ドンドン、と激しいノックの音で僕は起こされた。
「ん~、明け方に帰ってきて寝たばっかなのにぃ」
仕方なくドアを開けると、そこには例の渡りをつける商人顔の男。
「おいおい、もう昼だぜ」
「おはよう…」
「ああ、おはよう、…じゃねえだろがよ。全く今日が結果発表ってのに余裕だな」
「だって、結果発表は日が暮れてからでしょ?それに今更心配したってどうしようもないでしょ?」
「そりゃそうだが、最後の仕事があンだよ」
(え?もう終わりじゃないの?)
「これが正真正銘最後だ。さあ、着替えて出ンぞ」
男がそういうと、ジャスミンさんとスージーちゃんが入ってきた。
「着替え終わったら移動すンぞ。昼間だし、さすがにお前は顔が売れすぎたからな、わざわざ人目につかねえように魔術具まで準備してきてやったンだぜ」
★★★★★
「…ここ?誰の家?」
「さる商人の別宅ってとこだな」
連れてこられたのは瀟洒な建物で、面積だけなら僕らの泊まってるホテルくらいありそうだ。
「さあ、俺の仕事はここまでだ。お前が一定時間出てこなければ、お前さんの優勝は決まりだよ。お疲れさん」
なんだかその声はこれまでと違っているようで思わず顔をのぞき込んだ。
「なっ、なンだよ!?」
男はぷいっと横を向く。
「ふふ、ありがとう…えっと…」
「ゲオ…だ。にしても、罵倒されることには慣れてンだが、感謝されたのは初めてだぜ」
「ありがとう、ゲオ。今夜優勝できるとしたら、あなたのおかげだから」
僕はそれだけいって白く大きな扉に向かって歩き出す。
「葵嬢」
そのとき、完璧な発音で僕の名前が呼ばれた。
「アンタなら小細工なんてしなくても優勝してただろうよ」
振り返ると男は既に背中を向けていた。片手を挙げる男に手を振り返して僕も玄関に取り付けられたベルを鳴らす。
★★★★★
「えらい忙しいとこやと思うけど堪忍してや」
訛ったイントネーションで話しかけてくる巨漢の男。バスローブ姿で葉巻を咥えていた。
(まさか…最後の相手がこの人だったとは…)
「もうわかってると思うんやけど、一応自己紹介しとこか。ワシがワンウェイや」
スキンヘッドに体はゆるゆるで肉肉しい体だった。
丸いレンズのサングラスのせいで表情は見えないけど、僕から視線を全く外さない。
「さすが別嬪やな。ほんで待った甲斐があったってもんや。優勝者のドレスを先に見られるのは役得やで」
今日の服装は、本当ならこの後の結果発表の際に着る真っ白なドレス姿だった。
硬めの生地に宝石がちりばめられて、光に当たると様々な色に輝く。
レースを何重も重ねたスカートは床を引きずっちゃうので、今は同じ素材で足首までの短いものを着ている。
肩紐は透けるような薄いレースで、胸元も大胆に見せている。
「あの…ワンウェイさんに聞きたいことが」
そう言いかけた僕の言葉は手を振って遮られてしまった。
「アカンで、それは優勝してからやないとルール違反やろ?」
よいしょ、と立ち上がったワンウェイさんは僕の倍ほどもありそうだ。
「あー、近くで見ても別格やで」
太い指が顎に当てられて上を向かされる。
「何か教えてほしいんやったかな?優勝後の会食やらの時にでも教えたる。それ以外にも欲しいもんあったら考えとき」
「そしたら」と言って、再びワンウェイさんが座っていた椅子に戻った。
「ワシは動かへんから、まずはキスしてもらおか。やり方は好きにしてエエで」
これまで何度もしてしまった男とのキス。だけど、やっぱり抵抗はある。
(だけど…ここまでやっときたんだ…)
自分から、と思うと忌避感と気持ち悪さだけじゃなく、なんだか体が熱を帯びる気がした。
椅子に座ったワンウェイさんの正面に立って、顔を寄せる。
「チュッ」
軽く触れあうようなバードキス。
ワンウェイさんが何も言わないので、もっとしろということだろう。
僕は髪のない後頭部に腕を回して何度も繰り返す。
「焦らすやないか、そろそろ、ほれ?」
これまでの三日間で何を求められているのかが分かるようになってしまった。
僕は少し唇を開いたまま顔を寄せる。そして、唇を合わせると、舌を分厚い唇に割り込ませる。
葉巻の香りなのか、男の独特の味を感じつつ、舌を見つけ出した。
「んちゅっネロ…」
僕から求めるシチュエーションに、体の奥がますます熱くなる。
(これは…今朝までずっとヤッてたから…)
一旦唇を離すと、はぁ、と息をつく。
サングラスの中の目は見えないけど、なんとなく火照った顔を見られるのが恥ずかしくて視線を下げた。
(ぁ…♡)
バスローブを押し上げるモノ。
(おっきぃ…これが僕の中に…)
「ゴクリ」
(って…なんだか僕が欲しがってるみたいじゃん…)
慌てて、唇を合わせる。
「ンチュ、ちゅっ…んはぁ…ちゅ…ねろ…ねろ…」
見てしまったモノを頭から追い出そうと、激しく舌を絡める。
傍目から見れば情熱的に求める女にしか見えないだろう。そして、情熱的に何を求めているのか…そこに考えが至って、ますます顔が、体が火照ってしまう。
『カツッ』
靴のヒールが床を打つ音に気づいた。
(ハッ…僕は…何を…)
僕は知らず知らずのうちに太腿をこすり合わせていた。
ストッキングを留めているベルトとショーツの間に体から溢れた一滴の筋が流れ落ちるのを感じる。
それは、体が求めているということ。何を求めているか、もちろんはっきりと分かっている。
気がつけば、男の頭を撫で回して唇だけでなく男の耳を舐めていた。
そして…
(ちょっと…見るだけ…)
男の首筋を舐めながら視線を落とす。
そこには先ほど以上に大きくテントを張った股間があった。
熱い滴が内腿を伝う感覚。キスはさらに激しさを増し、甘えるように鼻を鳴らしてむしゃぶりつく。
(僕の体が…欲しがっちゃってる…これが入ったら…)
続いて僕は男のバスローブの胸をはだけさせて、だらしない体にキスをする。それは男に挿入を求める媚びた女の姿。
男の乳首を舐めながら、両の手のひらで大きな体を撫で回す。それは奉仕をして男をその気にさせようとしている女の姿に他ならない。
僕の体が徐々に下がっていく。
気がつけば、僕は男の開いた太腿の間に座り込んでいた。
チラッと男の顔を見上げる。
(何も言わないってことは…してもいいってことだよね?)
頭の中で『させられている』から『している』に変わっていることに僕は気づかない。
「はぁ…♡」
ゆっくりとバスローブをはだけると、そこに隆々としている肉棒を見つめて湿ったため息をつく。
(おっきぃ…♡)
僕の顔と同じくらいの長さだ。喉まで飲み込んでもきっと半分くらいしか入らない。
いっぱいいっぱい口を開いてなんとか頬張れるくらいの太さ。
自分が咥えている姿を想像して、また愛液が湧き出したのがわかった。
(あ…♡)
ピクッと動いた拍子に男臭い匂いを吸い込んでしまった。
それとともに、体が自然に動く。
肉棒を手で包み込んで、撫でさする。
ビクッと動いて、亀頭の先から透明の液が溢れた。
「ペロ…」
舌を出して、舐めとる。男の汗の匂いだけじゃなく、独特の匂いに体だけでなく心まで屈服しそうになる。
「んぐ…むぐぐ…♡」
気がつけば、むしゃぶりついていた。
口いっぱいに頬張った亀頭のせいで息ができない。
(頭がぼおっとする…)
心と体が征服されていく。
夢見心地で、男から「もうエエで」と言われるまで僕は舐め続けてしまっていた。
「ホンマ葵ちゃんは好きやなあ」
そう言われながら、ベッドへ。だけど押し倒されるようなことはなく、まずは男が仰向けに寝そべった。
「ワシの顔にまたがってくれるか?」
三日前までなら自分がこんなことをしてるなんて考えもしなかったのに、僕は恥ずかしげもなく男の顔を跨ぐ。
「ほおほお、もう十分準備はできとるようやな。顔に似合わずそんなに欲しがりやったとはな?」
(あっ♡見られてるぅ♡)
男に言われて初めて僕は自分がどんな状態だったのかを思い出した。
しかも、舐めてる間にそこは洪水のようになっている。
「もうグチョグチョやないか、そしたら舐めたるから自分でスカートまくって腰を下ろすんや」
ウェディングドレスのような真っ白で純真なスカートを抱えるようにして持ち上げた僕はゆっくりと腰を下ろしていく。
「もうちょい…そのままやで!!」
「ひゃうっ♡」
言われるままに下ろしていった先で鼻息が股間にかかる。
ビクッと腰が持ち上がった。
「そのままや言うたやろ?さあ、もう一回やで」
生温い息で反応しそうになる体を抑えて、ついに股間が男の顔に触れたのが分かった。
「もうグチョグチョやないか?これは旨そうやで…ネロ…」
「あっ♡」
ガクッと腰から崩れ落ちてワンウェイさんの顔に思いっきり座り込んでしまった。
「ふぉふぉふぁふぁ」
「ん~♡♡♡♡」
舌がズボッと入ってきて、ビュビュビュっと漏らしながら僕は達してしまった。
「ぁぁ…♡♡」
余韻でなかなか動けなず、やっと下にいるワンウェイさんを思い出して腰を持ち上げた。
「だ、大丈夫…ですかぁ♡」
「エエ、エエで、そのままもっかいや」
今度は慎重に腰を下ろしていくんだけど、やっぱり鼻息…っていうかわざと息を吹きかけてるよね。
「んっ、息っ♡吹きかけたら…ああっ♡」
膝がガクガクして座り込んでしまう。また、あの快感が…そう思うと期待にまた体が反応してしまうんだけど。
「あっ、そこはちがうぅっ♡♡」
舌がなぞったのは僕のお尻の穴。
「ふぃふぁふぁんふぇ」
「逃がさんで」と言ったのか、反射的に腰を上げようとした僕の脇腹が両手で掴まれた。
「らめっ♡そこはぁっ♡」
ツンツンとお尻に舌の先が突いたと思ったら、強引にねじ込もうとする。
「らめっ♡そこちがっっっんっんん♡♡♡♡♡」
体を前に倒すと目の前には巨大な肉棒。
「あっ♡」
挿入される想像に、体から力が抜ける。すると、お尻からも力が抜けてしまって、舌がぬるっと入ってくるのが分かった。
「やあっ♡そこきたないからぁっ♡」
僕は逃げようと体を前に倒す。そして、オチンチンを握った。
「コシュコシュするからからぁ♡ゆるしてっ♡♡」
両手でゴシゴシして気を逸らそうとするけど、全く動じてくれない。
「やっ♡だめっ♡おかしくなっちゃうからっ♡♡あっ♡」
ビクッと体が震えた。
「お口でするからぁ♡♡待ってぇっ♡」
(お尻でイッちゃうっっっ♡♡)
「あんんむぐうう♡♡」
肉棒をしゃぶりながら僕は絶頂に達してしまった。
だけど、呆けてるわけにはいかなかった。お尻の穴に指が触れるのを感じて僕は振り返って必死で懇願する。
「もぉ…ゆるしてぇ♡♡おまんこでコシュコシュしましゅからぁ♡♡」
「ふーむ。この可愛いお尻の穴で楽しませもらおかって思たんやけどなあ」
そう言いつつも僕のおねだりを聞いてくれるつもりになったのか、腰をつかんでいた手が離れた。
力の入らない腰で必死に前に進むと、僕は膝立ちになる。既に先っちょが当たっている。
スカートを捲り上げているからワンウェイさんには僕のお尻が見えているはずだ。
「オマンコでイカせてくれるんやろ?」
「はぃ…♡♡」
お尻の穴を愛撫されてますます蕩けたことで体は準備万端なんだけど。
(おっきいんだよね…♡♡)
口で、手でそのサイズは知り尽くしている。
(いきなりは…♡♡)
片手でオチンチンを掴んで亀頭を割れ目に擦りつける。
(…あ♡これ…だめなやつ…♡)
入れたら絶対に即イキするのがはっきりと分かった。
(入れちゃったら…戻れなくなるやつ…♡♡♡)
スカートを持つ手が震える。
(ゆっくり…ゆっくりだよ♡)
自分に言い聞かせながら、割れ目にあてがった僕は…。
「あんんんんんっっっっっ♡♡♡」
我慢なんてできなかった。大きすぎて三分の一ほど飲み込んだところで一息つく。
(やっぱりしゅごいぃぃ♡♡♡)
ガクガクと膝が震えている。
「ほれほれ、まだ半分も入ってへんで。奥まで入れてくれるんやろ?」
「あ…♡♡」
「奥」その言葉で体の奥まで征服される感覚が戻ってきた。
僕はドキドキしながらそろそろと腰を下ろしていく。
ズルズルと体の内側を引きずるような感覚とともに異物が体の内側に入ってくる。
そして、「んんんっ♡♡♡♡♡♡」ついに奥の扉の前まで僕の体は全部埋めつくされた。
(しゅごいっ♡これしゅごいっ♡)
少しでも動けばイッちゃいそうな予感。
(どうしよ♡♡イッちゃいそう♡♡♡…えあっ!?)
ピクッと体の中で肉棒が動いた。
「あっ!!やああああっ♡♡♡♡♡」
目の前が真っ白になって、後ろからの「すまんすまん、思った以上の気持ちよさに動いてしもたわ」と言う声も耳から遠ざかる。
しかも、絶頂が落ち着こうとしたとき、今度は体から力が抜ける。
「…はぁ♡…はぁ♡…ふぅ♡……ぁっ♡ぁああっ♡」
まだ半分ほど残っていた肉棒が無理矢理入ってきた。
「らめっ♡らめらめっ♡これいじょうっ♡あっ♡やっ♡はいってくりゅっ♡だめなとこはいってくりゅうう♡」
ドアをノックするどころか突き破って無理矢理体の奥にハマった。
「あううううううぅぅぅぅぅっ♡♡♡♡♡♡♡♡」
熱が出ているときのように体が震え続ける。けど、これは苦しいんじゃなくて…やっぱり苦しいんだけど、だけどこれは気持ちよすぎて…。
「イクっ♡イクイクっ♡♡らめらめらめぇっ♡♡♡♡♡♡♡」
目の前を何度も何度も火花が散って、自分でも何を言ってるのか分からない。口からは勝手に声が出る。
「こしゅっちゃらめぇぇっ♡♡♡♡♡」
「そんなこと言うても、動いてんの葵ちゃんやで?」
「もぉっ♡いっちゃてりゅっ♡イキしゅぎておかしくなりゅっ♡」
ビックンビックン体が跳ねて、その動きでまた許容量以上の快感が脳を焼く。
「エエで、アヘ顔を見せるんや」
「あっやらやらやらっ♡またいくっ♡いっちゃうよぉぉ♡♡♡♡♡♡♡」
振り返ってワンウェイさんに顔を向けて僕は絶頂した。
「よっしゃ、一回ワシもイクわ」
(…ぇ?)
体の中に射精される。そのことに気がつくと同時に中出しされる快感を体が思い出してしまった。
「らめっ♡あぁっっっっ♡♡いまイッちゃってりゅからぁっ♡」
脇腹が掴まれる。
「ふぁ?」
寝そべっていたはずのワンウェイさんが体を起こしていた。
(まさか…♡♡♡♡♡)
「擦って出させてくれるんやろ?」
「やあっ♡♡♡♡♡♡♡」
『バチュン』
「っっっっっっっっっっ♡♡♡♡♡♡」
声が出ないほどの衝撃。
『バチュン』
「かはっ!!」
衝撃で止まっていた息がでた。
びくんっびくんっびくんっびくんっ
「めっちゃ締め付けてくるし、これはすぐにイケそうやで」
『バチュン』『バチュン』『バチュン』
瞼の中で目が裏返る。
「んあっっっっっっ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
『バチュン』『バチュン』『バチュン』
「やぁあああああっっっっっ♡♡♡♡♡」
そして、「イクわ」と軽い言葉とともに…
「んんんっ♡♡♡♡♡あはああっ♡♡♡♡♡あちゅいぃぃぃっ♡♡♡♡♡♡」
自分が何を言ってるのかも分からないまま、僕は意識を失うまでイキ続けたのだった。
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