12.お盆2日目 お姉ちゃんと買い物デート(⑱禁描写無し)
お姉ちゃんとの撮影会は結局8時くらいから始めて僕の気絶時間も含めると11時くらいまでかかっちゃった。
気絶するほど気持ちよくなったから治るかもってちょっと期待してたけどやっぱり駄目だった。
「かなり分泌液が出たからちゃんと水分補給しないとね。」
ってお姉ちゃんは言ってスポーツドリンクを飲ませてくれた。
こういうとこは優しいお姉ちゃんなんだけどね。
でも、買い物って言っても僕、女の子なんだよなあ。
服どうしようって思ってたらお姉ちゃんがキャリーバッグをごそごそして紙袋を出した。
「お姉ちゃん、それって?」
「もちろん遊君の服よ。買い物行くためには服を着ないとね!」
紙袋の中にはパンティ、ブラジャー、Tシャツ、ホットパンツ。ショルダーバッグまであった。
「さあ着替えるわよっ」
お姉ちゃんに着せ替えられること10分、お化粧を軽くさせられる。
「さっ、出来たわよ。」
鏡の前の僕は…黒のTシャツにジーンズのホットパンツという出で立ちのさらさらショートヘアの女の子。
ちょっと恥ずかしそうに目をそらす姿は思わず見惚れちゃうような美少女っぷり。
Tシャツを持ち上げるおっぱいはブラジャーが合ってるのか以前よりサイズが大きくなってるみたい。
どうして僕のサイズが分かったのか聞いてみたけど、「な・い・しょ」だそうです。
ちなみにサイズはEサイズだそうです。
それでは出発です。
目的地は僕らの住む町の駅から電車で40分、最も大きい繁華街。
大型のショッピングモールやデパートが集中していることもあって人混みがすごい。
「お姉ちゃん、僕変じゃない?」
「ぜーんぜん、可愛いわよぉ。」
「でもでも…通り過ぎる人がみんな僕を見るよ。」
「それはあなたが可愛いからよ。」
「そうなのかな?うーん。」
確かに鏡で可愛いとは自分でも思ったけど、女の子ってこんなにジロジロ見られるんだ。
あっ、店の前の男の人…僕のおっぱいガン見してる。
あれ…?向こうからくる男の子が手を振ってる!?
「遊君、あの子は友達?」
うーん、誰だろ…ちょっと遠くて分からないなあ…
…んーと…ああっ。ヤバいっ!…あれは……和也だっ!
隠れなきゃって思ったけどもう目の前に来てるよー。
「あれ?先輩かと思ったんですけど人違い…かな?ごめん。」
ニコニコ手を振りながら近づいてきた和也が話しかけてくる。
僕はお姉ちゃんの服を握ってお姉ちゃんの後ろに少し下がる。
「でも…雰囲気とかそっくりなんですけど…うーん、先輩は男だしなあ…」
「男だしなあ」のところは僕のおっぱいをガン見しながら…。
じとーって見といてやった。
ところが、和也はそれをどう勘違いしたのか「あの、お時間あるなら一緒にお茶でもしませんか?」などと誘ってきた。
僕は隣のお姉ちゃんを見る。
「あっもちろんきれいなお姉さんも一緒にどうですか?」
お姉ちゃん、断ってよね、って目で合図を送る。お姉ちゃんは僕の目に笑顔で返す。
「30分くらいなら良いわよ、じゃあそこのお店でどうかしら。」
あれよあれよという間にコーヒーショップのテーブル席で向かい合った。
「ちょっとお姉ちゃん…、どういうこと??」
和也が商品を取りに行っている間に小さな声でお姉ちゃんに聞く。
「良いじゃない、学校の話も聞いてみたいし、遊君の困った顔も見てて楽しいし。」
絶対後半が本音だ。じとっとお姉ちゃんを見るけどお姉ちゃんはどこ吹く風。
和也がトレーを手に帰ってきた。僕は慌てて笑顔を作る。
「オレ、あっ、ボクは相沢和也って言います。名前を教えてもらっていいですか?」
「ボク」だって、ふふふっ、さてはお姉ちゃんの前で緊張してるんだな。
「私は山田美鈴、この子は高梨柚(タカハシユズ)」
「高梨?山田?二人はひょっとして先輩方の…」
「そうよ、隆は私の弟、遊はこの子の従妹よ。」
どうなるのかと戦々恐々としていた僕をしり目にお姉ちゃんは自然にウソをつく。
上手に嘘をつくには真実を織り交ぜろって誰かが言ってたけど本当にその通りなんだなあ。和也はまったく疑ってないよ。
「だからそっくりなんですね。特に柚さんは高梨先輩そっくりです。」
僕の目を見て和也が言う。
「そ、そうですか?」
さっきから飲み物を取りに行ってくれたり、二人に平等に話しかけて、どちらかがつまらなくならないように気配りもする。
こうやって見ると和也もなかなか良い男なのかも。だから彼女が途切れないんだなあ。
「ねえ、それより、この子の従兄は学校ではどんな感じなの?」
お姉ちゃんが質問する。
ちょっと僕も興味がある。
「ええっと、そうですね。ボクは新聞部っていう人気のない部活動に入ってるんですけど」
人気無くて悪かったな…。
今度学校であったら絶対いじめてやる。
「そこの部長が高梨先輩で、優しいし、こんなこと言ったらあれですけど体格も大きくないからあんまり先輩って感じじゃないんです。でも、ボクは高梨先輩が好きですね。」
「どうしてそんな風に思うのかしら?」
「ボクは見て分かると思いますが、チャラいように思われることが多くて…みんな色眼鏡で見てくるんですよね。
実際それなりにチャラいんですけど、先輩は最初からそんな僕のことも平等に扱ってくれました。
先輩が女の子だったら絶対口説いて彼女になってもらうのになあ。」
ブルッと悪寒がする。
僕のことを好いてくれるのはいいけど、最後の方は目が笑ってなかったよぉ。
「じゃあね、楽しかったわ、ありがとう。」
「ごちそうさまでした。ありがとう、和也君。」
「いえいえ、柚さん、こちらこそ楽しかったです。あっ!美鈴さん、さっきのボクの話、山田先輩には言わないで下さいね。」
「どうして?」
「山田先輩も多分高梨先輩のこと狙ってるからこんな風に言ってたなんてバレたら…。」
ええっ、何の話?僕は男で、和也も男で、隆も男だよ!男だらけの三角関係なんて楽しくもなんともないよー!
「ふふ、了解。じゃあね。」
和也が手を振って、人混みの中に消えていくのを確認して僕はお姉ちゃんに詰め寄る。
「もうっ、お姉ちゃん!寿命が縮んだよっ!」
「良いじゃない、色々面白いことも聞けたでしょう?それに…これでもし、学校の友達に会っても安心でしょ?」
確かに。和也にバレないなら他の誰に見られてもバレないだろう。でも次に和也と会ったらどういう顔をしたらいいのかな?
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