14.おじさんとの一夜① 痴漢初体験
駅でお姉ちゃんと別れてホームに向かった。
お姉ちゃんと一緒の間は大丈夫だったんだけど…
一人になった途端、急に不安になってきた。
…特に周りの男の人の視線がすごく気になる。
考えてみれば僕は下着を除けばひらひらのワンピース1枚。
パンティはTバックだし…。
風が吹くと直接ふわっと素肌に当たる。
「きゃっ」って声が出て周りを見ると何人かの男と目があった。すぐに逸らしたけど、絶対太ももの上の方まで見られちゃったよね。
階段を上ろうとしたときに後ろを歩く人の目が僕のお尻を見ているような気がする。慌ててお尻を押さえた。
それにさっき気が付いたけど僕のポシェットがちょうど肩から斜めにかけると、肩紐がおっぱいの間に挟まって強調されるみたい。
みんなが僕のおっぱいを見てるような…気のせいかなぁ…。
駅のホームでようやくほっと一息ついた。
僕は電車を待つ間に今日の出来事を思い出す。
ふぅ、今日は疲れたなあ。
まず、朝からお姉ちゃんが来て、写真撮影して……。
…写真に撮られるのって意外に気持ち良いんだなぁ…『パシャッ』…脳内にシャッター音が思い出される。
そんなことを思いだしていると電車が入ってきた。
結構混んでるなぁ。人の多さのせいで湿度が高い、はぁ。
時間を見れば6時過ぎ、お盆だからみんなどこかに行った帰りなのかな??
さらに出発前になって電車の中が人でいっぱいになった。ちょっと足を動かすだけで他の人に当たってしまうくらいに混んでいる。
僕は身長が低いせいでつり革を持つのが大変だから、いつもドア付近に立って手すりを持つようにしている。
今日も人の流れにのって何とかドアのそばで手すりを持つことができた。
僕のいる方のドアが次に開くまで30分ぐらいあるし、それまではゆっくりできるはず。
ふぅ、と息を吐いて落ち着くと、電車内の蒸し暑さで、また今朝のことが頭に浮かんできちゃうっ。
最初は裸も恥ずかしかったけど、すぐに慣れちゃったし。
それにシャッター音とフラッシュが頭に響いて、あの音が耳にこびりつく感じ…。
あれって一種の催眠術みたいなものなのかな?
だって今から考えたら…おっぱいを肘で寄せたり…『ちゅくっ』……四つん這いでベッドにおっぱいを押し付けて………あんな格好普通人前でできないもんね……『ちゅくっ』…
あっ、これ以上考えちゃダメだ、濡れてきちゃった…こんなとこで…身動きの取れない電車の中だよっ…
目の前のガラスには僕が写っている。
まだ明るいからかろうじて僕が見えるくらいだけど、ちょっとほっぺたが赤くなってるような。
…僕ってやっぱりエッチなのかなぁ…
そう思って俯くと、電車が走り出した。
すぐに履きなれないヒールのあるミュールを履いているせいで、足がつらくなってきた。
体勢を変えようと少し足を動かす。
「コンッ」
後ろの人の靴に踵が当たる。
「あっ、すみません。」
後ろはあんまりよく見てないけどおじさん、かなり近くに立っていてスカートの裾がおじさんに当たりそうな距離だ。
「いえ、大丈夫ですよ。」
おじさんの声が耳のすぐ後ろからした。
『ぶるっ…』
耳元から鳥肌が立つ。
うあっ…電車の中なのに…ちょっと声が出そうになっちゃった…
『ちゅく…ちゅく…』
脚を動かすたびにスカートの中から音がしているような気がする。
意識しだすとどんどん音が大きくなるような…
『ガタン』
カーブに差し掛かって電車が揺れた。
僕も手すりに身体を押し付けるようにして揺れに耐える。
ん?
お尻に何か当たった感触。
周りを見てみる。何も変わらない車内…。
『ガタンッ、ガタンッ』
ぎゅーっと後ろから押される。
んんん?
今度は、撫でられる感触。
まさか………痴漢?
後ろは優しそうなさっきのおじさんのはず…ってことは…
えっと、こういうときってどうするんだっけ、まずは周りに助けを…って座ってる人はみんな寝てるし、周りはイヤホンつけてたり携帯見たりしてる。
どうしよ~?
僕が困っていると痴漢は騒がれないと判断したのかさらに大胆に触ってくる。
薄い生地のスカートだから僕のお尻を撫でまわす指のねっとりとした動きがはっきりと分かる。
僕が耐えているのに味をしめたのか痴漢の動きはだんだん大胆になってきた。
…いやぁ…両手で揉まれてるぅ…
薄いスカート越しにお尻が撫でまわされる。サラサラの肌触りの生地がお尻の谷間を刺激する。
…あっ…
僕は大変なことに気が付いた。
…今履いてるのってTバックだ…。
痴漢もその時違和感に気が付いたみたいだった。
手の動きが何かを探すようにお尻全体を這いまわる。
きっとパンツの形を想像してるんだ。
僕の顔から血の気が引く。
そしてスカートが徐々にたくし上げられるのを感じた。
ひらひらした短いスカートだから音も立たず簡単に持ち上がる。
周りを見ても全然気づいてない…誰か気づいてよ!
僕はお尻を揺らして嫌がる。
だけど、それは全然効果がなかった。
ついにお尻に直接手が触れる。
だめっ!やめさせないとっ!
「やっ…やめてください。」
小さい声を絞り出した。
痴漢の手が止まった。
僕は真っ赤になってキョロキョロと周りを見る。
『ガタン、ガタン』
けど、周りは無反応。
声が小さすぎたのかなぁ…ぐすっ…
痴漢の手も一瞬止まっただけで、すぐに安心したように再び動き出す。
きっと痴漢は僕のパンツがTバックだと気が付いているはず。
痴漢の手は僕のお尻を直接撫でまわした。
もう一度助けを呼ぼう、そう思って周りを見渡した時、
「今周りにバレたら、君のお尻が丸見えになるぞ。」
耳元で囁かれる男の人の低い声。
お尻をぎゅっと握られる。
「ふぁっ!」
「顔に似合わず、ずいぶんエッチなパンティを履いてるんだな。それにずいぶん濡れてるじゃないか。ひょっとして期待してたのかな?」
あぁ…濡れてるのもバレちゃった…
僕の頭の中は混乱と絶望でいっぱいになった。
もう…我慢するしかないの…?
僕はまた、ぎゅっと手すりを持ちうつむいた。
コメントを残す