8.お盆休み① お姉ちゃん襲来(⑱禁描写無し)
合宿では色々あって、隆からは責任を取らせてほしい、などと言われましたが、僕があれは夢だったということにして無かったことに。
隆はちょっと不可解そうな顔をしていたけど。
もうすぐお盆です。
あれから隆は剣道部で今までと同様活躍している。お盆前の試合では優勝したらしい。
和也は由依ちゃんなる彼女と仲直りしてラブラブだとか…。
さて、あの合宿の日から1週間、僕の身体は特に問題なかったはずなのに…。
「うわあっ!!」
ある朝起きたらまた女の子になっていました…。
幸い両親はお盆で親戚の家にお泊り、自分一人だったため家族にバレることはなかったのだけど。
…どうしよう……
……動物園の熊のように部屋の中をぐるぐる回る、回る、回る
待てよ…家族が帰ってくるまで5日はある。
しばらくのんびり待ってみよう。
前回は一晩経ったら治ってたしね。
大丈夫、きっと明日には戻ってるはずだから。
で、翌朝。
見下ろすと、Tシャツを盛り上げる山が二つ。
……戻ってないし………。
ベッドの上で身体を眺めてがっかりする。
『ピーンポーン』
んー、今は…7時かぁ…こんな朝から誰だろ?
僕はまだパジャマだけど、ゆるゆるだから体のラインも見えないし…そう思ってドアを開けた。
玄関先で僕の体はドアを開けた体勢のまま固まっていた。
どうしてかと言うと、ドアを開けたら目の前に絵に描いたような美女が立っていたから。

髪はロングでちょっとウェーブがかかってて、目鼻立ちはくっきり、ちょっと切れ長の目がクールだ。
身長は175くらいかな??
ジーパンにTシャツという格好なのに、それがかっこいいと素直に思う。
思わずぼおっと見とれていたら。
「おはよっ!遊君!」
ってこんな美人さんと僕お知り合いだっけ?
「えっ?あの?」
「でも遊君、可愛くなったわねぇ。」
「へっ?あっ、ありがとうございま…す?」
やたら親しげに話しかけてくるけど…えっと…?
「まさか…遊君、お姉ちゃんの顔忘れちゃったの?」
そこでハッと気がついた。
「もしかして美鈴お姉ちゃん?」
「そうよっ!まさかあーんなにかわいがってた弟みたいな遊君に忘れられちゃってるなんて…お姉ちゃん悲しい…シクシク」
「口でシクシク言わなくても…」
「シクシク」
ジトーっとこちらを見てシクシク言い続ける美女。
どっ、どうしよっ?
「ゴメンゴメンっ、だって美鈴お姉ちゃんに最後に会ったの僕が中ニの時じゃない?」
そう、この人は山田美鈴(ヤマダミスズ)、隆のお姉さんだ。
僕らより3歳年上で幼い頃からよく遊んでもらった覚えがある。
「私はずーっと覚えてたわよ、でもあんなに女の子みたいにかわいかった弟がまさかこんなに想定どおりかわいく育つなんて…ね…」
なんか最後目が光ったように見えたけど、気のせいだよね…。
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