が女を連れ込んだときにはこれまで一度もなかった。

これまでアツシがどれだけの女を落としてきたのかも聞いたことはある。だからあの後に何があったかは簡単に想像できてしまう。

(しまった…くそぉっ、何でだっ、何でこんなことにっ)

思い浮かぶ様々な光景が、目の前で喘ぐ無防備な裸体と重なって俺の心に暗い炎を灯した。

「……たくま?…………んっ」

しかし、そんな琢磨を現実に戻したのは皮肉にも美紗の蜜壺だった。爪先立ちのまま押しつけてきた尻がチンコを一気に飲み込んだからだ。

「うっ」

熱い肉壺に飲み込まれた。柔らかくほぐれ、蕩けるような感触に包まれる。

「ぁあっ、……んんんっ」

振り向いたままの美紗は目を閉じて、まるで俺のチンコを味わっているかのようにその長い睫毛を揺らした。

「ふあっ…んんっ、すごぃ」

さらに尻を突き出すと、膣奥まで肉棒の先が届いたのが分かる。

「ああっ、ふああっ」

チンコを包み込んだ膣肉の動きはネットリと吸い付き蠕動する。俺も気をそらさないとあっという間に射精に追い込まれそうになった。だから思わず聞いてしまった。

「くっ、そんなにいいのかっ?」

これは後から考えても聞くべきではなかった。だが、もう時間は戻らないのだ。

「いいのっ、あっ、イキそっ、あっ、んんっ、いいっ、いいよっ、アツシっ、さんっ」

(アツシ…さんだと?)

俺は美紗の言葉を聞いたその瞬間、自分の顔から血の気が引くのが分かった。

美紗自身は自分の言葉に気づいていないようだが、俺が美紗の口から出た男の名を聞き逃すはずがない。
そして、血の気が引いたその後、心の中に燻っていた火種は黒い炎をあげた。

「…ああっ?今なんつった?美紗っ、昨日のことを言えっ、ヤったのか?」

「んっ、やっ、きのうっ、ってぇ、やっ、あんっ、アツシっ、さんにっ」

美紗の口から再びその名前が出た。

「アツシっ、さんにっ、おくをっ、んっ、やっ」

「奥に、なんだっ、突っ込まれたのかっ?」

分かっていたことだが、それでも頭に血が上るのを止めることはできない。

俺はグイっと美紗の腰を掴んで引き寄せた。

「ああっ、おくっ、あっ、くるぅっ」

「それでっ、何をされたんだ?」

俺の纏う雰囲気の変化に美紗は気づかない。喘ぎながら聞かれるままに昨夜の出来事を話し始めた。

「んっ、それでおくにはいってきてっ、んっ、やっ」

俺の腰の動きは美紗の話が進むにつれて激しくなっていく。美紗は跳び箱の上に顔を押しつけて喘ぐ。

「あっ、やっ、たくまっ、はあんっ、しゃべれなくなるよぉっ」

(美紗は俺のものだっ、心も体もだっ、アイツだけじゃないっ、アツシにもやらないっ)

「くそっ、それでイカされたのかっ?」

その答えはパンパンと打ちつけるせいで途切れ途切れになった。

「あっ、んっ、スゴくっ、…んあっ、あっ、イッちゃっ…て…きゃっ」

美紗が答え終える前に、俺の腰が今まで以上に強く体の奥を抉った。

「あっ、はげしっ、たくみゃっ、これしゅごいぃぃっ」

「くそぉっ、それで、どうなったんだっ?」

「あっ、あっ、なっかぁっ、んんっ」

(なか…、なかだと?)

『なか』という言葉に思わず動きが止まる。これ以上は聞かない方がいい、頭がそう警告を発する。
だが、俺のそんな気持ちとは裏腹に美紗は今度はハッキリと口にした。

「んんっ、あっ、なかにだされてっ」

「なか…膣中で…だ?」

美紗は何度も頷く。俺の中の暗い炎が大きく燃え上がる。

「で、どうだったんだ?」

「あっ、…きもちよくてっ、おかしくなって、んっあああっ」

突っ込んでいたチンコが大きく膨らんだ。

「やっ…あっ、オチンチンがっ、おっきいっ、らめっ、あっ」

これまで以上の圧迫感に美紗の声が震える。

「んぁっ、たくまっ、んんっ、うごかさないれっ」

「ああっ?」

怒りとも後悔とも呼べないどす黒い感情に支配された俺はひたすら腰を押しつけた。

「あああっ、おくっ、やっ、あっ、あああああっ」

昨夜開発されたであろう膣奥を押されて呆気なく美紗が達する。そしてその瞬間、精液を搾り取ろうとでもいうように膣肉が一斉に動き始めた。

「ぐっ」

(イっちまうっ)

美紗はイキながらも体の中で膨らむ肉棒が限界まで大きくなっていることに気づいた。

「ああっ、たくまっ、んんっ、イキそ?イキそっ?いいよっ、いいのっ、きてっ、あっ、ねっ、きてっ」

「うっ、ぐっ」

俺の反応を感じ取った美紗は快感を求めて追い討ちをかける。

「きてっ、なかにだしていいからっ、ねっ、みさのなかにっ、おくにほしいのっ」

「くそがっ」

「あっ、しゅごっ、あっ、やっ、あっ、あっ
イクっ、なかにっ、なかにきてっ、はらませてっ」

何度も達している美紗はもう何を言っているのか自分で分かっていない。手首に引っ掛かったブラウスを固く握りしめて叫び続ける。

そして、パンパンと激しい音を出して攻め続けていた俺が腰を抜いた。

「イクッ、イクイクイクイクっ、イクよぉぉっ…ぁっ…」

俺が射精寸前に抜いたことに美紗も気づいたが、もう絶頂間近だった体は後戻り出来ず何度も痙攣を繰り返す。

「んっ、ああああああっ」

◇◇◇

「はあ、はあっ、はあっ」

全身を弛緩させる美紗と膝が震えてマットに座り込んでしまった琢磨。

「くそっ」

琢磨は座り込んだまま目を隠すように手を当てた。

「くそっ、くそっ」

その声は小さくなっていく。

しばらくして美紗はのろのろと服を着直して金属製のドアを開けた。

「ミサ、一人か?」

外に出た途端呼び止められた美紗は声のした方を向いた。
そこには昨夜自分の体を変えた男。と、もう一人、贅肉まみれの中年の男が立っていた。

「高樹、生徒指導に来たで」