【旅立ちの決意 ifルート】旅立ちは遠く1

「おうっ、アオイじゃねぇか」

「おはよう、ディック」

僕は声でバレないようにわざと低めの声を出す。ディックは町長さんのお孫さんで、在校時からちょくちょく僕に絡んできて面倒な奴だった。

学校を卒業してからだから久しぶりに会ったけど、ニキビ面で脂ぎった顔は学校にいた頃と変わらない。とは言え、ディックも20歳になって体つきなんかはもう大人と変わらなくなっていた。

「爺ちゃんの見舞いに来てくれたんか?」

無視するわけにもいかず相手をするしかないんだけど、僕を見るその目つきは先日のハンター達と同じだ。
なんとなく背筋が寒くなった。

(旅立つことを一番に言いたかったんだけど、やっぱり後にしよう)

「いや…うん、でもまた後にするよ」

僕は一旦帰ろうとクルッと振り返った。

「おいおい、少しくらいいいじゃねえか。久しぶりに会ったんだしよお」

ディックが僕の腕に手を伸ばしてきたその時、ドアが開いてガヤガヤと見舞いの一団が出てきた。

「チッ」

ディックが舌打ちをして僕の肩に手を置く。

「爺ちゃんならその隣の部屋にいるからな」

ディックはそう言いながらなかなか手を離さない。ねっとりと揉むような手つきに鳥肌がたつ。

(「アオイ…しばらく見ねえうちにますます女っぽくなったな。もう男でも関係ねえ。今度酒でも飲ませてヤっちまうか…くくく」)

村正の力が発動してディックの考えが頭に入ってきた。

(うわあ…こんなこと考えてたのか…)

学校に通っていた頃、ジェイクから気をつけるよう言われて「まさか」と笑っていたけど、あの頃、何もなくて本当に良かった。

「じゃあ」

ところが、ディックの手を振り払おうとした瞬間、僕がディックに組みしかれているイメージが脳内に映し出された。

(えっ…?んあっ♥️)

ディックに掴まれ、押さえつけられた手首の感覚は、一瞬疑うほどの現実味のある白昼夢。不意にイメージが消えてから初めて、これがディックの頭の中の妄想だったのだと思い当たった。

「アオイ、どうしたんだ?」

そう言いながら、ディックの頭の中では妄想がエスカレートしていた。顔や耳、首が舐め回される。そのイメージが否応もなく僕の頭に流れ込んでくる。

(早くこの場を立ち去らないと)

まさか本気で僕を襲うことはないと思いたい。だけど、それにしてはディックの妄想はあまりに強すぎた。

「そうだ。なあ、アオイ…ちょっと俺の部屋で話さねえか?」

(げっ!本気なの!?)

僕はディックが何を考えているか知っているから、そんな誘いにのるなんてあり得ない。
そんなのわざわざ飢えた肉食獣の檻の中に入っていくようなものだ。

「い…や…」

脳内では僕がパンツだけ残してベッドに押し倒されている。ディックが僕のことを男だと思っているからか、イメージの中の僕は胸も膨らんでないし、股間にはきちんとあるべきものがある。
そのおかげで、これが現実ではない、と分かるのだけど、それでも体を押さえつけられている感触に引っ張られて体が硬直してしまっていた。

「いいだろ?なあ?」

肩を掴んでいたはずのディックの手はいつの間にか僕の肩を抱いていた。

「いや…んっ♥️」

お尻に固いものが押しつけられて変な声が出そうになったけど、これは現実なのかディックの妄想なのか。

「ちょっと爺ちゃんのことで相談したいことがあってよお」

肩にまわされていた手はシャツの襟首から入ってこようとしている。

「やっ…くっ♥️」

ゾワッとした感触は気持ち悪いはずなんだけど、体はディックの手の動きに驚くほど反応してしまった。

(これって…ひょっとして村正の?)

村正の力の反動だとしたら早く逃げなければ、また銀狼との時みたいに訳がわからなくなってしまう。
ディックに雌の顔をみせてしまえばどうなるか…だけど、それを考えると震えると同時に体が熱くなった。

「な?ほら、いいだろう?」

ぐっと肩を抱かれたまま促されて、そのまま連れていかれそうになる。

(まっ…マズい…)

「おや?ディック君じゃないか?」

抵抗できず、このままではディックの部屋に連れ込まれてしまう。そんなときに後ろから声がかけられた。
僕の腕を縛って肉棒を口に突っ込む直前で邪魔をされたディックは不機嫌な返事をしかけたものの、すぐにその表情を愛想笑いに変えた。

「ああん?っと、おっ、おじさん!お久しぶりです」

見たことのない男の人だけど、どうやらディックのおじさんらしい。
服の中に入ろうとしていた腕が首もとからサッと離れた。

(今のうちに…んあっ♥️)

二人が世間話をしている今なら逃げられる。今を逃せばもう無理かもしれない。そうは思うものの僕の肩に置かれたディックの手からは未だ絶え間なく僕の痴態が流し込まれている。四つん這いになって誘い、蕩けた顔でディックに奉仕する姿が送り込まれるのだ。

(うげっ!……ぅ…ぁ…♥️)

男のオチンチンを舐めるなんて絶対嫌なのに、ディックの妄想の中で都合よく作られた感情まで一緒に流れ込み、幸福感さえ感じながら僕は口の中に溜まった唾を飲み込んだ。

二人が話していた時間はおそらくは30分くらいだろうか。

ディックと話していたおじさんが、町長さんの寝ている部屋に入っていくのを見送る頃には、僕の体は何度もディックによって犯されていた。

「さあ、俺の部屋に行こうぜ」

僕はこの時、完全に体の疼きに酔っていた。そのせいで気づいていなかったけど、三日月のように細められたディックの目の奥にはどす黒い炎が燃えたぎっていた。

☆☆☆☆☆

鼻をつく、すえたような独特の臭いに、僕は半分閉じかけていた目を開いた。

(…えっと…)

知らない部屋だった。大きなベッドと埃の積もった机。汗の臭いかとも思ったけど、それ以外にもいろいろ混じっている。一言で言えば男臭い。

(…ここはどこ…だっけ)

ところが、状況を思いだそうとしていると、突然何者かに背中を突き飛ばされた。

「うわっ!」

予想していなかったこともあって、僕はつんのめって頭からベッドに突っ込む。そしてその結果、シーツに染み込んだ臭いを思いっきり吸い込んでしまうこととなった。

「むはぁっ!!」

(この臭い…お腹の奥が…)

どう考えても良い匂いとは言い難いけど、なぜかわかんないけど下腹の奥がキュッと反応するのがわかった。

(ん…♥️…じゃなくて…そんなことより…)

「アオイ!もう我慢できねえ!」

「ふぇ!?」

振り返ろうとしたら僕は強い力で押さえつけられる。

(なんで!?)

意味が分からない。だけど、振りほどかないと。ところが、背中のディックからまたも妄想が送られてきた。

舌を出してディックに甘える僕の顔。
そんな顔を自分がするなんて。思わず、じっくり見てしまった。

(そっ、そうだ…このせいで…んんっ♥️)

そこでようやく自分の状況に思い至った。さんざん妄想の中で犯されて、絶頂を経験した僕はおぼつかない足どりのままこの部屋に連れ込まれたのだった。

「やっ、やめてよっ!」

状況がわかったところで、村正の力で僕の体は男の精を求めて発情状態になってしまっている。それに村正の力でディックの方も欲情してしまっているみたいだ。絶え間なく黒い欲望が僕に注ぎ込まれる。

(あっ♥️んっ♥️)

敏感になった僕の体は乱暴に腕を回されただけで反応してしまうほどになっていた。

(はやく逃げないと本当にディックの妄想通りになっちゃう…)

それだけは避けたい。銀狼には犯されてしまったけど、まだ僕は人間の男に体を許す覚悟はできていない。

(だけど…こんなの…♥️)

「お前も俺の部屋にホイホイ来たのはそのつもりだったんだろ?」

「ちっ、違うっからぁ!」

僕に今できるのはこの場から逃げることだけなんだけど、後ろから被さるようにして体重をかけられているせいで身動き一つとれない。

「ひひひ、下はどうなってんだろうなあ?」

胸を片手でギュッと握ったまま、ディックの空いた手が僕のズボンを脱がそうとベルトにかかった。

「やっ、それはっ!」

慌ててディックの腕を掴もうとするけど、まるで大木のように動く気がしない。目の前が真っ暗になった。

「んんっ?ちっ!」

だけどそんな最悪の状況の中で、千載一遇のチャンスがきた。ディックの意識がズボンに向いて、背中からの圧力が弱まったのだ。

(今だ!)

タイミングをみ計らうと、僕は力を振り絞ってディックの腕を振り払った。

「うおっ!アオイっ!くそっ!」

僕が逃げ出すなんて思ってもみなかったのか、ズボンに集中していたらしいディックの腕は驚くほど簡単に外れた。

だけど、一目散に扉に向かおうとした僕の足がもつれる。そして、ズボンが下がっていたせいで、足がそれにとられたと気がついて、体勢を整えようとしたのは失敗だった。

「おいおい、逃げるなんてひでえなあ。これからたっぷりと楽しませてやろうってのによお」

そのときには、もう後ろから羽交い締めにされ、僕のズボンにディックの手が再びかけられた。

(あぁ…)

お尻さえ抜けてしまうと、むしろ足なんかは細くなってしまっていたから、ズボンはすとんと床まで落ちてしまう。

それでもなんとか抵抗しようと体をくねらせると、不意に後ろからまわされていた腕が僕の胸に当たった。

(しまった…)

気づかないで欲しいと願う僕だったけど、ディックの腕が胸のあたりを確かめるように擦る。

(んんっ♥️)

胸の先端が押し潰されて、激しく反応してしまう体。

(これは!村正の…せいでっ…はううっ♥️でもでもっ、サラシも巻いてるんだからぁ♥️)

胸の先から生まれる甘い快感に負けそうになりながら、藁を掴むような僕の希望は、だけど、あっさりと消されてしまった。

「ん?これは何だあ?やらけえぞお!?」

わざとらしいその言葉の意味がわかって僕は青ざめる。と、同時に、ディックから送り込まれる妄想が変化した。これまでは男の僕だったけど、胸が大きくなって、ついには完全に女の子になってしまった。
そして、姿が女の子になったとたん、さらに僕の感度が上がった。

(ああっ♥️だめっ!もうバレちゃってるよぉ♥️)

もうはっきりとバレてしまっている。誤魔化すことも出来そうにない。
妄想の中の自分はチンコを挿入されて蕩けた表情で喘いでいた。

僕は敗北した。同じ道を辿ることになるのを本能的に感じ取ってしまった体から力が抜ける。

「アオイ…ひひひ!」

ディックの手がシャツの襟を掴んでそのままむしりとる。弾けとんだボタンが床に落ちて乾いた音をたてる。

「動くなよ!」

どこから取り出したのか、小さなナイフでサラシが破られて、押さえつけていた膨らみが零れ出た。それは強い力で握られる。

「いっ、痛いっ♥️」

これは嘘。口から出た言葉とは裏腹に、ジンジンと甘い疼きが胸から伝わってきた。

ディックは身長だけならジェイクと同じ180くらいある。僕が自分の体を見下ろすと、大きな手のひらが僕の胸を覆っていて、その指はグニグニと柔らかい肉に食い込んだ。

だけど、本当に怖いのは痛みではない。

「アオイ、お前…これは何だあ?ほら、見ろよ」

そう言って今度は優しく揉まれる。

「んっ♥️」

電気が走るような快感が体を貫く。

「なんだ?まさか気持ちいいのかあ?」

僕は僕は恐る恐る振り向いた。果たして、そこにはニヤニヤと笑うニキビ面の男がいた。

(「男でも気にしねえつもりだったが…これはツイてるぜ!泣いて、ねだって、堕ちるまで、イヤってほどヤッてやる!もう俺なしでは生きていられねえ体にしてやるぜ!」)

その言葉は、僕を組み敷いているディックの妄想とともに告げられた。そしてそれは数刻後に現実のものとなる。

「くっうぅんっ♥️」

思わず出た僕の声に満足したように、ディックの手が下に向かった。

「パンツも男もんなんか?色気がねえなあ」

「ぼっ、僕は男だから!」

もう意味がないことはわかっているけど、それでも男としての僕の最後の矜持がそれを言わせた。

「ふうん?男、なあ。どれ、確認してみるか」

楽しそうなディックの声。
それからパンツの中に指が入ってきた。下腹をくすぐるように撫でるゴツゴツした男の手の感触にブルッと震えが走る。

「あっ♥️」

(さっきからお腹の奥がおかしいよ…)

実は手の感触どころか、ディックの荒い息にもいちいちキュンキュンと反応していた。

「んん?男の癖にチンコがねえなあ?んんー?これか?」

「あっ♥️んっ♥️そこっはぁっ♥️やめてっ♥️」

そこは敏感すぎて自分でもほとんど触れていない場所。割れ目の上を指の腹で潰すようにこねられると、弾けるように腰が動いた。

(なにこれなにこれ♥️こんなの…知らないよぉ!)

女の子になってから自分で触ったのとは全然違っていて、強引で乱暴な手の動きに翻弄されてしまう。

「どうした?まさか気持ちいいなんてこたあねえよな?」

わざとクチュクチュと音をたてられて僕は恥ずかしさに顔を背ける。

「きっ、気持ちよくなんてっ!ないっ…からぁっ♥️」

「そうだよな?男だもんなあ?」

だけど、次の瞬間、僕は体をビクッと震わせてしまった。指が割れ目に入ってきたのだ。

「あっんんっ♥️」

僕の体は銀狼の大きな肉棒によって、完全に開通していた。体の内部に異物を受け入れる違和感があるくらいで、痛みは全くない。

「ちっ!既に使用済みかよ!」

ディックは僕が痛がらないことに不満げな声を出すと、荒々しく割れ目の中に指を入れてきた。
一見乱暴な動きだけど、僕の経験は銀狼だけ。ディックの指がいくら太いと言ってもあの暴力的なサイズに比べれば可愛いもの。それでも男特有の節くれだった指が力強く擦りあげると快感に悶えてしまう。

「んっ♥️あっっ♥️」

「誰とヤったんだ?ジェイクの野郎か?」

聞きながらも指は動き続ける。

「ちょっ、そんなされて…んくっ♥️答えられないよぉ♥️」

「うるせえ!答えろよ!ジェイクの野郎か?」

ディックはなおも執拗に聞いてくる。学校に通っていた頃、今でこそディックも同じくらいまで伸びたけど、ジェイクはその頃既に180以上あって、顔も整っていたし、性格も優しく、その上頼りになったから人気者だった。
一度、みんなに囲まれて楽しそうにしているジェイクを暗い目で見つめるディックの姿を見たことがあった。

(ジェイク…)

ディックにされて気持ちよくなるのは、なんだかジェイクに申し訳ないような気持ちになる。

だけど、奥を攻められると同時に胸の先端を強く握られると、意に反して快感に背筋が反り返った。

「あっうぅぅ♥️」

ジュボジュボと体を通して音が耳の奥に響く。それは僕の体が準備できていることを明確に、否応なく僕自身に知らせてきた。

ジェイクの顔が霧散して、与えられる快感に頭の中が一杯になる。

(すごいぃぃ♥️こんなのっ♥️こんなのむりだよぉ♥️)

「ジェイクか!?それとも違うのか、はっきりしろよ!言えばやめてやる!言わねえなら…」

僕が答えなければこれ以上に激しくされる。

(もっと激しく…♥️)

僕は自分が何を考えているのかわかってゾッとした。だけど、それに気がついたことで、ますます体が昂った。

これは底無し沼。どこかで止めないと本当に抜けられなくなる。

だから、僕は首を横に振った。

「ちがうっ♥️ジェイクじゃないからぁ♥️」

口に出した瞬間、まだ発情したままの体がディックの指を逃がすまいと締めつける。

(これで終わる…)

発情した体をどうにかしないといけないけど、そんなことは後回しだ。エッチな気持ちに飲み込まれずに済んだことで心の中では安堵の気持ちも広がった。

ところが、その直後、僕はベッドにうつ伏せに押し倒された。背中からディックの体重による圧力で体は動かない。

(どうして…?ちゃんと言ったのにぃ)

「お前の言うことが本当かどうか分かんねえよな!だから上書きしてやることにしたぜ」

さっきまで指の入っていた入り口に、指より太いものが押しつけられた。

「えっ!?どうしてっ!?やめっあっ、ふぁっ…ぁっ♥️あっ♥️あっあああぁぁぁっ♥️」

入り口を通る間は驚きと異物の入ってくる感触に拳を強く握って耐え、入り口を過ぎると今度は体の中から溢れ出す快感にシーツを掴んで耐えた。

「へっへっへ!俺のチンコはどうだ?雁が張ってていいだろお?」

「あっ♥️ううぅっ♥️ぬけちゃうっ♥️ぬけちゃうぅぅ♥️」

抜かれるときに中身を一緒に引き抜かれるような感覚がして、僕は思わ腰をディックの方に押しつけた。

「なんだなんだ?もっと欲しいってか?安心しろよ!お前が嫌ってほどヤってやるからなあ!」

僕の腰が掴まれて勢いよく奥まで入ってくる。

「あっ♥️あっ♥️だめっ♥️これっ♥️おかしくなるっ♥️」

「ひひひっ!おかしくなる?いいぜえ!もっとおかしくなれよお!」

腰の動きが激しくなってズンズンと奥が押される。それが続いたかと思うと、今度はギリギリまで引き抜かれて勢いよく全部埋められる。

「どうだ!ジェイクじゃこんなことおしえてくれねえだろお?」

「あっひぃぃぃ♥️すごいぃっ♥️♥️こんなのしらないっ♥️しらないぃぃ♥️なんかっ♥️なんかくるっ♥️」

目の前がチカチカと瞬く。

「気持ちいいか?気持ちいいんだろお!!」

「はうう♥️きもちいいですぅ♥️すごいのっ♥️こんなのはじめてっ♥️」

瞼の裏の光がどんどん強くなっていく。

「イクんだな!いいぜ!イッちまえ!ディック様のチンコでイクんだぞお!」

「あっ♥️イクっ♥️イクのっ?♥️これイッちゃうの?♥️あっ♥️ぼくっ、イッちゃう♥️」

ごりごりと奥が擦られて、僕はもうなにも考えられない。

「言えよ!ディック様のチンコでイッちまうってよお!」

言われるがままに勝手に口が開いた。

「イクっ♥️ディックさまのチンコでイキますぅ!!♥️♥️」

口から溢れ出る言葉と合わせるように体の一番奥まで詰め込まれたその瞬間、僕の中でディックが膨らむのを感じた。