『クリューソス』コンテスト四日目、結果発表
「皆様ッ、コンテストの集計が終わりましたッ。グランプリの発表ですッ」 初日と同様、出場者全員が舞台に並ぶ。 初日とは異なり、今日は全員がお姫さまのような真っ白で豪華なドレスを着ている。 日が傾く頃に始まったこれがお祭りの...
妖刀戦記「皆様ッ、コンテストの集計が終わりましたッ。グランプリの発表ですッ」 初日と同様、出場者全員が舞台に並ぶ。 初日とは異なり、今日は全員がお姫さまのような真っ白で豪華なドレスを着ている。 日が傾く頃に始まったこれがお祭りの...
妖刀戦記コンテスト三日目。 今日は特技披露の日だ。 「初日に続いて昨日の水着もかなり目立ったからなあ…、今日あたりかなり強引な嫌がらせがあるかもしれない。アオイもタマも気をつけてくれよ」 ミハエルがそう言うのでハルとアメは気配を...
妖刀戦記「ちょっと、ミハエルっ?これっ、これっ、どういうことっ?」 僕の剣幕にスージーさんがヒイッと服の棚の後ろに隠れた。 「どういうことも何も…今日は水着審査じゃないかよって…こりゃあ斬新だな…」 試着室のカーテンから飛び出し...
妖刀戦記「皆様、お待たせしましたぁぁッ。クリューソスの年に一度のビッッッグ、イィィベンツゥウウッッッ、その中でも一位二位を争う人気、コンテストの始まりだああああっ」 司会のお兄さんが舌を巻き巻きで叫ぶと建物全体に響きわたって、観...
妖刀戦記『カランカラーン』 「はーい。いらっしゃい。あらあら、ミハエルじゃないか」 妙にハスキーで高い声が僕らを迎える。 大柄なおばさん…じゃなくておじさんがそこにいた。 赤銅色の肌に燃えるような赤い髪はドレッドで眉は太く、目鼻...
妖刀戦記「頼むっ、俺に案内させてくれっ」 ジャイアントフロッグが突っ込んできた際に気絶していたミハエルは目覚めると、どうしても案内させろと言い張った。 「うーん」 「こう見えても俺は王(ワン)さんの商会に所属してるんだ。だから色...
妖刀戦記乗り合い馬車の旅五日目。 『カタカタ…キッ、キィッ』 もう一時間ほどでクリューソスというところで馬車が停まった。 「あれ?どうしたのかな?」 「何かあったようですね」 僕らがこそこそ話していると、窓から覗いていたおじさん...
妖刀戦記土御門家現当主、土御門政直はその日、信頼する僅かな供と息子(むすめ)の千手丸を連れて領地内の山奥に向かった。 山の麓に着くと山道の入り口で供を残し、千手丸と二人、山道を登る。 (ここだ) 前回来たのははるか昔だが、それで...
妖刀戦記そして翌日、僕は再びレイモーンの門番のおじさんのところに来ていた。 「お前、昨日は野宿でもしたのか?えっ?最初に行くなら?うーん、そうだなあ、『アリストス』か『クリューソス』がいいんじゃないかな」 おじさんは前日ラルフと...
妖刀戦記イシュクから西に向かった僕らは、砂漠を越え、そこから草原を南に向かうと小さな都市に到着した。 小さいながらも城壁のある街。 都市国家群の一つだ。 都市国家群とは、それぞれ独立した国家としての機能を持った都市の集まりだ。そ...
妖刀戦記一触即発のその時。 「ギャアアッ」「んああああっ」 魔物と人の叫び声がしてその直後、『ドンッ』と衝撃音がした。 (何だっ) 弓が転がってきたと思ったら後ろから気だるげな声がした。 「んっ、くっ……もぉ…ボス君、揺らしたら...
妖刀戦記俺は振り返らずに言った。予想通り、後ろの木立から地面を踏みしめる音がする。 (やっと出てきやがったな) だが、ゆっくりと振り向いた俺は男の顔を見て言葉を失う。 (そんな…馬鹿な…) 「なっ、なぜ?…アラグノールじゃ…」 ...
妖刀戦記弾正さんが冷や汗をかいている頃、走り出したばかりの僕も別の意味で冷や汗をかいていた。 柔らかいと思って跨がった部分に突起のようなものが生えてきたのだ。そこはちょうど脚の付け根付近。タイトなミニスカートは走っているうちに揺...
妖刀戦記「…る……丸…」 体が揺さぶられる。 「…千…る…」 「ん…」 私は寝返りをうった拍子に目を覚ました。 至近距離にある唇。 「きゃっ」 「うわっ」 思わずドンッと前に手を出すと、尻餅をついた武三が驚いて目を丸くしていた。...
妖刀戦記「だっ、弾正さんっ、正気に戻って、…あっ、ええっ?またぁっ?…あっ、やっ、あんっ」 再び動き出した触手がタイミングよく僕の乳首に吸いついてきたせいで上手く喋れない。 「あっ、やっ、んっ、ああっ」 (はうぅぅっ…だんじょう...
妖刀戦記「ひひひ。ルーの乳は柔らかいのお。極楽じゃあ、極楽じゃあ」 弾正さんは突然現れたルーという名前の女の子の胸に顔を埋めてはしゃいでいる。 どうやら、銀髪のハーフエルフの少女は口数こそ少ないけど、弾正さんとは仲が良いみたいだ...
妖刀戦記(あれ…?今なんだか変な声が…それに弾正さん今走ってなかった?…まさか元気だとか…いやいや、…気のせい…だよね…?) なんとなく不安に駈られたものの、僕は弾正さんの妙な迫力におされてコクコクと頷いた。 「はっ、はい…それ...
妖刀戦記「僅かな間にお強くなられましたね。どうやら祖父の道場では有意義に過ごされているようだ」 「ありがとうございます」 久しぶりに城に帰った私は指南役の加茂泰晴に稽古をつけてもらっていた。 「ほう…安倍犬千代ですか…確か豪剣の...
妖刀戦記翌日、俺は午前中から昔馴染みの店に来ていた。 「アラン、噂になってるぜ」 昔馴染みの店の主は俺が子供の頃からの付き合いだ。サリオン先生に叱られて孤児院を飛び出した時もハーフエルフの俺に残り物の食べ物をくれた気のいい親爺だ...
妖刀戦記結局、俺は昨夜は世界樹のもとに行くことはなかった。 そして、今日はどうしてこんなことになってしまったのか…。 今、俺の隣には黒髪の少女、葵がいる。 「おかしいなあ。ねえ、アズもそう思うでしょ?」 アオイにジッと見つめられ...
妖刀戦記夜の帳が下りるとイシュクの街は屋台と酒場の賑わう街に変わる。交易で栄えるこの街は旅人達のオアシスなのだ。 (アオイ…ね) これから一仕事を残したアランだったが、彼は今、イシュクの夜の喧騒の中にいた。 覚悟は決まっている。...
妖刀戦記「お帰りっ」 アランが仲間とともに帰ると、上手くいった事を察した留守番の仲間達が笑顔で出迎えた。 「留守中に問題はなかったかい?」 ディジーの質問に首を振る面々。 「アランっ、首尾はどうだった?」 留守組をまとめていた年...
妖刀戦記牢に繋がれていたはずの老人が目の前にいる。 ルーは老人に会うのを周りから止められていたためこの数日会っていなかった。その間に老人の腫れ上がっていた顔は元通りになっていて、唇に切れた跡が少し残っている程度まで回復していた。...
妖刀戦記葵がイシュクに向けて歩き始めた頃、アランのアジトでは留守番を任されたメンバーが各々自由な時間を過ごしていた。 その中で赤毛のポニーテールをピョコピョコ振りながら一人の少女が向かい側に座る銀髪の少女に話しかけていた。 「ね...
妖刀戦記照りつける太陽、赤い粘土質の地面とところどころに現れる石灰質の白い岩。 力強く大地を蹴っていた脚が、風に靡く美しい銀の毛並みが、僕の目の前で命を失っていく。 強い意思を伝えていた瞳が無機質な石へと変化して、ついには巨大な...
妖刀戦記「へえ?この橋が跳ね上げ式ってやつ?」 「そうだ。それぞれの橋の王城側にあるあの機構で巻き上げると橋が外れる仕組みだ」 馬車の窓から眺めつつジルの解説を聞いた。 僕らは現在王城に向かっている。 昨日は王城に集められた貴族...