29.お姉ちゃんと約束(性描写無し)
翌日お姉ちゃんからメールが来た。
title:遊君へ
本文:データの解析には少なくとも1か月ほどかかるから、それまでは何かあるたびに連絡してちょうだい。
あと、今日うちにあった面白いものを遊君に送ります。明後日には届くのでよろしくね。
title:ありがとう。
本文:今日の朝になったら戻りました。プレゼント楽しみにしています。
ふう、送信っと…
『リリリリリリン』
「うわっ」
携帯が急に鳴ってびっくり、お姉ちゃんだ。
「もしもしっ?遊君?」
「もしもしっ?お姉ちゃん、どうしたの?」
「治ったって見て、びっくりして電話したのよ。どうして治ったのっ?」
「ええっ?わかんないよっ。」
「で、今は、男の子なのね?」
「うん。そうだよ。」
「ふんふん、…なるほど、確かに声がちょっと低くなったような気もするわね。」
お姉ちゃんは落ち着いて何かを考え始めたみたいだ。
「治ったのには何か理由があるはずよ。ちょっと整理してみましょう。
まず、前回は女の子になって、その日にしたことって隆とセックスしたことぐらいよね?」
セックスって…そういう風に言われると恥ずかしいなあ。
「う、うん…した…。」
「何を恥ずかしそうにしてるのよ。で、今回はどうだったの?」
「ぇ………」
「したのね。」
「…はい。…しました。」
「私と別れた途端に男とセックスするなんて、ちょっと淫乱の気でもあるんじゃない?」
「ええっ、そうなのかなぁ?」
「ということはセックスで治るのかしら?」
「でも、前回は一回イって気を失ったら治ってたけど、今回はお姉ちゃんにも…それに昨日はホテルで何度もイカされたけど。」
「そうねぇ、つまり、男とセックスしないとダメとか?あとは、今回は女の子になってからの時間も長かったのよね。それも関係するのかも。日数が経つとそれだけたくさんセックスしなくちゃいけないとか。」
うーん、確かに前回はその日のうちに、今回は2日間女の子だったから日数は関係するのかな?
「そういえば遊君避妊ってしてる?」
「…あっ、してない…。」
そういえば僕って全然そんなこと考えてなかった。妊娠って…するのかな?
「ということは、まず、何もしなくても治る可能性。次に男とセックスをして治る可能性もあるわね。でも、一回で治るのかどうかは分からないわ。それに話を聞く限り、中出しされてから数時間は必要なのかもしれないわね。」
「うんうん。」
「次に日数が関係する場合。女の子になった翌日に治った前回と、治るのに3日かかった今回。女の子のままの時間が長いと延びるのか、それとも徐々に治るまでに時間がかかるようになってくるのか。もし、徐々に時間が延びるようなら急がないと完全に女の子になっちゃうわよ。まぁ私は良いけど。ふふっ」
絶対やだ、だって僕、男だよ。
「ええっ…どうしよう。」
「そうねぇ、じゃあ次に女の子になった時に実験してみましょう。まずは、女の子になってからその日のうちにセックスしてみて。それで治ったら徐々に女の子の時間が延びてるか分かるはずよ。で、さらに次の機会に今度は4日くらい待ってみてセックスの回数と男に戻る因果関係をチェックしてみましょう。どうかしら?」
うーん……どちらにせよ男とセックスしなきゃならないんだ…
「おそらく前回と同じなら2~3週間でまた性転換するはずよ。」
「分かった。でも僕も調べるから、それで治ったらセックスなんてしないよ。」
「良いわよぉ…ふふ…」
不敵な笑い。絶対見つけてやる。
「ところで。」
お姉ちゃんが話を変える。
「昨日はどんな男とどこのホテルに行ったの?イクなんて言葉知らないはずの遊君に教え込んだ男がいるのよね?」
やばいっ、どうしよ。
「えっとぉ…」
結局また、全部お姉ちゃんには知られてしまいました。
「いい、遊君、どうもあなた女の子になったら妙に敏感になってる気がするから注意するのよ。変な男は世の中にいっぱいいるんだからね。」
「はぁーい。」
翌々日宅急便が届きました。
お姉ちゃんからメモがついてる。
「ブラジャーは特殊なものでおっぱいを小さく見せるものです。もし、外で女の子になってしまったら使うように。あとは私のおさがりの服や下着類です。着たら絶対写真に撮って送ってね。」
コルセットみたいな下着とカラフルな下着、それに女ものの服がいっぱい。これって絶対おさがりじゃないよね。
「はぁ…、ブラジャー以外はいつ使うんだろ?」
思わずため息が出た。
それから僕は毎日学園の図書館に通い、「真実の鏡」について調べてみたけど、まったく手がかりがなかった。
お姉ちゃんの解析結果にも期待はしてるんだけど、もしかしたらって思って。
学術的な本はあきらめて、主にこの学校やこの地域についてこれまでに書かれた文集や、雑誌、論文を探したけど、全く見当たらない。
地域に関する本は何冊かあったのだけど、まったく役に立ちそうもない本ばかりだった。
うーん、街の図書館にでも行ってみようかな?
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