14周目 9月26日(日) 午前10時00分 小曽根敦
昨日に引き続き、今日も俺は武道館に詰めている。
その理由は、このオッサンだ。
「おはよーさん」
ニタニタと汚い歯をむき出しにして笑うこの男を見て教員だと思う人間は世間にどれくらいいるだろう。
「全くオッサンもくだらねえこと思いつくもんだぜ」
「とかなんとか言いつつ、売れそやと思ったんやろ?ええやないか」
カメラマンが二人、固定カメラや音声を録るためのマイクなども準備されている。
この御膳立てをしたのはもちろん俺だ。本当の保険医は午後からの出勤だと思い込んでいる。
これだけ大がかりになると、様々な方面に協力を求める必要があった。だが、その見返りもかなりのものになる。得られるもの(カネ)もでかい。
「はあ、始めるか…」
カメラマンが準備できたと伝えてきたので俺は立ち上がった。
◆◇◇◆
シーン1 診察室でのひと幕
白いリノリウムの床、白い壁、カーテンに仕切られた部屋で筋肉質な男の胸に聴診器を当てる女医、そしてその横に立って様子を見守るナース。
二人とも驚くほど整ってた顔をしており、診察室に入った男はその場で二人に見惚れてしまって声をかけられたのにも気づかなかったくらいだ。
「はい、背中を向いてください」
言われた通りに背中を向けて服を上げようとする男。だが、広い背中と密着した服のせいでてこずってしまった。
「ほら、あなたも手伝って」
「はっ、はいっ」
女医の強い言葉に慌てて年若いナースも手伝いに入る。
「ごめんなさいね、気が利かなくて。この子まだまだ新人なの」
そういう女医も十分すぎるほど若い。まだ研修医と言った方が納得できるくらいだ。白衣の下にはフリルのついたブラウスと黒のミニのタイトスカート。ムッチリとした太腿は黒いストッキングで男を誘う。
「いえ」
男は言葉少なに返事をした。
「はい、いいわよ。じゃあこっち向いて口をアーンして」
「アー」
顔のすぐ近くに女医の顔が迫って、甘い匂いが男の鼻をくすぐる。大きく開いたブラウスから覗く深い谷間に嫌でも男の目が引き寄せられる。
「はい、いいですよ」
女医は男の劣情に気づいていないのか、あるいは知らない振りをしているのか、あっさり離れると机の上でカルテになにやら書き込んでいった。
「ちょっと喉が腫れていますので、お薬出しときますね…あら?あなた、どうしたの?」
男も振り返って見れば、若いナースが顔を赤くしてモジモジと立っていた。
「あっ…」
その瞬間ビクッと体を震わせ、スカートを握りしめたまま前のめりになる。顔は真っ赤になっていて明らかに体調がおかしそうに男には思われた。
「大丈夫ですか?」「はい、お薬でそれでは腫れが治らないようでしたらまた来てくださいね」
女医の言葉は、立ち上がろうと腰を浮かせた男を制した。そして男は追いたてられるように診察室から出されてしまった。
◇◇
「エエ演技やったで。モニターで見とったけど、美紗もエラい感じとったわ」
医務室を出た俺を権田がサムズアップで出迎えた。
「…何で俺までこんな猿芝居に…」
そう溜め息をついていると医務室の扉が小さく開いた。ハイヒールと黒のストッキングに包まれた綺麗な脚が隙間から突き出された。
「ふふっ、どう?」
アズサはタイトスカートにブラウス、さらにその上、どこで見つけたのか、白衣を着て金縁の伊達眼鏡までかける気合いの入りようだ。
「アズサちゃん、似おとるなあ、ワシもこんなエッチなセンセやったら入院でも何でもするわ」
「うふふっ、ありがと。でも権ちゃんに言われてもなー、あれっ?オーナー、どうしたの?」
(いつの間にこいつら仲良くなったんだ?)
笑顔で会話をする二人を見て俺は溜め息をついた。
「あの…」
アズサと権田が大声で話す後ろからそっと出てきたのはナース服姿のミサだ。こちらはピンクのナース服に白のストッキング。
前屈みになればスカートの中身が見えてしまうほどのスカート丈だった。
「おほっ、モニターで見るんと生は全然ちゃうなあ」「ほんと、演技なんて無視して食べたくなっちゃうっ」
権田とアズサの目の色が変わる。そして二人が入念な演技指導を美紗にするのを横目で見ながら俺はカメラマンに指示を出すのだった。
◆◇◇◆
シーン2 女医に弄ばれるナース
男が出ていくのを見送った女医はおもむろに立ち上がった。
「高樹さん、ちょっとこっちへいらっしゃい」
女医に呼ばれたナースはひどい内股で、歩み寄ろうとしてそのまましゃがみこんだ。
「せっ、せんせい…と…とめてぇ」
だが、その言葉に女医は微笑む。
「何の事かしら?」
椅子から立ち上がってナースのそばまで行くと、女医はそのあごに指を当てて持ち上げる。無理に上を向かされた黒目がちな瞳は既に潤んでいた。
「うふふふ、何の事だか分からないわね」
女医は唇が今にも触れそうな距離で囁く。
「ぁ…ん…」
女医の唇が近づいてきてナースの瞳が震えながら閉じそうになった。
「ほらっ、立って」
だが、それを女医は許さなかった。スッと立ち上がるとナースを見下ろす。命じられたナースは膝を震わせながら立ち上がった。
「何をどうして欲しいのか、分かるように説明してくれる?」
「ぁ…」
ナースは俯くが、サアッと耳の先まで真っ赤に染まる。
「ほら、早くしなさい。それともその姿、次の患者さんに見てもらいたいのかしら?」
ナースは必死で首を振ったものの、少し逡巡し、それからゆっくりとスカートの裾を持ち上げた。
スカートに隠されていたのは白のガーターストッキングにレースのショーツ。その隙間からはコードが出ていた。
「あの…この…ローターをとめて…ください。立っていられないんですぅ…」
舌足らずな話し方がますます女医の庇護欲と嗜虐心を煽る。だが、ナースの方も潤んだ瞳は何も辛いからというわけではない。今も小さな振動がこの若いナースのカラダを疼かせているのだった。
「うふふ、下のお口は喜んでるみたいだけど…。これはご褒美じゃなくて罰なのに。全く、スケベな子ね」
「あぁ…ゆるして…昨日のは話しかけられただけでっ…知らない人だったんですぅ」
女医はショーツのクロッチをなぞる。
「ふーん、知らない人ねえ。それにしては嬉しそうに笑ってたじゃないの」
女医の手にはいつの間にかローターのスイッチが握られていた。そうしてナースに見えるように手の中でリモコンを弄ぶ。
「そんな、ちがっ、やっ、ぁっっんんんっ♡」
「あら、ゴメンなさい、スイッチが入っちゃったわ」
わざとらしく嘯く女医の前でナースの膝が折れる。
「せっ、せんせっ、とめ「次の方、どおぞぉ」」
ナースの必死の訴えもむなしく、無情な声が診察室に響いた。
◇◇
「おっ、ワシの番やな。行ってくるわ」
ウキウキと権田がハイタッチを求めてきたので、俺は力なくそれに応じた。
それからヘッドフォンをつけるとモニターに向かった。
◆◇◇◆
シーン3 女医とナースの禁断の関係を見つめる中年男
次の患者は太った中年の男。
「えっと、権田さんは…精子の検査ということですが…」
「ええ…そうなんやけど…」
若い女医の前で中年男は少し臆したように頷いた。
「いや、実は再婚を考えてまして。でも前の嫁はんとも子供でけへんかったからその前に調べとこかと…」
「分かりました。では、さっそく精子を採取しますのでこちらへどうぞ」
ナースがカーテンを開けて、その中のベッドに中年男は座らされた。
「説明させていただきます」
まだ幼さの残る美少女が中年男の前に立つ。そして、ちょっと恥ずかしそうな顔でプラスチック製の入れ物を手渡した。
「ここに、その…せいっ、んっ、せっ、精子をここに出していただきます。終わりましたら、ぁっ……蓋をして呼んで下さい」
「分かりました」
カーテンが閉められると男はスラックスを脱いでパンツも下ろす。だが、カーテンの向こうから聞こえた小さな声に動きを止めた。
「せんっ、せぇ…だめぇ…♡」
チンコがその声に反応して半勃起する。頭の中では先程の真っ赤になって『精子』と言い直すナースの姿が浮かんだ。
「あっ、こんなところじゃ…ん…患者さんに、聞かれちゃうぅ…」
この声は先ほどのナースの声。男は気配を殺して静かに座り直す。
「そんなこと言って、あなたの方が我慢できないんでしょ?さっきだって患者さんの後ろであなた、何してたの?」
「んっ、そんな…さっきも先生が動かすからっ、んっ♡んんっぁっ…♡」
「うふふ、可愛い子ね。さあ、舌を出して」
そして今度はナースと女医のあられもない会話にくぐもった声が加わる。
「んっ♡んんんんっ♡ちゅ、あっ、はぁ…はぁ…」
「ふふ、これはご褒美よ」
「ふぁっ、あっ、抜けちゃっ、あっ♡んんんっ♡」
ヴーヴーとバイブ音がカーテンの中まで聞こえて男は思わず立ち上がった。
「あらぁ?抜いちゃダメだったかしら?じゃあ、今度はお豆さんを可愛がってあげる、うふふ」
「きゃっ、はうぅっ♡♡そんなとこ当てちゃっ、あっ、こえっ、あっ、やぁぁっ♡」
かすかに聞こえるバイブ音とナースの声から、男には何をしているのかがはっきり分かった。男の股間はナースの可愛らしい喘ぎ声にムクムクと体積を増していく。
「ここが好きなのよねぇ?ほらぁ、もうぐちょぐちょじゃない。欲しいんでしょ?」
「やっ、こえっ、がまんできないぃっ、だめぇっ♡きこえちゃうからぁ♡♡」
声を殺しているつもりかもしれないが、全部聞こえている。男はそっとカーテンに近づいて隙間を作った。
「んっ、あっ、きもちいっ♡せんせっ♡せんせぇっ♡♡」
果たしてそこには、先ほどの女医にローターで攻められるナースの姿があった。
ナースを後ろから抱き締めている女医は余裕たっぷりに微笑んでいる。その一方で抱き締められている方は顔を真っ赤に染め、辛そうだ。
そして、その原因はナースのスカートの中に入っている腕。
「あっ♡♡んはぁっ♡♡」
惚けた表情は一段とあどけなさを際立たせ、中年男はその幼い色気に呑まれて息を飲んだ。
「うふふ」
女医が顔を近づけていく。
「んちゅっ♡♡」
振り向くようにして顔を上げた若いナースは唇を合わせた。そして求められるままに舌を出して必死にそれを受け入れる。男の目には二人の唇の間に粘液に光る舌が絡み合うのが見えた。
「ふんっ、ふんっ」
男は自分の鼻息が荒くなっていることに気づいてはいた。だが、美しい二人の女性の背徳的な行為から目を離すことはできなかった。
「んんっ、んんんっ♡ふはぁっ♡あっ、んんっ♡♡」
男はいつの間にか自分のモノを扱いていた。さっそく先走り液が溢れ出て摩擦音に粘着質な音が加わる。
「うふふふ…」
その時、ふと女医の方を見た男は血の気が引いた。
女医の目が完全に男を向いていたのだ。気のせいではない。完全に目が合っている。かといって今さら目をそらすわけにもいかず、男は息を止めて固まるしかなかった。
悲鳴をあげられるか、それとも叱られて追い出されるか、どちらにせよもうこの病院には来れないだろう。そう思ってチンコも萎えかけたのだが、そのどちらも起こらなかった。
むしろ、男と目が合っても何事もなかったように続ける女医の目が三日月の形に細められた。
「うふふ」
女医の手がナースのスカートに伸びてそのまま上へとたくしあげていく。男の方は、と言うといまだ蛇に睨まれた蛙のように動けずにいた。扱いていた手も止まったままだ。
いや、目だけは爛々と輝いて露になっていくスカートの中に注がれている。
「あっ、やぁ♡んっちゅっ♡んんっ、ふぅんんっ♡♡」
ナースの方はというと、男に見られているとは夢にも思っていないようだが、処置室で辱しめられるという非日常的な状況からか恥ずかしそうにスカートをおさえようとした。
だが、結局は女医に押しきられてスカートが完全に持ち上げられてしまった。
「ふんっ、ふんっ」
男の鼻息は再び荒くなっていた。
男の目に映っているのは色こそ清純な白だが、肌が透けて見えるレースのショーツ。それだけでなく、ストッキングはガーターベルトで吊っていた。
清純そのものの若いナースと、男の欲情を煽るエッチな下着の組み合わせに男の股間はさらに膨らむ。
もちろん男の手淫はますます速くなり、それを見る女医もまた昂っていった。
「らめぇっんっ♡んんんっ♡♡」
可愛い抗議を唇で黙らせ、女医はナース服のジッパーを下ろして、男に見えるように胸元を広げた。そして、そのまま白いレースのブラジャーごと手で包み込むようにして柔らかい胸を揉む。
「ぁ…♡んっ♡♡」
甘えるような顔で女医を見上げるナース。足がモジモジとしていることから、そろそろ限界なのかもしれない。だが、その時突然ひらめいたように女医がナースのジッパーを上げた。
「そうだわ、高樹さん、あなた採精の経験がないわよね」
「ふえ?」
突然の想像もしていなかった展開にナースも男も意味が分からず女医の顔を見た。
「ちょうどいいから権田さんに協力してもらいましょう。ねっ、いいでしょう?」
「……ぁっ、せんせっ、それは…」
二人が男のいるカーテンに近づいてきたので男は慌ててベッドに座った。
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