11周目 9月22日(水) 午後9時00分 島津政信

11周目 9月22日(水) 午後9時00分 島津政信

『ポタッ……ポタッ…』

「ん?」

歩き始めて数分後、ゴロゴロと遠くで雷が鳴って、急いで歩いていると大粒の雨粒が頬に当たった。

(ヤバイな、急がないと)

そう思うが、時既に遅く、あっという間に雨は激しくなった。

(マズイっ…これは無理だっ)

そう思って俺は道の脇にある既に閉まった店のシャッターの前で雨宿りをすることにした。

「ああ…」

髪からポタポタ雫が落ち、着ていた制服のブラウスも肌にへばりついて気持ち悪い。

しばらく待つが雨が止む気配もない。
それどころか雨の勢いはさらに激しくなっていく。

(どうする?諦めて走るか?)

待っているのにも飽きてきたところで、『ブッ、ブーッ』と車のクラクションが鳴った。
なんだろうと思って車道に目を向けると、ライトがパパッと数回光った。

しばらくすると車のドアの開閉する音がして、傘をさした人がこちらに向かって走ってきた。

(んん?あっ)

「美紗ちゃんっ、大丈夫かい?」

手を振って走ってきた店長は傘をさしているにも関わらず、Tシャツは色が変わっている。

「店長?」

「すぐに雨が降ってきたから戻ってくるかなあって思って店で待ってたんだけど、なかなか戻ってこないからさ。さ、送っていくよ」

傘を差しかけてくれて、車に案内された俺は渡されたタオルで濡れた髪の毛を拭く。

「うわあ、すごい濡れたなあ、美紗ちゃんは大丈…」

そう言いかけた店長の目が泳いでいた。

(?)

下を向くと、ブラウスがビチョビチョに濡れてピンクの下着が透けて丸見えになっていた。

「あっ」

(しまった…暑かったから…)

まだまだ日中暑いことから、俺はブラウスの下には何も着ていなかったのを今さら後悔した。

慌てて胸の前を手で隠す。

『ドドーンッ』

その時、近くで雷鳴が轟いて車の中が一瞬明るくなった。そのせいだろうか、店長の目が光った気がした。

そのまま車の中は微妙な空気が流れていたけど、「じゃあ行こうか」と店長が気分を変えるように言って車を発進させた。

車の中では先ほどのこともあり、お互いに気まずくて口数が少ないまま時間が過ぎる。

「あっ、この先の家です」

車が家の近くに到着した。

「あっ、あの、今日はすみませんでした」

俺が今日のことをもう一度謝ろうと店長の方を見る。

店長はジッと俺を見ていた。

「何が?」

ちょっとかすれたような店長の声。

「えっと…バイトも失敗ばかりだったし、送ってもらったりして…」

「そうだね」

(えっ?)

「そんなことないよ」と言われると思っていた俺はちょっと驚く。

「いろいろ失敗もしたし、責任を取ってもらおうかな」

そう言うといつの間にシートベルトを外したのか、店長が顔を近づけてくる。

「えっ?ちょっ…」

近づいて来る顔から逃げようとしたが、シートベルトが邪魔をして上手く動けずにいる間に、押さえ込まれた。

「店ちょっ」

俺は店長から逃げるように首を曲げて店長の胸を押した。

「なっ、なっ、何するんですかっ?」

(うわあっ…うわあっ)

内心の動揺を悟られないように顔を背けた。

「だから、責任を取ってもらうんだよ」

店長の目はもはやナヨナヨした男の目ではない。獲物を前にした獣の目になっていた。

大きな手が俺の背けた顔を前に向ける。

俺は逃げようとしたが、店長に押さえ込まれて息がかかるほどの距離で見つめられた。

「だっ、だめですっ、周りから見えるっ」

「大丈夫だよ。この雨で音も外には聞こえないさ」

チラッと前を見ると、確かにワイパーを止めたフロントガラスは大粒の雨で川のように水が流れて全く外の様子は分からない。

横の窓から外を見ても夜の闇に加えて雨で煙っているせいか車の外がどうなっているのかは見えない。つまり中で何をしていても外からは分からないだろう。

「でもっ」

「亜紀からは、彼氏と別れたって聞いてるよ」

(亜紀…、そうだっ、こいつ、葛城の彼氏だろっ?こんなことしたら、高樹と葛城が…)

「…だめっ、亜紀がっ」

「大丈夫、黙っていれば分からないさ」

そして、再び唇が近づいてきた。俺は顔を横に向けて拒絶する。

「そっ、そう言う問題じゃっ」

(葛城に悪いのはもちろんだけど、…それ以前に俺は男だっ。男にキスされるなんて真っ平だ)

必死で逃げようとしていると、ようやく店長が俺の頬に当てていた手を離した。

(諦めてくれた…)

内心ホッとしたその時、ゾワゾワとした感覚に鳥肌が立った。

「ひっ」

それが耳を舐められているせいだと気づいたものの、これで顔を正面に向けるのは店長の思惑に乗っかってしまうことになる。

「うっ、やめっ、あっ」

耳の中に入ってくるヌルヌルとした温かい舌の感触。

「あっ、いっ、やっ、てんちょっ」

動揺し続けている間に、今度は胸に手が当たる感触がした。俺の頭の中で危険信号が鳴る。

「そこはっ」

拒否しようとした瞬間、耳に舌が入ってきた。

『んちゅぅぅぅっ』

「ふぁぁっ」

『ちゅぱっ、ちゅるっ…にゅちゅっ…』

耳の奥に直接響く水音。その大きな音に紛れるようにして胸が撫でられる。

「んあっ…ふっんんっ…ふはぁっ」

頭がぼんやりしてくる。目の前の店長の顔もぼんやりとしてきた。

(なんだ…これ…)

『ガクンッ』

「うわっ」

体が後ろに倒れる。

いつの間にか唇を離していた店長がリクライニングを倒したらしい。

『シュルッ』

同時にシートベルトが取られた。

(あっ…)

今なら逃げられると心の片隅で声がする。だけど、不思議なことに体が言うことを聞かない。

(このままじゃ…)

さすがに俺にも自分が今どんな状況かは分かる。

「だ…だめ…です」

「だめじゃないさ」

助手席に押し倒された俺に店長がのしかかる。

ブラウスのボタンが外されてピンクのブラジャーがあらわになった。

「店長…亜紀に…」

俺はもう一度亜紀の名前を出した。これで店長が思いとどまってくれたら、祈るような気持ちで店長を見つめた。

「店長じゃない…ふたりの時は名前で呼ぶんだ」

俺の祈りもむなしく店長には俺の言葉は全く届かなかった。

「ぁっ」

ブラジャーのホックが外されて、押さえつけられていた圧迫感が消えた。

「美紗のおっぱいは綺麗で大きい上に柔らかいな」

(美紗?)

さっきまで美紗ちゃんだったのに、呼び捨てになっていた。

だけど、そんなことを気にしている暇を店長は与えてくれなかった。流れるような動きでむにゅむにゅと両手で揉まれて、先を搾るようにして乳首をしゃぶられる。

「んぁっ」

俺は慌てて口を押さえた。

(なんだ…変な声がっ)

「可愛い声だね。もっと聞かせてくれるかい?」

そう言って店長が俺の乳首を甘噛みする。

「んんんっ」

俺は口に手を当てて声を抑える。

そんな俺の姿に店長は手を太ももに這わせた。

「そんな態度を取るなら意地でも声を出させてやるよ」

「ふぁぁあんっ」

パンツの隙間から急に指が入ってきて、俺の耳にこれまで聞いたことのない甘い声が響く。

「そうそう、その声が聞きたいんだ」

「だっ、だめだってっ、亜紀が、亜紀にっ、きゃぁんっ」

必死で逃げようとする俺の乳首が吸われて股間に指が入ってきた。

『ぬちゅっ』

熱く濡れた俺の股間は簡単に指の侵入を許す。

「親友の彼氏に触られてこんなに濡らすなんて…美紗はエッチだな」

「ち、がうっ…店長のっ、きゃんっ」

また話している最中に店長が乳首をつねった。

「店長?」

「しっ、真也さんのせい…」

「人のせいにするのは良くないな」

「ああっ、かき混ぜるのは、ぁぁああああっ」

股間の指が俺の中をかき混ぜる。

「あっ、あっ、あっ、なにっ、これっ」

俺の体が一瞬ふわっと浮くような、不思議な感覚にとらわれる。

「イキそうなのかい?」

(イク?男の俺が、男にイカされるなんて…いやだっ)

「そっ、そんなことないっ」

「じゃあ試してみよう」

そう言うと店長の指がさらに激しさを増した。

『ジュポッ、ジュポッ、ジュクッ、ジュコジュコジュコジュコ…』

激しい指の動きに俺の瞼の裏で激しく光が点滅する。

「だめぇっ、おかしくなるぅっ、やめてぇっ」

店長の指が膣壁を擦り上げると思わず声が出た。

「美紗はここがいいんだな」

指を曲げた店長が上の方を重点的に弄り始めた。

「ふぁっ、ぁぁあああっ、そこはっ」

「ここかい?」

そう言ってさらに激しく弄る。

「ああんっ…あっ、ダメダメダメッ」

「イクのか?」

俺はウンウンと頷く。

「イクっ、イキそう、あああっ」

ふっと手が止まった。

(あ…やめてくれたのか…?)

安心したところで再び指が動き始めた。

今度は同時に胸を唇で愛撫される。唇が、ビンビンに尖った乳首の周りをこする。

さっきはあんなに激しく乳首を攻めてきたのに一転して今度はもどかしいくらいに動かない。

「ん…」

「欲しいのかな?」

俺はそう言われ、無意識に胸をそらしていたことを知った。

「ちっ、ちがっ、ふぅんんっ」

店長の息がかかってまた変な声が出てしまう。

「ふふ」

そして、ついに唇が乳首を挟んだ。

(ああ…噛まれるのか…?)

俺は声が我慢できないほどの快感を覚悟したが唇はそれ以上動かない。

(…どういうことなんだ…?)

乳首に意識が集中している俺を嘲笑うかのように不意打ちで指が激しく動き始めた。

「はんっ、ああっ、あっ」

(くるっ、何かが…)

そう思ったところで再び指が止まった。

「な…なんで?」

「ん?」

店長はまだ俺の乳首を咥えたままこちらを見上げる。

そして『クッ』と歯に力が加えられると同時に俺の体に電流が走った。

「んああああああっ、イッ」

イキそうになったのに店長はまた動きを止めた。

(も…う…)

「てっ、真也さん…もう、許して…ください」

「何が?」

『チュポッ』

指が浅いところを擦る。

「あんっ…もう…」

俺の腰が指をもっと深くまで入れて欲しいようにクネクネと揺れた。

店長の顔がニヤニヤと笑っている。

「さあ、何が欲しいか言ってごらん」

(ああ…欲しい…)

「真也さん、あの…イカせてください」

「うん、まあ今日はこれくらいでいいかな」

そう言うと指が2本になって激しく出し入れが始まった。

1本の指が曲げられて浅い壁を、もう1本が奥を擦る。

『ジュコジュコジュコジュコ』

「あっ、あっ、あっ、だめだめだめだめっ、いくっ、イクイクイクイクッ、あっ、ああああっ」

俺は頭を仰け反らせて生まれて初めての女としての絶頂に達した。

「はぁはぁ…」

ぼんやりとした頭で覆いかぶさる店長に目を向ける。

顔が近づいてきた。

(も…ダメだ…唇が…)

それでも俺は絶頂の余韻で脱力した体を叱咤した。

「ふぅん、そんなにキスは嫌なんだ」

僅かに顔を逸らせた俺を見てなぜか笑った店長はあっさりと離れてくれた。

「まあいい。ここじゃ、ゆっくり愛し合えないし…そうだ、明日も亜紀の代わりに美紗がバイトに来てくれないか?」

「…ぇ?」

店長は唇同士の触れる距離で囁く。

「たしか亜紀が今週は忙しそうだったからさ…いいだろ?」

強引な誘い、だけど、俺の頭はぼんやりとしたままだった。

「じゃあ、明日も今日と同じ時間で頼むね」

「は…はぃ」

そう言うと店長は一旦車から降りると助手席のドアを開けて俺を抱き上げ、玄関まで運んでくれた。

いつの間に止んだのか、雨は上がって、空には星が瞬いていた。

2件のコメント

新章追加ありがとうございます!
そろそろ後半っぽい感じですね。
いくつかダイジェスト形式でエピソードがありそうなので楽しみです!
また10周目の最後も改めて読ませて頂きました。
1番最初の時よりも、いちゃいちゃ具合が上がっていてより興奮しましたw

> 新章追加ありがとうございます!
> そろそろ後半っぽい感じですね。
> いくつかダイジェスト形式でエピソードがありそうなので楽しみです!
>
> また10周目の最後も改めて読ませて頂きました。
> 1番最初の時よりも、いちゃいちゃ具合が上がっていてより興奮しましたw
コメントありがとうございます。
後半に入りました!!
まるこめさんのおっしゃる通り、ダイジェスト形式で、と思っていたんですが意外にどんどん膨れ上がってダイジェスト以上になりそうです…。
10週目の最後はやっぱり自分的にはまだまだ内容的に薄さは否めませんが、気に入っていただけて嬉しいです。

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