10周目 9月26日(日) 午後3時55分 門田

10周目 9月26日(日) 午後3時55分 門田

『門やん、久しぶりやな。楽しんでや』

アナウンスが流れた。このバスの運転手も俺とは同郷で、お互いに顔見知りだ。

『このバスは終点まで停まりません』

おどけたようにそう続けてバスは走り出した。

「門やん、そんなとこおらんとこっち来いや」

男の汗と加齢臭まみれの空気に顔をひきつらせて俺は権田さんを見る。

「ごっ、権田さん?こ、これは、いったい…?」

「いつもは電車の中やし、なかなか本番まではできひんやろ?せやから今日は貸切にしたんや」

そう、俺は童貞だが、極度の痴漢マニアなのだ。伝説の英雄、健さんのファンでその雄姿を見るべく乗った電車で権田さんと出会ったのだが…。

「ほれ、はよ来いや」

権田さんが手で指すのは最後尾の長い席の権田さんの隣…の隣?

せっかく呼んでくれたのだから席に座った。
だけど、俺は気が気でなかった。なぜなら、促されて座った席の横にはアイドル顔負けの美少女が座っていたからだ。

「えっと、あの、権田さん?」

「なんや?」

チラッと隣を盗み見ると、はだけた制服の隙間から淡いピンク色のブラジャーがかいま見えてドキッとする。

「えっと、そのぉ…」

俺の視線を読んだのか権田さんがようやく気がついてくれた。

「ああ、こっちはミサミサ言うてな、ワシの彼女や」

「へ?」

思わず変な声が出てしまった。

(今何て言った?彼女?)

言っちゃなんだが、権田さんは男の俺から見てもあまり相手をしたくないような容姿で、女の子からしたら話をするのも嫌なんじゃないだろうか。

「か…彼女さん…ですか?」

「せやでっ……んー?門やん、その顔は信じとらへんな?」

俺は権田さんに心が読まれてギクッとした。

「いっ、いや、そないなことは…ないですけど」

なんとか言い繕おうとしていると、権田さんがニタッと笑った。

「ええんや、せや、証拠見せたるさかい」

そう言うと権田さんは隣の美少女の肩を抱いて引き寄せる。

「タッちゃん…もぉ…しょうがないなぁ」

鈴の鳴るような声でそう言うと、少女は俺の方を流し見た。

『ドキン』

ほんの少し目があっただけ、それだけで俺の心臓の鼓動が何倍にもなる。こんなにときめいたんは中学の時以来かもしれない。

あれは野球部で泥まみれになってグランドを駆け回っていた夏の日だ。ふと見上げた校舎の窓際に立った知佳ちゃんと偶然目があった。そう、あの時以来だ。

(うわあああ、そうや、知佳ちゃんはエースで四番の神田と付き合ってたんやった…)

いらんことまで思い出してしまって落ち込む俺を現実に戻したのはやはり少女だった。

少女は伸びをするようにして権田さんにキスをした。

(えええっ、なんでや?)

知佳ちゃんと神田が付き合っていたと知った時の非ではない衝撃が俺を襲う。

唾でぬめった舌が絡み合っているのが二人の唇の隙間から見えた。少女も嫌がっている様子は全くない。目を閉じて、うっとりとした表情で自ら権田さんの首に手をまわしていた。

『ちゅ、ん…』

(あああ、俺もこんな子とキスがしてみたいなあ…ミサミサ…ミサちゃんっていうんかなぁ)

少女は権田さんが唇を離しても舌を出したまま余韻に浸っている。その横顔だけで…。

(せやけど、なんで権田さんなんや)

権田さんが憎い、羨ましい、そんな感情が体の中をぐるぐる回る。

「ひひ、門やんも納得してくれたやろ?」

「ああんっ、もお…がっつかなくても、みんな相手してあげるからぁ」

納得はできなかったけど、今度はバスの中央からエロい声が聞こえてきて意識がそっちに向かう。

「あっ、まだいれちゃダメっ、まずは手とお口で気持ちよくしたげっ、あっ、はいってきたぁっ」

「門やんは電車専門やったかいな?」

まるで声を気にする様子もなく、権田さんが世間話でもするように話しかけてきた。

「い、いいえ…だけど、あの…」

『んぐっ、パンっ、ちゅぱっ、パンっパンっ、じゅる…』

(何がどうなってるんや?)

「ひひ、健さんもおるんやで?」

「えっ?健さんも?」

「ほれ、…あそこに…」

ちょうど俺達から見えるように人垣が割れて、出来た隙間からショートカットの少女が正面に見える。

その腰を掴んで腰を打ちつけていたのは紛れもない伝説の痴漢師、健さんだった。

「ああっ、みさぁ、みちゃだめぇ」

「ほらっ、美紗にイクところを見られるんだっ」

「あっ、あっ、みっ、みしゃ、そんなぁっ、ぁっ、らめっ、みないれぇっ」

どうやら、少女は体を反り返らせてイッたようだった。

「あぁぁ…んあぁ、むぐ」

すかさず隣にいた男達が我先にと少女の手をとり、自分の股間に導く。

少女は年齢にそぐわない妖艶な顔でこっちを見つめながら、誘うようにチンコを両手でしごき始めた。

「たまらんっ、健さんっ、ワシも入れさせてくれっ」

禿げた男が図々しくも健さんに頼む。

(あれ?)

よく見ればその顔は見たことがある。

「あっ」

(いつの間にっ)

それは、今日、クレームを出してきた店長だった。

「そうだな…だけど、最初にするのが誰かはもう決まっているんだ」

ネチネチと偉そうに俺をいじめていた店長も健さんにそう言われると引き下がらざるを得ない。

(ざまあみろ。健さんの獲物をもらえるはずがないやろっ)

「門田くん、こっちへ」

「へ?」

「ほれ、門やん、呼ばれてんで」

権田さんに押されて俺は男たちの中に入っていった。チラッと店長を見ると、悔しそうな、それでいて同士を見る目をしていた。

「門田くん、君、今日が誕生日だそうじゃないか」

(そっ、そういえば…)

もう長い間祝ってくれる人もいないもんだから忘れていた。

「門田くん、誕生日おめでとう」

健さんが手を叩き始めるとすぐにバスの中は拍手でいっぱいになった。

「さあ、プレゼントだよ。もう準備は出来ている」

健さんが俺に場所を譲ってくれた。きゅっと引き締まったショートカットの少女の尻が揺れている。

(これは夢なんか…?)

俺は慌ててズボンとパンツを下ろすと少女の後ろに立った。

「は…はやくぅ」

『クチュ』

亀頭を合わせると柔らかい肉がまとわりついた。

「あぁ」

それだけでイキそうになった。

(いっ、入れてええねんな?)

と、その時、いきなり俺の息子が熱い肉に包み込まれた。

「あくっ」

少女が我慢できず尻を押しつけてきたのだった。

「おおっ」

思わず声が出てしまった。

(女の子ってこんな感じなんかっ)

オナホなんて目じゃない、トロトロの肉が俺を締めつける。

「ああ…もっと…きてぇ」

少女の言葉に力が湧いてくる。

『ジュブッ、ジュブッ』

何をどうしていいのかなど分からない。ただ、本能のままに腰を振った。

「あぁっ、きもちいいっ」

少女の声がさらに力をくれる。

『ジュブッ、ジュブッ…パンッ、パンッ』

「あっ、すごくいいっ、ぁっ、そんなっ」

はっきり言って俺は今にも射精しそうだ。

(でもっ、イクのはもったいないっ)

俺はただひたすら快感を求めて我慢し続けた。

『パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ』

「あんっ、ぁっ、やっ、いいっ、いぃよっ、きもちいいっ」

まだまだ続けたかった。だけど、終わりは来る。そして、その終わりこそが最高の快感だった。

「くっ、イキそうやっ」

「いっ、イクのっ?あきの中でイクのっ?」

「くぅっ、こっちもあかんっ」

いつの間にかアキの両手が男のチンコを握っていた。そして、その男達も射精に導かれようとしていた。

「くっ」

まだ我慢したい、もっとこの少女を味わいたい。俺は脳神経が焼ききれそうなほどの快感に耐えていた。

だけどそれも、もはや時間の問題。

「きてぇっ、なかにっ、あっ、あきの中をいっぱいにしてくださいぃぃっ」

その言葉が止めとなった。

「ぐっ、ダメだっ、いっ、くぅぅぅ」

我慢していたものが一気に吐き出される。出始めると止めることなど出来ようもない。

「きたぁっ、やっ、あっ、いぃぃぃっ」

アキが俺の射精で達した。男として、雄としての快感に俺はうち震える。

(ああ…)

「オレもっ、ううっ」

アキの顔にザーメンが飛び散った。

「ダメだっ、受け止めろっ」

さらにアキの顔がどろどろになる。

俺のチンコが抜けて、力の抜けたアキが座り込むと周りを男達が囲んだ。皆自分のチンコを握っている。

「イクぞっ、口を開けろっ」

アキは従順に男の声に従って口を開く。

『ビュッ、ビュッ』

アキの顔に、体に精液が飛ぶ。

◇◇◇

10周目 9月26日(日) 午後6時50分 門田

「ぁ…ぅ…」

アキとミサちゃんがバスの椅子に寝そべっている。意識も無いと思われる。何十発と精液を体に受け止めてその目は虚ろだった。

結局、アキとはあの後、三回セックスをして膣内に俺のザーメンを注ぎ込んだ。ミサちゃんは権田さんが離さなかったため挿入こそ出来なかったものの、口で一回、手で二回イカせてもらった。

俺も搾りだせるだけ出して、バスの席に深く座って放心状態だった。

(こんな誕生日初めてや…ありがとう、権田さん…)

「おっと、そろそろ巡回時間だっ」

集まっていた男達の一人はどうやら学園の守衛だったようで、そう言ってそそくさとバスを降りていき、それを合図に宴は終わった。