祭りの間の情事/天使と悪魔

この日は道場の序列を決める日で、師も顔を久しぶりに出した。犬千代殿からは隠居して丸くなったと聞いていたけど、一人一人の立ち居振る舞いを見る目の鋭さは未だ現役の剣士に後れを取らないもののように感じた。

朝から始まった試合が一通り終わったのは日も暮れようという頃。
このあと、師と犬千代殿は序列の相談を行うため、僕と武三は挨拶をして先に帰ることにした。

「それにしても、師範はまだまだ現役だよなあ」

師の目つきのマネをして武三が笑う。
千手丸が道場に入る数年前から武三は道場に通っていたというから、師との付き合いも僕よりも長いこともあって久しぶりに顔を見て気分が盛り上がっているのかもしれない。

「それにさ、最近三郎の奴も来ないからスゲエ平和だよな!!」

三郎は今日の試合にも参加していないが、最近は稽古への参加もほとんどなくなっている。

(まあ、僕と千手丸にとっては助かるんだけどね)

「なあなあ、千手丸、祭りに行こうぜ!!」

毎日のように練習の音が聞こえていたから気にならなかったけど、どうやら今日が本番だったらしい。

(まさか…それで今日はテンションが高いわけじゃないよ…な?)

「うん…ああ、そうだな。せっかくだし行ってみるか」

武三は家の人から祭りに行く許可をもらってきたらしい。

「って言ってもほんのちょっとしかいられないんだけどな!!」

祭囃子が近づいてくるにつれ、なんとなくワクワクしてきた。

「この辺りからは出店もやってるんだぜ!!」

武三から、この店は旨いだの、あの店は代替わりして味が落ちただのと説明を受けながら屋台を回る。

「武三!!」

ある屋台の前で僕らを呼び止める声が聞こえた。

「あっ!!」

屋台の中には女の子がいる。

「千手丸、ここが俺の世話になってる家の出してる氷屋の屋台だ。で、こっちが従兄妹の鈴」

「ふーん、武三も少しはチャンバラ出来るようになったのかしら?昔はアタシにも叩かれて泣いてたのにね!!」

鈴は武三とそれほど歳の変わらない、愛嬌のある少女だった。

「ふうん、なるほど、武三も隅に置けないってことか」

「「いやっ!!違うから!!」」

二人声を揃えて否定する。それから、なんでお前に言われなきゃならないんだ、と二人で言い合いを始める。

(メチャクチャ仲良しじゃん!!)

「よし、じゃあ、そろそろお開きとしようか」

「えっ、まだこれからあっちの店が…「忙しいんだから手伝いなさい!!」」

鈴ちゃんに怒られて武三が引きずられながら僕に手を振った。

「じゃあ!!また明日、な!!」

(せっかくだしもう少し見ていこうか…)

僕はもとより、千手丸も祭りは初めてだったらしく、見て回ることにした。

(へえ、こんなものが売ってるんだ…ちょっと食べてみようか…)

「兄ちゃん!!どうだい?旨いよ!!」

串に刺した焼き鳥や初めて食べる天ぷら、蕎麦とかいう麺を食べてみたけど、

(どれも美味しい!!)

次から次に食べる僕に店の人たちも、「このお侍さん、メチャクチャ旨そうに食うぜ!!こいつはいいや!!」とどんどん売り込んでくるものだから、千手丸のことも忘れて僕は食べまくった。

「ふう、そろそろ帰ろうかな…」

心の中で千手丸がめっちゃジト目になっていた。

「お兄さん…ちょっといいかい?」

千手丸のプレッシャーに負けて歩き出した僕に路地から低い声がかかった。

「えっと、申し訳ない…もう帰らないと…」

「そんなこと言っていいのか?…千手丸よお」

冷や水を浴びせられたようにそれまでの楽しかった気分が消えてしまった。

「なあ、こっち来いよ」

男の言葉に従って、僕が路地に入るとそのまま場末の木賃宿に連れ込まれた。
安宿だけあって、薄い壁は祭囃子だけでなく、外の喧騒までもが伝わってきた。

「誰かに見られる前にさっさと脱げよ!!」

皆、祭りに出ているのか、今は他に客もいなさそうだが。
覚悟を決めて袴を脱ぐと、三郎は意外にも布のようなものを投げつけてきた。

「これに着替えろ!!」

だけど、着てみて、三郎が何をするつもりか理解した。

「…こ…こんな格好させてどうするつもりだ…?」

まさか、と思いつつ、それでも僕は聞かざるを得ない。

「今日は祭りだぜ?なら、楽しまねえと、な?」

女ものの浴衣を着た僕はそのまま外に連れ出された。

「うっ…いっ、いやだっ!!」

「うるせえぞ!!なんならここでデカい声で言ってやってもいいんだぜ?ここにおわす方は…ってなア?」

「くっ…」

(最悪だ…)

こうなってしまったからには、もう三郎がさっさと満足するのを期待するしかない。

(暗くなってきたし、髪もおろしてるし…誰にも気づかれない…よね?)

こうして、再び祭りの会場に僕は再び戻ることとなった。

「おっ、お嬢さん、美人だねえ!!彼氏さんもここはいいとこ見せねえと!!これ買ってかないかい?」

「ああ?よし、買おう」

声をかけてきた的屋のおじさんに三郎が乗る。そして、買ったのはキラキラと光る綺麗なかんざし。
これで三軒目、かんざしだけじゃなくて、帯につける飾り紐やいい匂いのする匂い袋などが既に僕の身にはつけられている。

「ちょっと待ってくれよ!!母ちゃん!!」

今度はおばさんが出てきて僕の髪を後ろでまとめる。

「アンタ!!どうせなら化粧もしちまいなよ!!彼氏さんもいいだろ!?」

おばさんがいらないことを言う。

「ちょっと動かないでおくれよ!!…っと、これで良し!!っと。彼氏さんもどうだい?別嬪さんがもっと綺麗に…おやまあ、ほんとに美人さんだねえ」

「さ、せっかくなんだ、彼氏がつけてやんな!!」

新しいアクセサリーが増えるたびに千手丸の羞恥が膨れ上がる。
そして、僕にもそれは影響する。

「こんなに赤くなっちゃってさ!!彼氏さんもこんな可愛い恋人離すんじゃないよ!!」

おばさんに背中を叩かれて再び歩き始める。

「そろそろいいだろ?」

(やっと飽きたのか…)

千手丸の羞恥を煽るのに飽きてくれたなら、ヤラれるかもしれないけどこれで帰れる。僕はそう思ってほっとした。

「千…口開けろ」

「その名で呼ぶな!!」

千手丸の怒りが言葉になって僕の口を衝く。

「フヒヒ、まだ元気じゃねえか」

三郎の手が僕の頬を掴んだ。

「なっ、何をっ!?」

はた目には恋人同士がいちゃついているように見えていることだろう。

「楽しい祭りの始まりだぜエ…ヒヒヒ」

三郎の手から黒いものが現れた。

(これ…か!!だけど、どうして、三郎が…!?)

今まで謎だったものがようやくわかった。

(だが、これは父上が封印したはず…)

あの時に比べれば弱いけど、明らかにあの時のもの。
そして、無理やり開かれた僕の口にそれが流し込まれた。

「うっ!!げほっ!!げほっ!!」

「飲んだな?なら戻るか。早くしねえとお前が我慢できなくなっちまうかもしれねえしなあ?」

三郎が勝手なことを言って僕の手を取ると歩き始めた。

「ま、待てっ!!うっ…」

ドクンっ!!体の内側で変化が起こった。
すぐに何が起こっているのかは分かった。

なにせ、もう何度も味わわされたものだからだ。

(こんなところで…)

胸の膨らみが浴衣に擦れる。

「あっんっ♡」

「オンナの声で周りに発情してるってバレちまうぜえ?」

(そんなこと言ってもサラシもないから…乳首が…擦れてぇっ…♡)

「これっ、なんとかしてぇ…♡」

「おいおいおい、その顔ヤベエぞ?完全にメスの顔じゃねえかあ!!」

言葉攻めに僕は俯いた。

「ククク…ん?」

三郎が立ち止まる。

(ん…な、に…?)

「ちょっと寄り道すんぜ」

「いらっしゃいませ!!氷いかがですか~?」

どこかで聞いたことのある声がした。

「あっ、お兄さん、彼女さんに氷菓子なんてどうですかあ?」

「一つ貰おうか、おい、味はどれにする?」

嫌な予感がしながら、僕はゆっくりと顔を上げた。

(やっぱり!!)

そこは武三の家の屋台だった。

「お姉さん、すっごい美人!!!」

鈴ちゃんはどうやら僕が誰か分かっていないみたいでマジマジと顔を見てくる。僕の心臓の鼓動が早まる。

(早く行かないと…気づかれたら…)

「こちらからお選びくださ~い」

僕が店の上に掛けられたメニュー表を見たその時。

「んっっっ♡」

「お姉さん?大丈夫ですかあ?」

三郎が鈴ちゃんに見えない角度で僕のお尻を揉んだのだ。
そして、お尻の谷間を指がゆっくりとなぞる。

「えっと…大丈夫…ん…♡…味は…ぁ…♡」

敏感な体が意図せずピクッピクッ震える。

「その…抹茶…味で…ふ…ん…♡」

「かしこまりましたぁ!!すぐに準備しますね~!!」

そう言って鈴ちゃんが席を外すと三郎が耳元で囁いた。

「武三の野郎がいなくて残念だったなあ?」

耳元にかかる息で頬が火照る。

「お待ちどぉさまで~す!!こちらになりま~す!!」

三郎がとらないので、結局僕が手を出して受け取ることになった。

(メチャクチャ近い…)

鈴ちゃんと距離が縮まって心臓の鼓動がさらに大きくなった。

「またいらしてくださいね~!!」

「よし、行くぜ!!」

こうして、何とかバレることなく、僕は店を後にしたのだった。

◇◇◇

「ふう~氷持ってきたぜ!!あれ?三郎…か?」

氷を担いで店に戻ってきた武三が見たことのある後ろ姿に首をかしげた。

「まあ、どうでもいいか!!おっ!!今年も売れてんなあ!!」

「お疲れ!!」

手拭いで汗を拭く武三に鈴が含み笑いで出迎えた。

「ん?何かいいことあったんか?」

「武三!!惜しかったね!!」

「だから、何がだよ!!」

鈴はさっき来た客のことを言った。

「もうね、すっごい美人で色っぽくて、とにかく凄かったの!!」

「そっか、なら三郎じゃねえな!!あいつにそんな美人と付き合えるような器量はねえからな!!」

◇◇◇

僕がやって来たのは、祭りの中心から少し離れた長屋の裏だった。

「ふぅっ♡ふぅっ♡ふぅっ♡んはあぁぁ♡♡」

壁に背を向けた僕の浴衣の裾を三郎の手が割った。

「ヒヒヒ、もう千も準備万端だなあ?」

体は完全に発情してしまっていて、千と呼ばれても千手丸も反応できないほどだった。

「さあ、分かってるよなあ?ヒヒ」

僕は浴衣の裾を持ち上げると、後ろを向いて腰を曲げる。

「千の…千の淫らなカラダを躾けてくださいませ…♡♡♡」

月明りとそこかしこにたてられたかがり火で何をしているかは近くに来れば絶対に分かってしまう。
祭囃子が聞こえて、そこかしこに人の気配を感じる。

「おうおう、だらしねえマンコが涎垂らしてんぜ!!これはしっかりと栓をしてやらねえとなあ?ん?ヒヒヒ!!」

そして、壁に僕を押しつけるようにして三郎が挿入ってきた。

「んああああっっっ♡♡♡♡♡」

「そんな大声上げたら周りに見てくれって言ってるようなもんだぜえ?」

そう言いながら三郎の腰は力強く動き続ける。
長屋の壁にガンガンぶつかって、もし中に誰かがいたら間違いなく怒って飛び出してくるだろう。

そして、誰かに見られると思うとますます頭がぼおっとして、頭の中が与えられる快感でいっぱいになる。

「んあぁぁぁっっ♡だけどっ♡…こんなのっ♡とまってぇっ♡」

「いいのかあ?止まっちまってよお?」

三郎の腰が止まると、僕の腰が自ら動いてしまう。

「なんだなんだ?やっぱり動いてほしいんだろ?言えよ?」

「ああっ♡欲しいっ♡動いてほしいですぅっ♡もっと…もっと奥まで欲しいですぅ♡」

バチュッバチュッと三郎の腰がぶつかる度に淫らな音が出て、太腿を熱い粘液が流れ落ちて、地面に黒い染みを作っていく。

「すごいっ♡かたいのがっ、千のおくっ♡とんとんしてっ♡ふわっとなって♡だめぇっ♡」

「うおっ!!こなれてきやがって!!子種を欲しがってやがる!!」

挿入されてからずっと体がイキっぱなしで、訳が分からなくなっていた。
僕の意識が弱まって千手丸が現れる。

「ほしいっ♡三郎様の子種汁くださいぃぃっ♡千の孕み袋の中いっぱいに出してぇっ♡」

「くっ!!いいだろっ!!出してやる!!しっかり孕めよおっ!!」

体の中で三郎がさらに膨らんだ。

「イイっ♡♡イクっ♡♡イッちゃいますぅっっ♡♡♡」

体の奥に注ぎこまれる感覚に何度も体が痙攣する。

「まだまだ!!これからだぜ!!ヒヒヒ!!」

三郎が今度は腰を掴んで強引に回した。

「んあっ♡」

向かい合わせで挿入したまま壁に背中を押しつけられる。

「ひぁっ♡おくっ♡ささってぅぅっ♡」

自分の体重でさらに奥までめり込む三郎。

「掴まってろよお!!」

そのまま腰が振られる。

「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡」

落ちないように両手両足を三郎に巻きつける。
今や、浴衣の裾も胸元も乱れて、ほとんど何も隠せていない。今なら遠くからでも何をしているのか一目瞭然だろう。

だけど、それすら快感を生む小道具でしかなかった。

「どうだっ!!直接ぶち込んでやる!!」

「しゅごっ♡もっ♡いりぐちひらいちゃってるよぉっ♡」

体から力は抜けて、掴まっていることしかできないのに、三郎の入った部分だけは勝手に収縮して子種を求める。

「ヒヒヒ!!欲しがり女の顔になりやがって!!もっと気持ちよくしてやるぜ!!口開け!!」

小さく口を開くと、三郎の口が迫ってきた。
だけど、この体はもう逃げるようなことはない。

ぬるっと舌が入ってきて、それと一緒にまた、あのどす黒いものが体内に入るのが分かった。
絡みついてくる舌に任せる。

「んああああああっっっっ♡♡♡…クっ♡♡♡イクっっっ♡イッちゃうぅぅぅっっ♡♡♡」

一拍遅れて感度がまた上がった。

「おかしっ♡♡おかしくなりゅううぅぅぅぅっっ♡♡♡くるっちゃうよぉぉぉぉ♡♡♡♡♡♡」

頭の回路が快感に焼ききれそうになって、意識がとぎれとぎれになる。

「んはああああっ♡♡♡しゅごいっ♡はらまされちゃうぅぅぅぅっ♡」

「嫌いな男に中出しされて孕んじまえ!!」

「きてぇぇぇぇっ♡♡♡♡せんをはらませてぇぇぇっっっっっ♡♡♡♡♡」

言葉にならず頷き続けて、僕らはそのまま三郎の獣欲を受け止めたのだった。

◆◆◆

自分の中にあるはずのものを探しに深く心の奥まで沈みこんだイリス。
コロシアム内の喧騒は既に彼女の耳には届かない。

静寂の中、心の奥深くに光るそれを掴みとり、イリスは静かに目を開いた。

不意に、世界に音が戻ってくる。

イリスはコロシアムの観客席から見下ろして騒ぎ立てる観衆たちを見回す。その表情は心ここにあらず、という一見気の抜けたような顔。

それから、己の前に立つ赤褐色の大男に目を向けた。不思議なものを見るような目で男を見つめる。
目の前で立っているのはあのアキレウス陛下だろうか。あの恐ろしいほどの覇気がまるで感じられない。

「ふう…」

「ほお!!なるほどなア!!これはイイ!!今ならオレでも勝てねえかもなア!!」

アキレウスが一歩踏み込み横なぎに大剣を振るう。
だが、イリスの目が大剣を見つめると、ありもしない方にアキレウスの腕が曲がって、剣の軌道を変えた。

「ヌウ!!…チッ!!この力は…!?」

イリスの目にはこれまでとはまるで違った世界が見えている。
そして、観衆もまた、驚きと畏敬の念でイリスを見ていた。

突然輝きを放った白銀の騎士。そして、光の中から現れたのは、背中に6対の羽根を持つ天使だった。

「フン!!」

続く一振りもイリスとは全く違う場所に振り下ろされる。

「まだだ!!」

「アキレウス陛下、今ならまだ間に合います。私は王位など欲していない。私の欲しているものはただ、アテナ様を元に戻し、この国を…民のための政をしていただきたい。ただそれだけなのです」

イリスとしてはアキレウスが考えを改めてくれればそれでよかった。
だが、アキレウスにとってそれは屈辱以外の何物でもなかった。

「ぬううううウウウウウ!!このような屈辱は許さヌ!!だが、このままではお前も本気を出して戦えぬか!!」

イリスの中で本能が危険を告げる。

「陛下!!何を…」

だが、イリスの言葉が最後まで紡がれることはなかった。

「ぐおおおおオオオオオ!!」

黒い靄がアキレウスの周囲を包み込む。

(何かまずい…!!)

イリスは本能的にアキレウスのいるであろう真っ黒な靄に向かって剣を振るった。もはや、アキレウスの生死を考える余裕はなかった。

果たして、靄の中に吸い込まれた大剣は大音量の金属音とともに止められた。

「なっ!!!」

靄が晴れる。立っていたのはアキレウス。だが、その背には濡れているかのような漆黒の6対の翼を背負っていた。

「ふっ、ふっ、フッ!!よもやこの姿になることがアルとは!!イリス!!礼を言おう!!本気で戦い、オレの前にひれ伏すがイイ!!」

黒い波動がアキレウスを中心に広がる。それはコロシアムの前列に位置する観客にぶつかり、そして、彼らを灰にした。

「なっ!?」

「コノ姿は、少々燃費がワルいのが欠点ダナ」

真っ黒な羽を羽ばたかせると、再び波動が訳も分からず固まった観客を灰に変える。

「まさか…自国の民を…!?」

ようやく観客たちが逃げ出し始めた。

「サア!!これで本気が出せるだろウ?」

イリスは自分の頭に血が上るのが分かった。

「あなたはっ!!そこまで腐っていたか!!」

イリスの目がアキレウスをとらえる。だが、何も起こらなかった。

「クハハハハハ!!驚いた様ダナ!!お前の力は理を捻じ曲げル!!ダガ、それはオレも同ジ!!」

アキレウスが手を伸ばすとその手には漆黒の剣が現れた。

「おマエもエモノを出せ!!出さヌと…死ぬゾ!!」

そして踏み込んで漆黒の剣を振るい、ギャンッと甲高い音がコロシアムに響く。

間一髪、イリスの手にも真っ白な剣が握られていた。

「お互イに同じ力ヲ持つ者同士…語り合おうゾ!!」

イリスとアキレウスの視線が交差する。

そして、動き出したのは同時。
白と黒の激突。その瞬間、お互いの波動がぶつかり合って衝撃で巨大な石造りのコロシアムが震えた。

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