お風呂を出て寮の廊下を歩きながら、僕は例の視線を感じて窓の外を見た。もちろん、そこには特に変わりばえしない暗闇だけが広がっている。
(「大丈夫かなぁ…?」)
(「うむ…まあなるようにしかならんしの」)
教室で僕の意識が戻った時、外はもう薄暗くなりかけていた。教室にいたのはもちろん僕と学院長の2人だけ。誰かに見られたら誤解されてもおかしくない状況に僕は急いで帰ろうとしたんだけど。
「キャロル君!やはりこのようなことを続けるのはやめよう!」
僕の両肩を学院長が掴んでいた。
「でも…私達が命令をこなさないとブリジットさんが…」
「むう…だが、奴等は私達が従う事で調子に乗る。毅然とした態度をとれば、何もできないはずだ!」
学院長の言いたいことはわかるんだけど、僕らは人質をとられているのだ。そう簡単な話ではない。
だけど、二の足を踏む僕に対して学院長は勝手に話を決めてしまった。
「私も出来る限り助けるから、明日の指令は無視しよう!いいねっ!」
◇◇◇◇◇
【今日は一日、パンティを履かないこと。スカートは昨日と同じ丈とする。】
(あ、危なかった…)
僕は階段でパンティが見られたのを思い出してぞっとした。そして、学院長と決めた通り、手紙を無視してスカートの丈を直す。
「ん?どうしたの?」
髪をセットし終えたドナが鏡越しに僕を見ているのに気づいた。
「キャロルさん、何かいいことありました?」
「えっ?」
「今日はキャロルさんの調子がいいから髪も綺麗に出来ましたよ、あっ!こんな時間だ!次行ってきまーすっ!」
僕が答える前にドナは慌ただしく出ていってしまった。
それから僕も鏡で自分の顔を少し見てみた。ウェーブのかかった髪がふわふわと広がって、なんだか大人っぽく見える。
それに、言われてみると確かに顔色もいいし、さっぱりしている気がした。
(よぉし!今日も一日頑張るぞっ!)
と、いうわけでまずは腹ごしらえだ。
お皿いっぱいに朝食を盛って食べ始めるとサラがやって来て笑った。
「あれっ?いつものアリスに戻ってる~」
(そういえば最近食欲なかったから、今日は思う存分食べるぞ!)
ご飯がいつも以上に美味しい気がする。
そして、ここ最近、薄暗く見えていた廊下も朝の光で輝いているように感じた。
教室についた時はさすがに緊張しながら机に手を入れてみたんだけど、今日は何も入っていなかった。そのまま放課後まで何も起こらなくて少し安心していたんだけど。
お風呂から上がって鼻唄混じりに部屋に帰った僕は、物事がそんなに簡単にはいかないってことを知ることとなった。
(うっ!あの封筒はっ!?)
ベッドに飛び乗り、震える手で中身を取り出す。
【約束を破ったアリス・キャロル。その報いはブリジット・レンナーに償ってもらう。】
(あぁ…)
呆然としてベッドの上でへたりこむ。
(どうしよう…僕のせいだ…)
「そっ、そうだっ!」
僕は慌ててパジャマから制服に着替えると、学院長室を目指して走る。
(学院長ならブリジットさんがどこにいるか知ってるはずっ!)
幸いほとんど廊下には学生もいない、一気に階段をかけ降りて渡り廊下を走り抜ける。
校舎に入ると、さっきまで聞こえていた虫の音が消えた。
『タッタッタッタッ!』
月明かりの廊下に僕の足音だけが響きわたる。
『ドンドン!』
「学院長っ!キャロルですっ!」
開いた扉から飛び込んだとたん、いつか嗅いだことのある甘い香が体にまとわりつく。だけど、そんなことよりも目の前の光景に僕は言葉を失った。
「あっ…」
部屋の中はむせ返るような甘い香が焚きこめられて、その中で裸のブリジットさんが座り込んでいた。
「んんんんっ♥️♥️」
もちろん、ただ座っているわけではない。ブリジットさんのお尻の下は床ではなく仰向けの裸の男だった。
それだけじゃない。その両手にはそれぞれ二人の男の肉棒を握らされていて、口にも一本咥えさせられていた。
「ようやく来たか」
「…あっ!」
以前と同じ白い仮面を被った人物の登場で、僕は我に返った。
「どいてっ!」
僕はブリジットさんの前に立ちはだかる白い仮面を睨みつける。
「お前は約束を破ったのだ」
「確かに破ったのは私だけど、それなら罰も私にすれば良いだろっ!」
白い仮面の紋切り口調に、思わず本来の口調に戻りそうになった。
(「主殿!今は!」)
(「わっ、わかってるよ!」)
村正に止められて、今にも抜きそうになる自分を必死に抑える。
「ククク、思ったよりも賢しいな。もし私を害するようならそこの雌犬が死ぬことになる。それに、これは最初の約束通りだと思うが?」
「くっ!」
(何を言っても無駄…そうだっ!学院長!)
さりげなく部屋の中を探ろうとすると、白い仮面が目ざとく先回りしてきた。
「ククク、お前の探しているものなら、そこにいるぞ」
そして、体をずらしたその先には。
(………あっ!)
ブリジットさんが慰みものになっている。だけど、そのお尻の下…、言われてみるとその体型は見間違えようもなく学院長だった。
学院長の顔には以前と同じように魔術布が巻かれている。
さらに、よく見ると他の二人の男は黒い仮面をつけていて誰か分からないが、ブリジットさんの口に肉棒を突っ込んでいる男は仮面をつけていなかった。
(どうしてラッセル先生が!?)
虚ろな目をしたラッセル先生はブリジットさんの頭を掴んで腰を押しつける。喉奥まで入ってブリジットさんが嘔吐いても無関心に腰を振っていた。
「分かったか?これが報いだ」
「うぅ…!」
罪悪感と無力感に僕の膝から力が抜ける。
(「主殿っ!」)
だけどその時、白い仮面の口から予想外の言葉が発せられた。
「ククク、そうだなあ、もう一度チャンスをやろうか?」
僕は思わず見上げた。
(あっ…でも…なにが狙いなんだ!?)
いくら見つめても無表情な仮面からはなにも読み取れない。
「必要ないというのならいいが…」
淡々とした白い仮面の態度にはすぐにでも撤回しそうな冷酷さがある。考えている時間などない。僕は考えるのをやめた。
「だめっ!お願いっ!もう一度だけっ!」
「頼み方がなってないな」
(…くっ!)
そして、僕に残された選択肢は床に頭をつけるようにして懇願することだけだった。
「…お願いします。もう一度私にチャンスを下さい」
「服を脱げ」
思わずチラッとブリジットさんの方を見ると黒い仮面が僕の方を向いていた。だけど、今さら嫌とは言えないし、言うつもりもない。
男たちに見られながらブラウスのボタンに指をかける。
『プツ、プツ、パサ…』
ブラウスが床に落ちた。
急いで着替えてきたからブラウスの下には下着だけだ。
「ぬっ、脱いだけど!」
覚悟を決めたとはいえ、見ず知らずの男の前で肌を晒すのは恥ずかしくて、ちょっと声が上ずってしまうのがわかる。
そして、もちろん予想はしていたけど、次は当然のように白い仮面は顎でスカートを指してきた。
(仕方ない…)
今は従うしかないから、顔が熱くなってるのが自分でもわかるけど、我慢してスカートのボタンを外した。
『プツ、パサ…』
スカートも下ろして下着だけになる。
「ほらっ!これで満足し…ぇっ!?」
そう言いかけた瞬間、無数の視線が僕の体に突き刺さった。
「ぁっ…!」
反射的に村正の力が発動して五感が敏感になってしまったことで、物理的に体を刺激する。
(んっ…♡だっ、誰っ!?)
僕は両手で見えない何かから守るように胸と股間を隠して周囲を見るけど、やはり仮面が3人とラッセル先生しかいない。
それなのに、その何倍もの視線に僕の体は晒されていた。感じやすくなった体は視線だけで熱をもって、手に力がこもる。
だけど、そんな僕の事情など無視して白い仮面は続けた。
「下着も全てだ」
(えっ…ちょっと待ってよ!)
さすがに一瞬怯みかけた僕の耳にブリジットさんの声が響いた。ブリジットさんがまだ解放されていない以上どうすることもできない。
結局僕は白い仮面の前で生まれたままの姿を晒すことになった。
(ぁっ!んっ…♡)
下着を脱ぐと、それまで突き刺さるように感じていた視線が、今度は舐めるようなものへと変わり、隠そうとする手の内側まで入ってくる。
(いっ、今はだめっ!)
割れ目が舐め回されて思わず声が出そうになった。
「んんっっ♡」
「良いだろう」
白い仮面の言葉を聞いていたのか、黒い仮面の2人とラッセル先生がようやくブリジットさんから離れた。と、同時に学院長の口を覆っていた布がはずされる。
「おいっ!目隠しを外せっ!うおっ!くうっ、締まるっ!誰だっ!?そんなこと止めるんだっ!」
頭まで真っ赤に染めた学院長が呼びかけるけど、ブリジットさんは意に介さず、快楽に歪んだ顔で腰を振り続けた。
「ちっ!うるさいな。お前があいつの口に跨がって黙らせろ」
白い仮面の言葉に逆らうわけにはいかない。
(すみません、学院長…)
尚も叫ぶ学院長の顔の上に立つと、膝を曲げてお尻を下ろしていく。
「おいっ!どうなってるっ!?何か言ったらどっ!んっ!むむむっ!」
割れ目を口に押し当てるとちょうど叫ぼうとしていた学院長の息が割れ目の中に吹き込まれた。
「あっ!んっ♡」
僕は驚くことにそれだけで腰が砕けて、学院長の顔の上に座りこんでしまった。
(おかしい…こんなに敏感になるなんて…)
ブリジットさんはというと、学院長のお腹に手を置いて、僕の目の前で艶かしく体を揺らしている。
「ぬぬっ!やめろっ!んぬっ!くっ、ぴちゃっ!」
その時、口許を流れる愛液が気になったのか、学院長が舌を出してきた。
「やんっ♡」
僕は割れ目の上の敏感なところが刺激されて、思わず前屈みになると、学院長の胸に両手を置いて体を支えた。その体を支える両腕の間に胸が挟まって、左右からギュッと絞られた。
「んあっ♡」
そして、忘れかけていた無数の視線がここにきて再び猛威を振るう。胸の先が何かによって舐め回されたかと思うと、足の指先まで舐められているような快感が襲う。
(こっ、これ♡マズい♡♡)
「んんっ♡あっ♡」
「ああんっ♥️またおっきくなるぅっ♥️ああっ♥️しゅごいのぉっ♥️これっ♥️大きすぎるぅっ♥️」
ブリジットさんは既に正常な意識がないのか、僕を目の前にしても快楽を求めて腰を揺すり続けていた。
(そっ、そうだ!ブリジットさんっ!んあっ♡ダメだ♡)
「ふがっ!んんっ!くそっ!」
その時、学院長が何を勘違いしたのか急に舌を割れ目に差し込んできた。まるで狙ったかのように気持ち良いところが擦られる。
「あぁっ♡学院長っ、ダメっ♡そこはっ、んああぁぁっ♡」
ブリジットさんも限界が来たようだ。びくびくっと痙攣して、大きな胸が上下に揺れた。
「きゃあっ♥️しゅごいっ♥️しゅごいのぉっ♥️大きいですぅっ♥️私、私っ♥️あっ、イクっ♥️イッちゃいますぅっ♥️」
(ブリジットさん…イったんだ…)
少しの間、ブリジットさんは気絶したように動きを止めていたけど、ゆっくりと顔を上げた。
「ブリジットさ…んんっ♡」
見えているはずなのに全く僕のことがわかっていない。
「アっ、アリスっ、くぅっ♡だよっ♡」
「んっ♥️はっ、ぁっ♥️」
ブリジットさんが、僕を見た。
(理解してくれた!?)
だけど、それは間違いだった。ブリジットさんはそのまま背筋を反らす。
すると股間に突き刺さっている肉棒の根本がはっきりと見えた。
「んふふ♥️ねっ、これっ、しゅごいの…見て♥️ジュボジュボするの見てぇ♥️」
そう言って僕を焦点の定まらない瞳で見て腰を動かすと、グロテスクに血管の浮き出た幹の根本が見え隠れした。
『グチュッ、グチュッ、グチュッ』
二人の粘液が激しい動きに白い泡となる。
(あぁっ♡すごい…♡ブリジットさんがこんなに乱れて…でも…なんだか綺麗だ…)
僕が自分のことも忘れて呆然と見ていると、いきなり舌がズルっと膣内の壁を擦って強烈な快楽が体を貫いた。
「んはあっっっ♡」
昨日の快感が甦る。
「はぁ、はぁ、やだっ♡それ以上されたらっ♡また…また…おかしくなるよぉっ♡」
(あぁっ♡熱いっ、胸が熱いよぉっ♡)
僕は胸を掴んで固くなった乳首を指の間に挟む。
「ふあぁぁっ♡♡」
ビリビリっと電流が走った。
(何これっぇ♡敏感すぎるぅっ♡)
両手で胸を揉みながら、割れ目を学院長の口に押し当てる。
「んああぁぁっっ♡だめぇっ♡学院長っ、イっちゃうよぉ♡♡」
ブリジットさんは、と言うと今度は前屈みになって腰を揺すっている。
「しゅごいのぉっ♥️はああっ、イキますぅっ♥️私イッちゃいますぅっ♥️」
僕とブリジットさんが学院長の上で絶頂に至り、揃ってフラフラと前に倒れそうになった。
「あっ♡」
僕が反射的に手を出すと、ブリジットさんも同じように僕に向かって手を伸ばしていた。
「んっ♡♥️」
手を繋いだ僕らはそのまま指を絡め合う。
「ふかいのぉっ♥️おくが…ぐりぐりされてぇ♥️…おかしくなりゅぅ…♥️」
「んはあっ♡そんなっ♡奥ばっかり舐めちゃだめぇっ♡」
両手をつないでそれぞれが与えられる快感に喘ぐ。
「ふぁっ♡んんんんっ♡♡」
イキそうになるのに耐えて前を見ると妖艶な顔をしたブリジットさんが、唇を舐めてこちらを見ていた。
見つめ合った僕らはどちらからと言うこともなく顔を近づけると舌を絡めた。
「んんんんっ♡ちゅっ♥️んちゅっ♡ねろ♡んっ♡はぁ♥️はぁ♥️はうっ♡あっ♡やっ♡んちゅっ♥️」
キスの音で頭のなかが一杯になる。
「あっ、だめぇっ♡」
ブリジットさんの片手が僕の手から離れたかと思うと、いきなり胸を揉んできた。
「んはあっ♡ブリジット…さんんっ♡やっ♡だめっ♡くりくりしちゃっ♡ちゅっ♡んちゅうっ♡♡」
胸を揉まれ、下からは激しく啜られ、快楽の波が押し寄せてくる。
「あああぁぁぁっ♡♡イクっ♡イクっ♡イクっ♡スゴいのっ♡ああっ♡ダメっ♡だめになっちゃうよぉっ♡♡あっ、くっ♡イクぅっ♡♡」
『ビクンッ』
一度大きく体が反ったかと思うと僕は激しい絶頂の波に飲み込まれた。
『ビクビクビクッ』
「んっっ♡♡…はぅっ…♡はぁ、はぁ、はぁ…♡」
また僕は意識まで真っ白になって崩れ落ちた。
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