2周目 9月24日(金) 午後6時30分 島津政信
「美紗は浴衣も似合うなあ」
(うわっ、女将がいる前でっ)
「ちょっと、お…お父さん…酔ってるよね?」
「いやいや、やはり女の子だな。ピンク色の浴衣がよく映える」
「そうじゃなくて…」
「まあまあ、お父様の気持ちも分かりますよ。凄くお嬢様にお似合いですから」
(良かった…。疑われてはないみたいだ)
食事の時間が近づいてきたので、痴漢も俺も浴衣に着替えたところ、配膳に女将が来てくれた。
「ですが、ちょっとお顔が火照ってらっしゃいますね」
「えっ?」
ドキッとする。女将が来るほんの少し前まで隣の部屋で痴漢に体を弄ばれていたからだ。
食事の時間が近づいていることに気がついて慌てて換気をしたり、乱れた布団を直してみたが、女将に気づかれたかと思うと心臓が高鳴る。
「そうだわ、髪を上げてみてはいかがかしら?」
しかし、バレたわけでは無さそうだった。女将が席を立ち、俺の背後から髪を纏めてくれるのを痴漢が目を細めて見ている。
「はい、どうかしら?」
「あ…あの…ありがとうございます」
(真樹さんの時もそうだったけど、女の人に世話をされるのは何となく恥ずかしいな)
「ふむ、髪をあげると、なかなか色っぽいな…」
うなじに視線を感じて、それ以上言うな、という意味を込めて睨んだ。
痴漢は俺の視線にもどこ吹く風でのんびりお猪口を口に運ぶ。
「美紗、ここは飯も旨いんだ。遠慮せず食べなさい」
既に酒の肴につまんでいた痴漢の言葉に、俺も気分を変えようと目の前に並べられた懐石料理に箸を伸ばした。
「あっ、うんっ?…何これっ?美味しいっ」
「ありがとうございます。あら?お酒が…」
女将が痴漢のお猪口に酒を注いだ。
「そろそろこちらも焼けてきましたね」
囲炉裏に突き刺した川魚から香ばしい匂いが立ち上ってきた。
「前を失礼しますね」
女将が囲炉裏の中から魚の串を抜いて皿に載せてくれた。
(うわあ)
かぶりつくと身は柔らかく、生臭さも感じない。
「はふっ、はふっ、美味しいっ」
「ふふ。まだまだありますから、ごゆっくりどうぞ」
女将が徳利を俺の隣に置いていなくなったので、仕方なしに痴漢にお酌する。
女将がいなくなって何かされるかと思って警戒していたが、そんな素振りもなく、和やかに食事が終わった。
「はあ…食べ過ぎた…」
女将が戻ってきて片付けられると、囲炉裏の傍に置かれた日本酒の徳利だけになっていた。
「美紗、もっとこっちに寄るんだ」
「ん…?」
◇◇◇
9月24日(金) 午後7時50分 痴漢
(ふむ、少し酔ったか)
何の気なしに美紗を見ると、手を口に当てて小さく欠伸をしていた。
崩した膝が浴衣の裾を割って、浴衣の隙間から太股の内側がチラッと見えた。
(これはなかなか…)
ムクムクと欲情が沸き上がってきた。
「美紗、もっとこっちに寄るんだ」
美紗は何も疑わず隣に来る。
(時折見せるこの無防備さが堪らんな)
お猪口を横に置くと、浴衣の前に手を入れた。美紗の体がビクッと反応する。
「むっ?下着なんてつけてるのか?」
「えっ?」
「和装は下着無しが基本だぞ?」
そう言いながら裾も割って手を入れると柔らかい布の感触が指先に伝わってきた。
「あぅっ」
「むっ、こっちもか…悪い娘にはお仕置きが必要だな」
ぐいっと一息に酒をあおって私が立ち上がるのを見上げる美紗。どうやら突然すぎる流れに美紗はついてこれていないようだ。
「え?ええ?」
「こっちに来いっ」
呆気に取られている美紗の腕を掴んで立ち上がらせる。
「え?あっ、ちょっと…」
そのまま引きずるようにして隣の部屋に向かうと、美紗を布団の上に立たせて、両腕を万歳させた。
「わっ、どっ、どういう…えっ、ちょっ、なにっ?」
『シュルシュル』
空いている手で浴衣の帯を抜く。
「だっ…から、やめろって…ちょっ、何するんだっ?」
キュッと手首を帯で結んだ。
「ちょっ、んんっ」
美紗が手首を回すようにしてもがく。
「わわっ、今度は何を…って…じっ、冗談…?」
いくら暴れても外れない事を確認して、今度は私の帯を抜いて美紗の後ろにまわると、目を覆った。
「何なんだよっ?」
「よし」
美紗の肩を押さえて座らせ、そのまま仰向けに布団に横たえた。
「な…、何するつもりだよ、変態っ」
美紗が何とかして逃げようと体をよじる度に浴衣の前が開いていく。
拘束されていない足を激しく動かすものだから、浴衣の前が大きく開いて、揃いのレースの下着と雪のように白い肌が月明かりに輝いた。
「くっ、早く外せよっ」
体をくねらせ続けた美紗に疲れが出始める。だが、美紗は荒い息を吐きながらも、まだ強気な口調を崩さない。
「はあ、はあ…この変態…」
(こういうのも悪くないな)
私は自然と頬が緩む。
「ふふふ、変態…か?」
鞄から幾つか道具を出すとその中から新品のローターを出した。
『ヴゥゥゥン』
スイッチを持って、電源を入れると、美紗の白い肌に近づけた。
「そっ、それはっ」
これまでに使ったこともあるので、私の出したものが何なのかを瞬時に理解したようだ。
布団の上で内股気味に膝を曲げて股間を守ろうとした。
私はローターのスイッチを持って、コードから先を垂らす。釣りをするように震えるローターをヘソの上に垂らすと、触れるか触れないくらいで動かした。
『ヴヴヴ、ヴヴヴ、ヴヴヴ』
「えっ?そこ?…ちょっ、くくくっ、それっ、くすぐったい」
美紗が薄い腹をねじって笑う。
『ヴヴヴ、ヴヴヴ、ヴヴヴ』
「ぷっ、くくっ、全然気持ちよくないって…って、聞いてるのかよ?」
私は美紗を無視して続けた。
『ヴヴヴ、ヴヴヴ、ヴヴヴ』
「ちょっ、だからぁっ、それっ、気持ちよくないってぇ」
美紗は拒否の言葉を口にするものの、馬鹿正直に腕を上げたままだ。
(腕は下ろすことも出来るのにな。フフフ)
「すぐに気持ちよくなるさ」
「そんな…くすぐったいだけ…んっ」
私の言葉の方が正しかった事はすぐに証明された。美紗の声のトーンが変わり始める。
「あっ、ふっ、ぅん…」
先程までのくすぐったいだけの声の中に甘い女の声が混ざり始めた。
「そら?言った通りだっただろ?」
「んっ、ちっ、ちがっ…感じてなんて、はっ、ぁんっ」
「ん?今の声は?」
「違うからぁっ、ぁっ」
「フフ、お前が認めるまでやめんからな」
私の宣告に美紗の体がビクンッと震えた。
『ヴヴヴヴヴヴ、ヴヴヴヴ…』
「うんっ、んっ、はぁ…はぁ…」
美紗は声を我慢しているつもりかもしれないが、太股を擦り合わせるように動いて感じていることをハッキリと私に伝えてくる。
『ヴヴヴヴヴヴ』
「うぅん…ん…ん…はぁ…はぁ…ん…」
『ヴヴヴヴヴヴ』
「…はぁっ、くぅ…ぁっ、はぁっ、んぁっ、はぁっ…」
『ヴヴヴヴヴヴ』
「はぁっ…ぁ…んぁ…ぁ…ぁっ…、んっ、はぁぁっ」
『ヴヴヴヴヴヴ、ヴヴヴヴヴヴ…』
「あっ、はぅぅっ、やっ、んあっ、はぁ、はぁっ、ぁっ、あぁぁ…もっ、そこばっかり…」
「なら、どこに欲しいのか言うんだ」
意地悪く聞いてやると美紗は知ってるくせに、と呟いた。
「言わないとずっとこのままだぞ?」
「分かった。分かったから…その…」
美紗の顔が赤くなる。
「お…こに…」
小さな声が静かな部屋に響いた。
「聞こえんな」
「くっ…」
美紗が悔しそうに唇を噛む。
「おっ、まんこに…もぅ…もお、いいだろ?」
「ふーむ、どうしたもんかな」
「言ったじゃないか、約束が違うっ」
「どうもその気にならんのだ。やはり言葉遣いのせいかな?」
それだけ言って再びローターを弄る。
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