11周目 9月23日(木) 午後11時35分 島津政信

11周目 9月23日(木) 午後11時35分 島津政信

(…ハッ)

俺はベッドに転がっていた。

『ヴーヴヴーーヴヴー』

(ローターが鳴ってる…?)

気だるい体を起こして、ローターのスイッチに触れるが、バイブ音は消えない。

(おかしいな)

そう思って音の出処を探すと枕元で携帯が光っていた。
また見たことのない画面が映っている。

(ん…)

気だるい体を起こして見たことのないボタンを押すと、店長の顔が画面に現れた。

「全く、携帯を投げるなんて危ないよ」

気がついたら手から離れてしまっていたようだった。

(あれ?…これって…)

「テレビ電話だよ。どう?うまく映ってるかな?」

店長が話すと画面の中の店長の口も動く。

「ぁ…」

端っこに自分の顔も映っていた。携帯の向きを変えると自分の顔が消えてベッドが映る。どうやら店長の方にはこの画像が見えているのだろう。
携帯の画面を自分の方に向けて返事をした。

「ねっ?美紗ちゃん、気持ちよかったんでしょ?」

「ぃぇ…そんな…」

「ほんとかなあ?」

店長は疑わしそうにニヤニヤしていた。

「本当に気持ちよくなんかないです」

「ふーん、じゃあさ、パンツを触ってみてよ。画面は顔に向けたままね」

仕方なしに言われた通りにすると、パンティがぐっしょりと濡れていた。

(え…?)

「あれえ?その顔は、さては濡れてた?」

テレビ電話なので俺の顔が店長に見られているのを忘れていた。声には出さなかったけど表情に出てしまったのだろうか、店長の追及は続く。

「どう?濡れてるんでしょ?」

その言葉にドキッとする。

「そんなこと…」

「へえ?今の顔はそんな風には見えないけど。じゃあさ、パンティをずらしてオマンコにローターを当ててみてよ?」

「だめっ」

「どうして?」

「いや…だって…」

「濡れてないんでしょ?さあっ」

仕方なくパンティをずらしてローターを割れ目につけた。

『チュプ』

「んっ」

「その顔は…気持ちいいんでしょ?」

「そんなことないからっ」

「いや、嘘だね。嘘つきにはお仕置きが必要だな」

(お仕置き…)

その言葉にドキッとする。

「スイッチを入れるんだ」

(だめだ、パンティの上からでも苦しいくらいなのに…直接なんてしたら…)

「早く。お仕置きなんだよ」

(お仕置き…)

なんとなくそう言われると断ってはいけない気がした。

『ヴーヴーヴーヴー』

ローターのスイッチをいれた、その瞬間、イッたばかりの敏感な体が反応した。

「ぃやあああっ、すごいっ、ダメっ、こんなっ、苦しいっ」

携帯を持つ手が快感に震える。

「おっと、一度止めて」

(え…とめて…いいの?)

ほんの短い時間だけだったにも関わらず、もう俺の頭は朦朧とし始めていた。

「また携帯を投げられても困るからね。そうだなあ、美紗が映りそうなところに置いといてもらおうかな」

「ぁ…はぃ…」

「…うん、オッケー。美紗の綺麗な体も見えるよ。じゃあさ、こっち向いて足を広げて」

俺は言われるがままに再びローターのスイッチを入れた。

『ヴヴヴヴヴヴヴ』

「くぅっ、あっ、こえがっ、でちゃうぅぅ」

携帯画面の向こう側から見つめられながら、俺はシーツを掴んで身もだえる。

「ほら、割れ目の上、クリトリスに当てるんだ」

「やっ、そんなとこに当てたらダメになるっ」

「いいんだよ、ダメになるんだっ」

店長の言葉には逆らえない。俺はローターをクリトリスに当てた。

『ヴーヴーヴヴヴヴヴーヴー』

振動が敏感な部分に直接当たって頭がおかしくなる。

「あっ、ああっ、しゅごいっ、しゅごいのくるぅうううっ」

体がビクビクビクっと震えた。

「ぁぁぁ…」

しばらく痙攣がやまなかった。

『シュッ、シュッ』

なんだか遠くで擦れるような音がする。

「ねえ、美紗、俺が今何をしてるかわかる?」

店長の声にふわふわとした感覚のまま返事をする。

「ぁ‥分かん…ない…です」

「こっち見て?」

画面をぼんやりと見ると、最初は何が映ってるのかよく分からなかった。

「チンコを擦ってるんだ…美紗のイヤらしい声で勃起しちゃってるんだ」

言われてみると、画面の中で店長が勃起したチンコを手で掴んでいるのが分かった。

「勃起…」

店長は恥ずかしいことをさも当然の事のように言った。

「そうだよ…美紗の膣中に入りたくてビンビンに勃ってる」

「……膣中に…」

夜のカフェで挿入された時の快感がフラッシュバックして吐息が熱くなった。

「美紗、指を咥えてみて?」

ベッドに置かれた手がまるで自分のものではないようにゆっくりと持ち上がる。

「人差し指を口に入れて…どう?」

「…ふぁい…」

「舌でじっくりと味わうようにしゃぶるんだ」

俺は今日事務所のソファで舐めた肉棒を思い出した。

『チュ…チュル…ンチュ‥チュポ』

「ああ…きもちいいよ…美紗の舌が俺のチンコを舐めてる」

普段ならそんな馬鹿なと思うが、スイッチの入ってしまったせいか、本当にチンコをしゃぶっている気分になる。

『チュポ…ジュル…』

「はぁ、はぁ…」

「ねえ、我慢できなくなってきたよ。オマンコに指を入れてみてっ、俺の指だと思って、さあっ」

もう、躊躇することなく指を入れる。

「あっ、はいる…」

わざとクチュクチュ鳴らして画面の向こうの店長を見つめた。

「ああ、トロトロになってるじゃないか。もっと激しくするよ?」

「ああっ、だめっ」

そう言いながらも激しく指を動かす。

「2本にしようっ、さあ、中指も入れるぞっ」

曲げていた中指を人差し指と一緒に入れる。

「ああんっ、ふといっ、あっ」

「オマンコの中をこすって、さあっ」

『ジュブジュブジュブジュブ』

「どうだいっ?気持ちいいかいっ?」

「んんんっ、あっ、きもちいっ」

「ああ…美紗のオマンコに入れたい。入れたいよ…」

「お‥まんこ…」

「美紗はどう?」

「……」

(入れたい…)

「美紗、どうなの?正直に言ってよ。電話なんだしさ」

「……」

(電話だし…)

店長の口車に乗せられて俺の口が滑り出した。

「いれたい…」

カッと耳まで熱くなる。

「どんなチンコが欲しいの?」

「あつくて…」

頭がぼぉっとする。

「熱くて?」

「ふとくて…」

「うんうん」

「かたいの…」

「誰のが欲しい?」

「…」

「ねっ?俺のが欲しいって言ってみてよ。嘘でもいいからさ」

「…」

「言わないといつまでもこの電話切らないよ?」

(嘘、嘘を言うだけ)

「てんちょうの…」

「店長じゃなくて?」

「あっ、しんやさん、しんやさんのがほしいよっ」

いやらしい事を言うたびに下腹の奥が熱くなる。

『シュコシュコ』

「はあ、はあ、もっと言って」

真也さんの声が摩擦音と一緒に聞こえてくる。

「いれてほしい、しんやさんのチンコが欲しい…んぁっ」

言葉だけのつもりなのに言葉にするとそれが本心のような気がしてきて、切なくなった俺はブラジャーをずらして直接胸を揉んだ。

「ああっ、美紗っ、俺も入れたいっ、美紗のヌルヌルのオマンコにズボズボ入れたいっ」

俺が叫ぶと間髪入れずに真也さんの言葉が聞こえる。

「ああっ…しんやさぁん…ほしいよぉ」

「ああ、美紗の中に入れたいっ」

「いれてっ、いいよっ、いれてぇっ」

恥ずかしい思いや葛城のことなどどこかに行ってしまったように意識せずに口から卑猥な言葉が飛び出した。

「入れてやるっ。バイブをとるんだっ」

俺はベッドに転がっているバイブを掴んだ。

「股を開いてっ」

足を開いた。俺は携帯の画面を見つめて指示を待つ。

(あぁ…早くぅ…)

「勃起したチンコだと思ってそれをマンコに当てるんだっ」

指示されるがままに俺はバイブを割れ目に当てる。

「さあっ、入っていくぞっ」

「んっ」

入口は硬かったけど、一度亀頭部分が入ると、後はズブズブと奥に入っていく。

「あっ、きついっ、しんやさんっ」

「美紗、一緒にイこう。さあ、スイッチを入れてっ」

「んっ」

なんの迷いもなくスイッチに手が伸びた。

『ウイィィィン』

「あああっ、なにこれぇっ」

俺の目の前が真っ白になる。

「あああああっ、しゅごいっ、やだっ、イクっイクイクイクイクっ」

「俺もイクよっ、イクっ、イクぞぉっ」

「ふぁぁぁああああっっ」

◇◇◇

気がつくと素っ裸で俺は寝ていた。

携帯が光っている。

『また明日ね』

俺の目から涙が流れ落ちる。それは高樹に、葛城に済まない気持ち、自分に対する怒り、状況への絶望。

様々な気持ちが心の中に留めきれずに溢れでた。

「う…くっうぅぅ…」