11周目 9月23日(木) 午後11時00分 島津政信

11周目 9月23日(木) 午後11時00分 島津政信

(もし、こんなことが葛城にバレたら…それに、体が戻った時に高樹にもすごく迷惑がかかる)

俺は風呂をあがるとベッドの上に体育座りで反省していた。

脅迫され、無理やりとはいえ、結局店長に体を許してしまった事に変わりはない。
お互いに体が元に戻ってもこの事実は消えない。

(高樹として生活してみて分かったけど、高樹には友達って葛城以外本当にいないんだよな。なのにその葛城から裏切り者として嫌われたら…俺なら耐えられない…)

どうしたらいいのか分からず頭を抱える。

(とにかく明日は体調不良ってことにしてドタキャンするしかないか…葛城も明日は来れるって言ってたしバイトの人数は足りるだろうから)

『ヴヴヴヴヴ』

(ん?)

携帯電話を開くと見たことのない画面が開いていた。

『起きてる?』

相手の名前は『真也』どうやら店長のようだ。

(何だこれ?)

俺はきっぱり言わなければいけないと思っていたけど、まずこれが何か聞かなければいけない。

『何ですか、これ?』

『ヴヴヴ』

恐る恐る文字を打ってみるとすぐに新しいメッセージが届いた。

『美紗が寝ているときに入れといたんだよ』

(だから何なんだ?)

もう一度メッセージを打とうとしていると店長からまたメッセージが届く。

『このアプリでテレビ電話が出来るし、画像も動画も簡単にやり取りできるんだよ』

続いて使い方がどんどん送られてくる。自分が文字を打とうとしているとどんどんメッセージが届くので、俺は一旦文字を打つのを諦めて待つことにした。

『もちろん俺と美紗しか見れないから安心して』

(何が安心して、だよ。じゃなくて、こんなことは良くないって言わないと)

その直後に新しいメッセージが入った。

四角の小さな写真?のようなものの中に中に三角形の再生ボタンがついていた。

(なんだこれ?)

三角のボタンを押すと、写真が動き始めて声が再生された。

『あっ、やっ、てん、真也さんっ』

女の子の声が流れてきた。

見覚えがある。これはバイト先のカフェの事務所だ。

『あっ、らめっ、イクっ、イクッ』

(あっ、これはっ)

今度は電話が鳴った。

店長からの電話だった。

「もしもし…」

「やあ、美紗ちゃん、今何してた?」

「それより、これな何なんですか?」

分かっている。今日の俺と店長の盗撮動画だ。

「まあまあ、そんなことは良いからさ。今何してたの?」

「えっと、お風呂に入って…って、そうじゃなくて店長っ、あのっ「ふーん、どんな格好してるの?」」

こちらの言葉を無視するように店長の言葉が重なる。

「えっ?もう寝巻きですけど…」

そして、俺は思わず返事をしてしまった。

「詳しく教えてよ」

(何考えてるんだ?)

「いっ、嫌ですよ」

俺は嫌な予感がして、断った。

「ええー、そんなこと言わないでさ。そうだっ、今日のこと亜紀に言っちゃおうかな?」

普段通りの口調で店長がとんでもないことを口にする。

「なっ、何言ってるんですか?」

「ほら、何着てるか、それだけでいいから、ね?」

「……えっと…パジャマです」

「上は?」

俺はベッドからクローゼットの前にある鏡を見た。

「半袖のシャツです」

「へえ、下はズボン?」

「えっと、そうですけど?」

「ふーん、ねえ、美紗ちゃんって寝るときはブラジャー付ける派?」

「はい…えっ?」

テンポ良く聞かれて思わず答えてしまった。

「ねえ、美紗ちゃん、今ってベッドの上?」

「…はい」

(なんだかわからないけど嫌な予感しかしない…)

「じゃあさ、ボタンを外してみよっか」

「はあっ?」

思わず聞き返してしまった。

「だからさ、ボタンを外してみよう」

「えっ、なんで?」

「いいじゃん、それとも亜紀に言っちゃっていいの?そうそう、さっき送ってみたけどよく撮れてるでしょ?」

そう言われると俺は何も言い返せない。

(…店長と何かするわけでもないし。最悪電話なんだから切ればいいか…)

そう思って空いている手をボタンに伸ばす。

「報告しながら外してね」

「えっ?」

「亜紀に「ううっ、分かりましたっ」

俺は仕方なく報告をする。

「…えっと…一つ外しました」

「どう?」

(どう?って…?)

第二ボタンまで外していたのでひとつ外したらブラジャーの上が見える。

「ブラジャーが見えます…」

「どんなブラジャーなの?」

「えっと、ワイヤー無しの…ピンクの花柄です」

「そのままボタンを外して。全部外すんだよ」

「はい」

言われた通りに外していく。

「外しました」

「じゃあ、シャツを脱いで、ズボンも脱ごっか」

「…はい」

なんとなくそんな気はしていたから諦めて脱ぐ。

「これで美紗ちゃんはパンティとブラジャーだけになったんだよね?」

「はぃ」

「ねえ、カバンって近くにあるの?」

「は?」

「カバン、学校に持って行ってるやつ」

「あっ、カバンならありますけど…」

「その中にプレゼントを入れてあるから出してみてよ」

言われて、カバンの中を探ると見慣れない小さな紙袋があった。

(いつの間に…?)

「あっ、ありました」

「開けて開けて」

開けてみると中からプラスチック?の卵のようなものと…。

「て…店長…これって…」

「ん?ローター?正式名称はピンクローターって言うんだよ。初めて?」

「えっ、はい、初めてです…じゃなくて、もう一つの方は…」

俺でも知っている。この勃起したチンコの形をしたものは…。

「もちろんそれはバイブだよ~。ほら、パッケージも破ってさ、電池も一緒に入れといたからセットしてみて?」

「いっ、嫌です」

「大丈夫、電池入れるだけだってば。いやあ、動画も綺麗に撮れるもんだね。誰が映ってるかはっきり分かるもんなあ」

紙袋を探るとご丁寧に電池も入っていた。

「セットした?」

慌ててセットした。

「両方だよ?バイブの方もセットした?」

「えっ、あっ、ええっと…入れました」

「じゃあ、スイッチ入れてみよっか?バイブは横に置いといていいからさ。ローターだけ、ね?」

リモコンの丸いスイッチを回すとベッドの上でヴーヴーヴーと卵が震えた。

がらんとした部屋の中にバイブ音が響いた。

「ああ、聞こえる聞こえる。ちゃんと言われた通りにしてくれたんだね?」

(脅すからだけど)

うるさいから一度スイッチを切る。

「よし、ベッドに戻ってるよね?座ってるの?」

「はい」

「ローターをそうだな…胸に当ててみよっか?」

(これを胸に?)

俺は言われた通りにブラジャーの上から胸にくっつける。

「つけた?」

「はあ、つけましたけど…?」

(何の遊びなんだ?)

「スイッチを入れてみて?」

空いている手でスイッチを回す。

『ヴーヴーヴー』

「ひゃっ」

「どう?どう?どんな感じ?」

店長が焦れたように聞く。

「んっ…あっ、えっ‥と、すごいビリビリきます」

刺激が強すぎてちょっと痛いくらいだった。

「ローターを動かしてみて?」

俺は言われた通りに胸の上で動かす。

「んっ、あっ、何っ、これっ」

(あっ、なんだこれっ、声が出てしまう…)

「気持ちいい?」

(気持ちいい?気持ちいい…?………気持ち…)

「きもち……もういいですよね?」

胸から離してスイッチを切った。

「はぁ、はぁ」

(なんだか体が熱くなってきてる…これ以上は…そうだっ、寝てしまったことにして…)

そう思って俺が電話を耳から離そうとした時、受話器からタイミングよく声がした。

「電話を切っちゃダメだよ。亜紀に言われたくないんでしょ?」

店長はこれを言えば俺が断れないことを知っている。

「汚い…」

「大丈夫だって、俺は美紗ちゃんが新しい快感を覚えるのを助けてあげたいだけなんだから。ねえ、スイッチ切った状態でいいからさ、ブラジャーの中に入れてよ」

俺は仕方なしにブラジャーの中に入れる。

(ひゃっ、冷たい)

ローターの冷たさに少し驚いたけど、すぐに熱くなった体温で気にならなくなった。

「さ、スイッチを持って」

ローターのスイッチをもつ。

なんとなくどうなるか想像はついた。

「じゃあ、スイッチ入れてみて」

(声は我慢しないと…)

俺は覚悟を決めて、唇に力を込めてスイッチを入れた。

『ヴーヴーヴー』

「んんんんっ」

それでも噛み締めた唇から呻き声にも似た声が漏れてしまう。

ローターが振動でブラジャーの中を動きまわる。

(うっあっ、ダメっ、ダメなとこにいく…)

そして暴れるローターが乳首に微かに当たった。

「ぅんん」

(だめだっ、敏感なとこに…)

思わずローターの動きを止めようと胸に手をやる。

「んああっ」

ところが、俺が胸を押さえたことで震えるローターが乳首を押し潰した。その結果、予期せぬ快感にこらえていた声が出てしまった。

「んんあああっ」

(だめだっ、声がっ…我慢できないっ)

一度口から力が抜けると、なし崩しに声が出てしまう。

「いい声が聞こえるよ。さっきは最後まで答えてくれなかったけどさ、気持ちいいんでしょ?」

「あん…あっ、んっ、あっ、あっ」

俺は押しつけたまま快感に耐える。

「美紗ちゃん?ねっ、気持ちいいんでしょ?」

(何…?気持ちいい…?)

店長の声が頭に響く。

「ね?どうせここには俺と美紗ちゃんしかいないんだし、言ってよ、気持ちいいってさ」

(気持ちいい…?気持ちいい…)

「あぁっ、……気持ち…いい…」

そう言った瞬間体がカッと熱くなって、感度も上がった気がした。

「気持ちいいんだね?何が気持ちいいか教えてよ」

「んんんんっ、あっ、ローターがっ、気持ちいい」

言えば言うほど体の芯が熱くなる。

「もっと詳しく教えて欲しいな」

「胸に直接ローターが当たって気持ちいいっ」

「よし、じゃあさ、次は寝転がって…そう、仰向けになろうか」

「はっ、んいぃ」

言われた通りに寝転がる。ローターがまた違うところにあたって思わず高い声が出てしまった。

「脚を少し開いて…ローターをブラジャーから取り出そうか」

「はっぁい…」

俺は震えるローターを取り出してスイッチを切った。

「ねえ、そのローターでもっと気持ちよくなりたくない?」

「い、いえ、もう…」

「…そう?ああ、そうだ、美紗ちゃんのパンティの中はどうなってるのか知りたいな?教えてよ」

どうなっているかは想像がつく。

「それは…知りません」

「強情だなぁ…じゃあさ、パンティの上からでいいからローターを当ててみてよ」

「そっ、それは…」

「亜紀に…「分かりましたっ」」

少しやけになって言われた通りにした。

「当てましたけど?」

「ふふ、スイッチを入れるんだ」

『ゴクリ』

俺は唾を飲み込む。さっきの胸に当てただけであれだけの快感がきたのだから、股間に当てたらどんな快感が与えられるのか…。

胸を高鳴らせて俺はスイッチを入れた。

「ひっ、ぅっんんっ」

パンティの上からなのにこれまでに味わったことのない感覚が体を襲う。

「やっ、あんっ、これっ、すごっ…んぁああっ」

「ね?どんな感じ?」

「ああっ、すごいっ、なんなのこれっ?振動が奥に響いてくるぅっ」

目の前をパチパチと火花が散る。

「あっ、やっ、なっ、こんなのっ、あっ、むりっ、だめっ、やっ、ああっ」

「ほらっ、もっと強く当てて」

キュッと当てるとその瞬間火花が燃え上がる炎となった。

「あっ、やっ、だめっ、くるっ、やっ、きちゃうっ、やっ、あっ、だめっ、だめだめだめっ、あっ」

白い光がどんどんと大きくなる。

「あっ、くっ、こんなのっ、らめっ、あっ、イクっ、イクよっ、やっ、イッちゃうっ、あっ、やっあっあっああああっ」